2011年04月09日(土)
☆ビデオニュース・ドットコムから全文引用。動画を引用元で見てください。 (2011年04月09日) 解説:小出裕章氏(京都大学原子炉実験所助教) 原子力安全・保安院は、8日、福島第一原発一号機の原子炉格納容器内の放射線濃度が、毎時100シーベルトに上昇したことを明らかにした。これは前日に比べて、3倍以上も高い放射線濃度にあたり、同炉内の温度と圧力も上昇しているという。 京都大学原子炉実験所の小出裕章助教は、放射濃度の急上昇に加え、原子炉の温度や圧力の急上昇していること、更に塩素が中性子に反応して生まれるクロル38という塩素が原子炉内で発見されたことなどから、炉内で再臨界が起きている可能性が高いと指摘する。中性子は核分裂が起きたときに発生する。 臨界とは放射性ウラン燃料などが核分裂連鎖反応を起こす状態のことを言う。「再臨界」は、臨界状態にあった原子炉が一旦停止して核分裂が止まった後、燃料棒の露出などでウラン燃料が溶け出して、圧力容器の下部に蓄積するなどして、制御されない状態で核分裂連鎖反応が起きる状態を指す。 再臨界が起きると核分裂反応の制御が困難になり、大規模なエネルギーが発生するため、原子炉内の温度があがり水蒸気爆発の可能性が高くなる。 小出氏は、水蒸気爆発が発生し、圧力容器や格納容器が吹き飛び、今とは桁違いの放射性物質が流出する最悪のシナリオにも今後警戒していくべきだと述べ、その場合、風向き次第では東京も避難対象となる可能性にも言及している。 以下の引用元 東日本大震災特別番組 京都大学原子炉研究所 小出裕章先生のインタビュー 2011年4月8日金曜日20時30分から30分間 福島第一1号炉では再臨界が起きているのではないか FM797京都三条カフェラジオ Ustream http://www.ustream.tv/channel/fm797-radiocafe-live-program-from-kyoto [画像開始30秒ぐらいから番組開始。以下番組を聞きながらのメモ。話された言葉の通りではありません。疑わしいところは必ず聞いて確かめてください。著しい間違いがあればお知らせください。nfsw19] 昨日の地震以来いろいろな動きがあるが、1号機についていまわかっていることは? 小出:1番心配なのは、1号機の格納容器の中の放射線量が昨日から今日にかけて急増したこと。激増と言っていいくらいに急増した。ということは、格納容器の中に大量の放射線物質が流れ込んで来たことを示している。それがどういうことかを考えないといけない。 激増したということは? 小出:2倍か3倍に増えた。 何が推測できますか? 小出:原子炉の中の温度が上がっている。格納容器の中の圧力も上がった。窒素を入れたからということもあるかもしれないが、放射線量が上がり、原子炉の中の温度も上がったということは、原子炉の中で何らかの異常があり、放射能が格納容器の中に吹き出してきたと推測できる。 窒素との関係は? 小出:窒素を入れたことは格納容器の中の圧力には関係があるかもしれないが、原子炉の中の温度の上昇とは関係ないはず。 窒素は水素爆発を防ぐためにいれたんですよね。それはよかった? 小出:そうではない。もともと格納容器の中は本来は窒素だけが入っていた。それが事故により大量の水素が入り、放射能も充満してきた。一時期ベントで外に出したが(間に合わず)建屋で水素爆発を起こした。水素だけならいいが酸素も格納容器の中に蓄積している。水素と窒素だけなら爆発しない。 小出:酸素はどこから来たか。水が放射線にあたり、酸素と水素に分解する。その量だけなら大したことはないと思う。しかし、東電が爆発を心配しているということは、格納容器にどこかから酸素が入ってきているのかもしれない。そうなると酸素を窒素に置き換えないといけない。そこで窒素を入れることにした。 小出:しかし、格納容器の大きさには限りがあるので窒素を入れるといままで入っていたガスを出さないといけない。そのガスとは水素と放射能。それを放出しなければならないところまで追い込まれていると考えられる。いまはまだ保っているが、格納容器の中の圧力があがって来ているのでいずれ出さないといけない。 放出させないともっとたいへんなことになる。放射線量、温度、圧力が高まっている。手当の方法は? 小出:方法はたった一つ、水を入れること。これをずっとやってきたし、これからもやらないといけない。しかし、2号機3号機と違って、残念ながら1号機は水を入れても温度が下がらない。それは再臨界が起きているからではないのかというのが心配。 再臨界というのは? 小出:臨界というのはウランが核分裂をすることを示す言葉。原子力発電は運転中はずっと臨界(核分裂している)。だから、事故があるとまず核分裂を止めなかればいけない。そこで制御棒を原子炉に入れてウランの核分裂反応を止める。今回もウランの核分裂反応は止まったものと推測しているが、原子炉の中には大量の核分裂生成物、放射能がが溜まっている。ウランの核分裂反応は止められたとしても、放射能それ自体が出す熱は止められない。崩壊熱はずっと出続ける。そのために原子炉はどんなときにも水をかけて冷やし続けなければならない。 