1980年にそれまで6年住んだ千葉県の流山市にあった会社の南柏のアパートを出て、茨城県北相馬郡藤代町(現 取手市藤代町)に移り住んだ。
神田への通勤は住宅団地からバスで出るJR取手駅が最寄り駅だった。引っ越した最初の冬 取手駅のホームの先端に何人かの人が歩いて行くのが見えた。
何だろうと思ってついていくと、誰かが指さしている方向に小さな白い三角形が見えた。「富士山だね」と声がしてなるほどそれは富士山だった。
利根川越しに茨城県から富士山が見える・・初めて知って嬉しい衝撃だった。確かその日帰宅してすぐ家のみんなに一番に報告した。
見ている今の場所は、取手に比べれば都区内だから富士山が見えるのは当たり前と言えば当たり前だが、やはり神戸の六甲山麓在住が長かった人間には
筑波山しか山がない関東平野のだだっ広さに驚く。時々筑波山も見える日があるが・・
随分遠隔地だと思われる関東各地にも江戸時代からあちこち各地に「富士塚」があり富士山浅間神社信仰が続いたのは
本当に塚を盛って少し高くすれば、どこからでも こうして ビルや高い建物のない当時の江戸時代の人間の目に富士山が
実際に見えたのだろうと思ってしまうがどうだろうか?