2021年2月1日 6時00分 小さく波打つ諏訪湖で水温を測る宮坂宮司(中央)ら。前日に続いて湖岸の草木に着氷(奥)が見られた=諏訪市豊田の舟渡川河口近く
御神渡り(御渡り)の出現を期待して観察が続く諏訪湖では1月31日、湖面が波打った。判定と神事をつかさどる八剱神社(諏訪市小和田)の総代たちは「がっかりだね」と落胆。一方、県内外からの注目度は高く、見物客でにぎわいを見せた。
観察場所の舟渡川河口近く(同市豊田)では午前6時半ごろ、宮坂清宮司の温度計で水温は1.1度、気温は氷点下2.5度。宮坂宮司は「薄氷が張ってもおかしくない水温。波が無ければ氷が張っていたのに…」と残念がり、「暖かくなってくるが、立春までは注意しながら見ていきたい」と話した。
観察場所には県内外のツアー客のほか、全面結氷したことを知って愛知県から訪れた男性や京都府から来たフリージャーナリストの女性も。見物客らは岸辺の草木の着氷に感動したり、打ち寄せられたごみを悲しそうに見詰めたり。宮坂宮司は「御神渡りだけでなく諏訪に興味を持ってもらえてありがたい」と話した。
2月1日の諏訪の予想最低気温は氷点下3度となっている。
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観察を続けてきた総代たちは1月31日、3年間の任期の最終日を迎えた。2月3日ごろまで観察は続けるが、宮坂平馬大総代は「(任期中に)全面結氷したのは今季が初めてで、冬の美しさを感じた」と振り返った。また、「昔は凍るのが当たり前で、諏訪湖が地球温暖化について何か(メッセージを)発信しているのだろうか。反省しなきゃいけない」とし、「今後も極力大勢の人がこの文化に接してほしい」と願った。