小出:今回は(冷却装置が壊れてしまったので)水をかけて冷やし続けているが、その間に原子炉が壊れてきてしまっている。壊れてきて、原子炉内部の形が変わってしまった。 小出:原子炉は燃料棒という直径1センチで長さが4メートルの細長い物干し竿が、たくさん林のようにたてて並べてある。その棒の中にウランを瀬戸物に焼き固めたペレットが入っている。止めるときは燃料棒のあいだに制御棒が入って核分裂を止めるのだが、今回の場合は燃料棒そのものがもうぐずぐすに壊れている。1号炉は70%壊れていると東電は言っているのだからつまり形がない。中に入っていた瀬戸物もぼろぼろになってあちこちに崩れている。 小出:形があって制御棒が入ればウランの核分裂反応を止めることができるが、形がなくなっているので核分裂反応を止められない場合が出てくる。そうなると、また核分裂反応が始まって熱が出てくるし、放射能がどんどん出てくる。それを心配している。 テレビに出てきた学者は、臨界できるような状態が整えられたときに臨界は起きるが、崩れたときには臨界しないと言っていましたが? 小出:ウランが崩れてひとかたまりになったときにはむしろ臨界しやすくなる。 臨界が起きて中性子が検出されている? 小出:原子炉の中に中性子を計るものがあるが数値は公表されていない。ひょっとすると壊れていて使えないのかもしれない。外部で検出された中性子は参考にならない。 小出:そこで、温度が下がらないのは再臨界が起きているのではないかと予想。限られた情報の中で合理的に推測するとそうなる。1号機から目を離せない状況。圧力を抜いて爆発しないようにしなければならないが、もし再臨界が起きていたとすれば、もっと濃度の高い放射性物質が外に吹き出してくる。 東電の記者発表では、高い数値について計器がおかしいという話もあったが? 小出:そうであったほしいが、そうでない場合は問題だ。 小出:大気中に高濃度の放射性物質が放出されることになると周りはさらに気をつけなければならない。いままでに沖縄にも広島にも届いている。最悪の事態にはチェルノブイリと同じ規模になる。チェルノブイリの場合は発電所から700キロまで放射線汚染指定区域になった。 小出:拡散データが出るようになったが、データは出すほうはちゃんと出すし、受け取るほうもちゃんと受け取ることがだいじ。東電、政府は混乱を何よりおそれる。パニックにならないようにしようとすると安全です、が先に出て、説明はあと。 海に放出した低レベル放射物は低レベルと言っても少しも低レベルでない。小出先生が普段処理しているものの100倍、1000倍で、それが大量にある。 東京新聞に水棺冷却を検討とあるが何? 小出:初めて聞きました。 いまやらなければいけないことは? 小出:原子炉を冷却する。水を入れなければいけない。水を入れなければいけないが、外部から入れた水は外にださなければいけない。そのために「低レベル」の汚染水を海に捨てている。 小出:再臨界が起きてしまうと、放射能を冷やす程度の水では足りなくなる。しかし、それに失敗すると最悪の事態、水蒸気爆発が起きる。そうなったら、風向きによっては東京も放棄しなければいけない。 小出:かける水の量は増やせるが、急激にたくさんいれると中で蒸気が大量に発生する。そのため、水を入れる量の加減がたいへん。闇雲に水をかければいいというものでもない。臨界は長い時間にわたっては続かない。臨界が始まるとその部分が膨張する。そして止める。また始まるというふうに繰り返し続く。 * 新論文:「意図しない再臨界」が起こっているのか。 Is Unintended Recricality Ocurring? ピース・フィロソフィー・センター(カナダ・バンクーバー)ウェブサイト掲載 Friday, April 01, 2011 http://peacephilosophy.blogspot.com/2011/04/is-unintended-recricality-ocurring.html (★翻訳の修正も終わりました。転載していただいて大丈夫です) (★ダルノキ―ベレス論文を訳していただける方が見つかりました。もうすぐ発表します) アジア太平洋ジャーナル:ジャパンフォーカスに昨日(3月31日)発表された、モントレー国際問題研究所不拡散研究センターの研究員、フェレンス・ダルノキ―ベレスによる論文の解説文(解説はIEERエネルギー環境研究所所長アージャン・マキジャーニによる)を翻訳し、配布します。この論文は『ネイチャー』誌ウェブサイトにさっそく取りあげられ、アジア太平洋ジャーナル(APJ)のウェブサイトにも今アクセスが集中しています。このピース・フィロソフィー・センターのブログの運営者はアジア太平洋ジャーナルの編集委員も務めており、この論文の解説文を翻訳・発表する経緯となりました。解説文の翻訳については正確を期したつもりですが、英語版が唯一の正式な文書であり、英語版と日本語版の間に意味や解釈に違いが生じた場合は、英語版を優先してください。転送転載は自由ですが、全文が条件、そしてこのサイトへのリンクを明確に記してください。解説の翻訳文に問題がある場合、info@peacephilosophy.com に連絡ください。また、この論文の本文を至急訳してくれる人―物理化学系の方が望ましい―を募集します。