♪気にしていた裁判所の判断が二つ出た。
国民国家ならごく当たり前の司法判断だと思うが、その当たり前の判断が出るとやはりほっとする。
1、機密費訴訟 証言の承認求める NHKニュースから1月22日 4時25分
官房機密費の使いみちを明らかにするよう大阪の市民グループが国に求めている裁判で、裁判所は官房長官に対し、
機密費の事務を取り扱っていた責任者が職務上の秘密について証言することを認めるよう求めることを決めました。
この裁判は、平成17年から18年にかけて支出された官房機密費の使いみちを示す領収書などを公開するよう、
大阪の市民グループ「政治資金オンブズマン」のメンバーが国に求めているものです。
これまでの裁判で、平成18年から官房機密費を扱っていた当時の事務の責任者が証人として出廷しましたが、
使いみちについては「国益を害するため公にすべきではない」などと明らかにしませんでした。
このため、原告側は、この責任者が職務上の秘密について証言することを認めるよう、裁判所から官房長官に求める手続きを取ることを申し立てていました。
これについて、大阪地裁は「詳細に答えるかどうかは別として、改めて証言すること自体は問題だとは言えない」などとして、
官房長官に対し当時の責任者が職務上の秘密について改めて証言することを認めるよう求めることを決めました。
強制力はないということですが、裁判所がこうした決定をするのは異例で、官房長官の対応が注目されます。
2、テープ「取材源特定」 大阪高裁、提出取り消す 2011年1月22日 asahi.comから
北朝鮮の拉致被害者の有本恵子さんの安否について言及したジャーナリスト田原総一朗氏の発言をめぐる慰謝料請求訴訟で、
田原氏の発言の根拠とされた取材テープの提出を必要ないと判断した大阪高裁の安原清蔵裁判長は、
決定理由で「テープには取材源の特定につながる情報が含まれている可能性が高い」と指摘した。原告の有本さんの両親側は最高裁などへの不服申し立てをしない方針で、
地裁の審理が再開される見通し。
田原氏は2009年4月のテレビ朝日の討論番組「朝まで生テレビ!」で、有本さんら拉致被害者について「外務省も生きていないことは分かっている」と発言。
有本さんの両親が同7月に慰謝料1千万円を求めて提訴した。
田原氏側は発言の根拠として、外務省幹部への取材(08年11月)を録音した53分40秒のテープのうち6分42秒間のやりとりを文書にして証拠提出。
神戸地裁は昨年10月、田原氏は文書化にあたってテープを引用し、秘密を保持する利益を放棄したとして提出を命じた。
安原裁判長は、テープが提出されれば音声や言い回しなどで取材源が特定される可能性が高く、外務省幹部もテープが開示されないという前提で取材に応じたと指摘。
提出された文書も、田原氏側が取材源の秘匿義務に反しないと判断したテープの文字情報だけが引用されたと述べた。
さらに06年10月の最高裁判断を踏まえ、取材源の秘匿は職業の秘密にあたり重要な社会的価値があると指摘。
取材源特定につながるテープ提出を田原氏が拒むのは公平性を害するとはいえないとし、地裁決定を否定した。
田原氏側が出した文書の正確性を確認するには、作成者(田原氏の代理人弁護士)への証人尋問などの方法があるとし、
「今回の訴訟で、公正な裁判の実現のためにテープ提出が必要とは認められない」と結論づけた。(平賀拓哉、沢木香織)
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