その場合もinfo@peacephilosophy.com に連絡ください。また、この論文の内容自体について質問やコメントがある場合は、英語で info@peacephilosophy.com に送ってくれれば著者たちに転送します。その場合は、議論を広く共有するために、質問やコメントもウェブサイト等で公表する可能性があることをご承知ください。日本語でコメントや質問を送っていただいた場合は、受け取りますが、翻訳の人手が足りず、著者に届けるのは現時点では難しいことをご了承ください。 ピース・フィロソフィー・センター What Caused the High Cl-38 Radioactivity in the Fukushima Daiichi Reactor #1? 福島第一原発の1号機(タービン建屋)に見つかった 高い濃度の放射性塩素38の原因は何か? F. Dalnoki-Veress with an introduction by Arjun Makhijani F.ダルノキ―ベレス 解説文 アージュン・マキジャーニ (掲載誌 アジア太平洋ジャーナル:ジャパンフォーカスによる導入文) This is a first for The Asia-Pacific Journal: publication of a technical scientific paper addressing critical issues pertaining to the leakage of radioactive water at the Fukushima reactors. Our goal is to make this information available to the Japanese and international scientific communities, to Japanese government authorities, and TEPCO as they address the formidable issues of cleanup and safety. But we also believe that the information is of importance to informed citizens and the press in the face of further dangers that have gone unmentioned not only in government statements, but also in the press. Arjun Makhijani’s introduction provides a lucid explanation of the problem and the issues, followed by F. Dalnoki-Veress’s paper. Asia-Pacific Journal アジア太平洋ジャーナルは今回初めての試みをした。福島第一原発の原子炉において、高い濃度の放射性物質を含む水が漏れたことに関連する重要な事柄を議論する科学技術論文の掲載である。この論文が、汚染水の除去と作業員の安全確保という大変な課題を扱うものであり、私たちは、日本の、そして世界の科学技術学界、日本政府当局、東京電力にこの論文を提供したいという目的をもって掲載に至った。また、この論文の内容は、政府関係の書類や報道ではまだ触れられていない危険性について論じており、一般市民やメディアにとっても重要であると信ずる。まずアージュン・マキジャーニ博士の解説文によりこの論文の扱う問題を明らかにした後、F・ダルノキ―ベレス博士の論文を紹介する。(アジア太平洋ジャーナル) 解説文(IEERエネルギー環境研究所 所長 アージュン・マキジャーニ) The presence of highly radioactive water in three turbine buildings at the Fukushima Daiichi nuclear plant is widely understood to be from the damaged fuel rods in the reactors. This has rightly raised concerns because it indicates several problems including extensive fuel damage and leaks in the piping system. Less attention has been paid to the presence of a very short-lived radionuclide, chlorine-38, in the water in the turbine building of Unit 1. The following paper evaluates whether its presence provides evidence of a serious problem – one or more unintended chain reactions (technically: unintended criticalities) – in the reactor. Such chain reactions create bursts of fission products and energy, both of which could cause further damage and aggravate working conditions that are already very difficult. 福島第一原発の3つのタービン建屋(訳者注:1号機から3号機のタービン建屋)の溜まり水の高放射線の原因は、原子炉の炉心が損傷を受けていることであると広く理解されている。これは炉心の損傷が進んでいることと、配管システムに漏れが生じていることをはじめとする数々の問題を示唆しており、懸念が高まるのは当然である。しかし1号機のタービン建屋の溜まり水に、塩素38という短命の放射性核種があることにはあまり関心が注がれていない。この論文は、この物質の存在が深刻な問題、つまり、意図しない連鎖反応が1回か複数回起こっている(技術的には、「意図しない再臨界」といえる)ことの証拠になっているかどうかを検証する。このような連鎖反応は、核分裂生成物とエネルギーの急速な放出をもたらし、その両方が損傷を悪化させ、すでに非常に困難な作業環境をさらに悪化させる可能性がある。 Chlorine-38, which has a half-life of only 37 minutes, is created when stable chlorine-37, which is about one-fourth of the chlorine in salt, absorbs a neutron. Since seawater has been used to cool, there is now a large amount of salt – thousands of kilograms – in all three reactors. Now, if a reactor is truly shut down, there is only one source of neutrons, namely, the spontaneous fission of some heavy metals which are created when the reactor is working and remain present in the reactor fuel. The most important ones are two isotopes of plutonium and two of curium. But if accidental chain reactions are occurring, it means that the efforts to completely shut down the reactor by mixing boron with the seawater have not completely succeeded. Periodic criticalities, or even a single accidental one, would mean that highly radioactive fission and activation products are being (or have been) created at least in Unit 1 since it was shut down. It would also mean that one or more intense bursts of neutrons, which cause heavy radiation damage to people, have occurred and possibly could occur again, unless the mechanism is understood and measures taken to prevent it. Measures would also need to be taken to protect workers and to measure potential neutron and gamma radiation exposure. 塩素38は半減期が37分と短く、天然の塩素に4分の1ほど含まれる塩素37が中性子を吸収するときに作られる。海水が冷却に使われたために、3つの原子炉すべてに何千(何万)キロもの大量の塩がある。原子炉が本当に停止しているのなら、中性子の出所は1つしかないはずだ。それはすなわち、原子炉が稼働しているときにつくられ、炉心の中に存在し続けるいくつかの重金属(訳者注:超ウラン)の自発的な分裂のことである。一番重要なものとして、プルトニウム2つ、キュリウム2つの同位体がある。しかし、もし予想外の連鎖反応が起きているとしたら、ホウ素を混ぜた海水で原子炉を完全に停止しようとする努力は、完全には成功していないということになる。断続的な臨界が起きているとしたら、いや、1回だけ偶発的に起きたにせよ、高い放射能を持つ放射性核分裂生成物と放射化生成物が、原子炉停止後も(少なくとも1号機では)生成され続けている(もしくは生成された)ということを意味している。それはまた、人に多大な放射線被害をもたらす中性子の集中的な発生が、1度かそれ以上起きていたという意味であり、その仕組みがわかり、もう起こらないような予防策が取られない限り、さらに起こる可能性があるということである。作業員を安全を確保し、発生している可能性がある中性子とガンマ線被ばくを測定するための対策を取るべきである。 This paper examines whether spontaneous fission alone could be responsible for the chlorine-38 found in the water of the turbine building of Unit 1. If that could be the only explanation, there would be less to be concerned about. However, the analysis indicates that it is quite unlikely that spontaneous fission is the sole or even the main explanation for the measured concentration of chlorine-38. Presuming the reported measurements are correct, this leaves only one other explanation – one or more unintended chain reactions. This paper is presented in the spirit of encouraging discussion of whether further safety measures might be needed, and whether supplementary measures to bring the reactors under control should be considered. It is also presented as a preliminary analysis for scientific discussion of a terrible and technically challenging nuclear crisis at the Fukushima Daiichi plant. この論文での分析結果は、1号機の溜まり水から検出された塩素38の原因として考えられるのは自発的な核分裂だけなのかということである。それしか説明として考えられいのであれば、それほど心配することではない。しかし、この論文の分析では、計測された塩素38の濃度は、自発的な核分裂が唯一の原因であるどころか、主要な原因でさえない可能性が高いということを示唆する。報告されている計測値が正確であると仮定すると、残された可能性は一つしかないことになる。それは、1回かそれ以上の連鎖反応である。この論文は、安全策のさらなる強化が必要なのか、また、原子炉を安定させるための追加策が必要なのかという問題意識のもとで提示している。また、福島第一原発における、悲惨で、技術的にも困難な核の危機の、科学的議論の予備的分析を提供するものである。 (解説文 以上) (フェレンス・ダルノキ―ベレス論文の本文は、まだ翻訳されていません。アジア太平洋ジャーナルのウェブサイトでご覧ください。) リンク: http://www.japanfocus.org/-Arjun-Makhijani/3509 解説者・著者紹介 アージュン・マキジャーニ エネルギー環境研究所所長。カリフォルニア大学バークレー校工学博士(専攻は核融合)。過去20年間、核兵器製造、実験、核廃棄物等、核燃料サイクルの分野で多くの研究業績と論文がある。著書のCarbon-Free and Nuclear Free: A Roadmap for U.S. Energy Policy (『CO2と核からの脱却:米国エネルギー政策のロードマップ』)では、化石燃料や核エネルギーに一切依存せず、米国経済を完全に再生可能エネルギーに移行させる初めての分析を行った。Nuclear Wastelands(『核廃棄物の土地』)のの共編者、Mending the Ozone Hole (『オゾン層の穴を治す』)の主著者でもある。メールアドレス: arjun@ieer.org フェレンス・ダルノキ―ベレス モントレー国際問題研究所、ジェームズ・マーティン不拡散センターの研究員。核軍縮・廃絶と核分裂物質の世界的拡散についての専門家である。カナダ・カールトン大学で高エネルギー物理学の博士号取得(超低レベル放射線バックグラウンド測定器の研究)メールアドレス:ferenc.dalnoki@miis.edu 電話番号:831-647-4638. 著者注:この論文を注意深くレビューしてくれた、モントレー国際問題研究所不拡散センターのパトリシア・ルイス博士、IEERのアージュン・マキジャーニ博士に感謝する。ルイス博士の連絡先: patricia.lewis@miis.edu (Translation by Satoko Norimatsu) |
からだがかたくなるのがわかる しんぞうがからだにあるのがわかる しんぞうがいたいということがわかる いっかい死ぬとおもったのにまた死ぬとおもう いつまでもゆれはおさまらないだろうとおもう もうどうにでもなれとおもう そんな余震がなんしゅうかんもなんかげつもつづく またおもいだしているじぶん |
ちなみにぼくの両親は、ふたりとも原爆手帳を持っている。 つまり被曝者である。 原爆手帳の所有条件は、広島に原爆が落とされたとき爆心地から12km以内に居たか、爆発後2週間以内に2km以内に立ち入ったと認定された者、とある。この時の広島は2km以内で80ミリシーベルトほどであったといわれる。オトンもオカンもまだ幼児であったが、とにかくこうして被曝した。オカンの母親(つまりぼくのおばあちゃん)は爆心地で大やけどを負い、数日で亡くなった。 互いに原爆手帳を持っていることをオトンとオカンが知ったのは、驚いたことに結婚しぼくが生まれて40年も経ってからである。黙っていたのは「被曝者だと知れば結婚してくれないと思ったから」ということらしい。ふたりとも同じ理由を隠していたというのが笑える。いや、笑えない。あんまりである。その二人から産まれてきたぼくの立場はどうなるのだ? 全文はこちら |
インタビュー中に映し出されている資料は、こちらで見ることができます。 岩上安身氏ご自身がtwitterでこのインタビューの内容を同日にツイートされています。ここに転載します。 京大原子力実験所の小出裕章助教インタビュー、終了。原子炉の圧力容器に穴の空いている事実、再臨界が始まっている高い可能性について、明晰に論じながら、最悪の破局を回避するシナリオを語る。 再臨界を止めるには、中性子を吸収するホウ素の投入すべきだが、東電は、一時投入を控えていた可能性がある。ホウ素の投入は、結晶の付着などの問題があるが、再臨界を起こさせてはならない。 最悪の破局のシナリオは、どれか一つの炉がメルトダウンの果てに、水蒸気爆発を起こし、他の炉の冷却作業もできになくなって、連鎖的に爆発を起こすシナリオ。 その最悪の破局のシナリオが現実化すると、チェルノブイリが放出した放射性物質の6〜10倍の量の放射性物質が飛散すると思われる。 再臨界が始まっても、即、その最悪の破局になるのではない。再臨界の熱によって膨張すると、ウランは臨界がとまる。が、また再開する、その繰り返しで、ブスブスとくすぶる。 最悪の破局を避けるためには、とにかく冷やし続けること。圧力容器と格納容器を一体として扱い、サプレッションチェンバーというプールに溜めた水を、再び圧力容器に戻すループの確立が必要。 同時に外部冷却装置を設置するなどして、熱交換のループも確立しなくてはならない。その現場作業、高い放射線量の中でできるか。できないと破局に近づく。 先日の宮城県中心の地震で、六ヶ所村の再処理施設、女川原発、東通り原発も、一時外部電源が絶たれた。福島第一原発と同じ危険な事故はどこでも起きうる。原発はすべてやめるべき。 非常用電源を高台に設置すればいいとか、小手先の議論がまたなされているが、無意味。機械は必ず壊れ、人は必ずミスを犯す。事故は必ず起きる。そして原発事故の場合は、取り返しがつかない。 実は、そもそも、リスクを冒してでも原発を必要とする理由はない。原発をすべて停めても、現在の火力発電所の稼働率を7割に上げれば、カバーできる。政府と電気事業者の公開データだ明らか。 原発がないと電力が不足するというのは、真っ赤な嘘。政府、マスコミは本当の事実を伝えない。また、原発が安く電力を供給している、というのも嘘。 原発のコストは最も割高。そのために、日本人は世界一高い電気代を払わされ、家計だけでなく、産業界にもダメージを与えている。アルミ精錬は、高い電気代に耐えられず、海外に出ていった。 今、日本に残っているのは日本軽金属の一工場のみ。そこは水力の自家発電機をもっているからこそ、操業が可能に。原発は生産性を下げ、経済にもマイナスの影響を与えている。 ことほど左様に、原発存続の理由は、何もない。一刻も早く停止、廃絶すべき。 転載は以上です。また、UstreamサイトにてLinus_and_Lucyさんという方が要約を書かれているので、転載させていただきます。以下、転載です(改行は当ブログによる)。 科学的に検証して、原発はすぐにやめた方が良いという小出裕章先生。エモーショナルでない分だけ、説得力がある。すでに福島第一原発から放射性物質が漏れ出している現実を冷静に分析。 電源喪失したので原子炉を水で冷却をしている。圧力容器は壊れ、水素爆発も起きている。それでも原子炉は冷やし続けなくてはいけない。 外部から入れた水は汚染されて海に流れていく。熱交換機を作り、循環回路で冷やすべき。しかし炉心の容器に穴があいているので、できない。サブレッションプールから水をくみ上げて冷やすくらいしかないが、そのためには大変な被曝環境での作業が要求される。時間もかかる。圧力容器と格納容器を一体のものとしてループが作れるかどうか。鉛のスーツで作業は非効率的。 特に、2号機はサブレッションチェンバーが壊れているので、放射性物質は長期流出が想定される。先日とても低レベルとは言えない汚染水を放出した。超高濃度の汚染水がたまりつつある。外界に出さないように考えなくてはいけない。柏崎刈羽で処理することも考えに入れるべき。炉内の放射性物質の揮発性の高いもの数%は流出している。 最悪シナリオは水蒸気爆発で圧力容器、格納容器が壊れること。そうすると、何十%の多種の放射性物質が出てくる。それを押さえるために冷却を続けている。今後揮発性放射性物質は何十%も出る可能性があり、不揮発性のものはあまり出ないで済むかもしれない。 出る放射性物質を減らす方法を東電は既に考えているはず。小出先生は政治家よりも現場のひとと話をしたい。再臨界の可能性が塩素38の検出と、半減期の短いヨウ素131が減っていない事から考えられる。 炉心停止後、制御棒が入ったが、またウランの核分裂(再臨界)が始まらないようにしないといけない。崩壊熱を冷やせば良いと思っていた。 3月末でまだ塩素38が出ている(東電の発表)と、その中性子はどこから来ているか?核分裂以外に、超ウラン元素242か244は自発核分裂する。だから今でも原子炉の中の中性子は0ではない。東電公表の塩素38の量は多すぎる。 1号機の燃料棒は70%が損傷している。燃料棒は細長いパイプで、被服管のジルコニウムは850度を超すと壊れる。ウランのペレットが原子炉にたまってしまうと、再臨界が起きる怖れがある。熱が出れば、膨脹してウランの臨界がなくなる。また熱が出なくなるとあつまって再臨界を繰り返す。そういった事が起きているのではないか。爆発とは違う。 プルトニウム検出は炉心の燃料ペレットが溶けている(2800度前後で溶ける)証拠なので、そんなに高温になっている事を東電は認めたくないのではないか。1基の炉心に燃料は100㌧単位で、全体が溶けないように冷却を続けている。 かなりの分が炉心から溶け落ちて(メルトダウン)圧力容器の底に水があると、水蒸気爆発を起こし、格納容器も壊れるだろう。だから水を入れている。再臨界になるとまた熱を出す。綱渡り状態が続いている。 ウランでできたペレット(瀬戸物)の中にプルトニウムが入っている。溶けると蒸気の流れで外部に出てくる。再臨界が起きるとぶすぶす燃えている状態。再臨界は熱と放射性物質を出す。 冷却が失敗すればメルトダウン→最悪水蒸気爆発の連鎖を起こす。外界にでる放射性物質も増加する。再臨界を起こして格納容器に吹き出したのではないか。 政府はそこまで考えていないが、水蒸気爆発を起こすと作業ができなくなる。チェルノブイリ4号炉(100万キロワット)の3倍の出力+使用済燃料棒も壊れるので何倍にもなるという可能性もありうる。発電所の敷地700キロまで風下になる所は放射線管理区域にあたる程度の放射性物質が出ていた。日本に当てはめれば関西まで達するか? ホウ素は中性子を吸収するので臨界反応は止まるが、ホウ素が再臨界の場所に届いていない可能性もある。東電は途中からホウ素を入れているのはやめたのではないか。もし再臨界が起きているならホウ素を入れなくてはいけない。が、再臨界のなった場所に水やホウ素が届くかどうかわからない。 余震で、六ヶ所村や小野川で大変なトラブルが起きている。機械はこわれる。人間は必ず間違いを起こす。すべての電源を失うということはあり得ると関係者はみんな考えてきた。発電所の全所停電が一番恐い。それを日本の電力会社は決して起こらないと考えていた。ディーゼル発電機を高所においてもそれは対処療法にすぎない。どこでも原発事故が絶対におきないとは言えない。覚悟が必要。 もんじゅは特殊な高速増殖炉なので、水をかけて冷却できない。もんじゅは冷却にナトリウムを水の代わりに使うが水に触れると爆発する。外に出ると火事になる危険な物質。 六ヶ所村は使用済み燃料再処理工場。3000㌧の使用済み燃料=原子炉100年分に相当。冷却できなければ同じ事が起きる。 メディアは伝えていないが、原発が3割の電気を賄っているので、原発がないと困るというのはウソ。発電能力は原発が3割だが、火力発電を70%稼働すれば、電気は足りる計算。自家発電も増えている。足りないとしても、真夏にエアコンをちょこっと控えれば良い程度。原発はロスが多い(熱効率33%)非常にコストが高くつく。火力発電(熱効率50%超)のほうが効率的。 それでも日本は原発をやりたかった。全部原発をやめても今の生活は基本可能。原子力はやめないといけない。日本の電気代は高い。それが企業の競争力をなくしている。 引用元はこちら |
東日本大震災 韓国を悩ます3つの影 第23回:部品素材の対日依存問題が露呈 金 美徳 今、世界は、「米国発の金融危機による景気不安」をやっとのことで乗り切った矢先に、「中東発の民主化デモによる原油供給不安」と「日本発の大地震による部品供給および原発不安」というまたもや大きな試練に直面している。原油供給と原発の不安は、ウランか原油かというエネルギー政策の再考を促している。 また、部品供給不安は、日中韓台など東アジアサプライチェーンや、電子・自動車・航空産業のグローバル部品供給網をいかに修復し、再構築を図るかという難題を突き付けている。これは、世界経済の構造改革を迫る一大事である。 この矢面に立たされているのが日本だ。東日本大震災の発生直後は、地震の被害をそれほどでもないだろう、またはそう願うが故に楽観視していた。しかし、時がたつにつれ被害は拡大し、2万7000人を超える死者・行方不明者や、福島原発事故による計画停電や放射線汚染などの2次災害が相次ぎ、日本全体が悲観的な空気一色に染まった。 だがこの悲壮感は、ここへきて日本の復興や再生を決意させる新たなエネルギーに変わろうとしている。日本は、楽観から悲観、再び楽観へと一歩踏み出し始めたように思える。日本がいかなるエネルギー政策を含めた復興戦略をとり、どのように乗り超えるかが注目されている。この日本の前代未聞の経験は、世界のリーダー、経営者、NGO(非政府組織)、市民にとって大変貴重な財産となるだろう。 韓国もまた、日本の一挙一動に注視している。なぜなら、今回の震災は韓国にも少なからぬ影響を及ぼしているからだ。 1つ目には、地震や火山に対するリスクの再評価が始まった。 韓国は、半島なので国土の3方位が海に面しているため津波を受けやすい。また、地震がない国と言われているが、北朝鮮の北部にある白頭山(韓国名:ペクトゥサン、標高2744mの火山)で火山爆発などが起きれば大地震にもなりかねない。 この危機意識は韓国と北朝鮮の間で一致しており、南北関係が悪化しているのにも関わらず3月29日に「火山問題を協議する南北の民間専門家会議」が開催された。この会議では、白頭山付近で火山ガスの二酸化硫黄が噴出されており、2014~15年頃に噴火の可能性があるとの意見も出たそうだ。 こうした天災は、北朝鮮からの難民流入や軍事衝突などの事態の引き金ともなりかねない。韓国国家安保戦略研究所によると、急変事態が発生した場合の統一費用は185兆円で、韓国の2010年GDP(国内総生産)の2倍に相当する。国民1人当たりの負担額に換算すれば380万円となる。このような事態が唐突に発生すれば韓国と北朝鮮は、南北共倒れになるというシナリオもある。 部品調達は維持できるのか 2番目は韓国経済に対する影響にも神経を尖らせている。韓国メディアの日本特派員が、本社からの指示を受けて取材に追われているようだ。 特に、部品素材の調達が滞ることを心配している。これは、韓国企業の一番の弱みである部品素材の対日依存問題が露呈した格好となった。今や韓国にとって日本は第2位の輸入相手国であり、日本にとっても韓国は第3位の輸出相手国である。もはや、日韓は、もちつもたれつの経済構造にある。 これまで日本は、ややもすると韓国に部品素材を売ってあげているという上から目線の側面もなきにしも非ずであった。しかし、2008年リーマンショックに伴う日本経済の停滞以降、日本は、韓国が部品素材を買ってくれるので助かるという意識をもち始めており、韓国に対してフラットな目線になりつつある。このパートナーシップと言うべき象徴となるのが、旭化成と東レが韓国に建設する世界最大の生産拠点であろう。 韓国の政府やシンクタンクなどでは、現時点で東日本大震災による韓国経済への影響について以下の通り分析している。 韓国外交通商部は、3月14日に震災被害が日韓の貿易に与える影響について「憂慮する水準ではない」と発表した。この根拠としては、サムスン、LG、現代自動車など主要企業グループが、1~3カ月の生産に必要な部品や素材の在庫を確保しているからだ。 また、大韓商工会議所が3月20日に発表した「東日本大震災による被害状況に関する調査報告書(韓国企業500社対象)」でも、「すでに被害が生じている」と答えた企業が9.3%に過ぎないことから、やはり影響は限定的と見られている。ただ、「事態が長期化すれば被害が予想される」と答えた企業は43%に上る。 以下略 日経ビジネスオンラインから引用。こちら |
5日、環境エネルギー政策研究所(ISEP)が、東京電力福島第一原子力発電所の事故及びその出口戦略、原子力安全行政の刷新、原子力・エネルギー政策の転換、緊急エネルギー投資戦略、今後展望すべき原発縮小と気候変動・低炭素社会などについてまとめた提言を発表した。今後、日本社会の歩むべき方向・道筋について、意見は種々わきおこるものと考えられるが、提示された<議題>や<課題>については、原発に対する賛否などの姿勢にかかわらず、幅広く共有すべきものの一つと考えられる。(引用元) 3.11 後の原子力・エネルギー政策の方向性 こちら 講演動画↓ |
webから引用・・ 6つのテレビ局の放送を、6面マルチスクリーンで同じ時間軸で編集。2011年3月11日午後2時46分に発生した東北地方太平洋沖地震。NHK総合、 NTV(日本テレビ放送網)、TBS(東京放送)、フジテレビ、テレビ朝日、 テレビ東京-はどんな番組を放送しており、いつ緊急地震速報に切り替わったのか。☆NHKはこの報道では受信料を取っている有料公共放送の役割を果たしている。それに比べると娯楽番組主体の民間テレビ局は電力のムダ使いをしているように見える。これから民放は電力のピーク時間帯はテレビの放送を止めて、電力使用量が落ちる夜間だけの放送でもいいと思う。 |
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