新幹線で移動した白梅 ’03/03/02 記
早朝、外に出ると雨の中を梅の花のいい香りがただよってきました。
庭の隅をみると、梅ノ木が白い花を沢山つけているのが見えました。
匂いにつられて木の側まで行ってみると幹が結構太くなっているのに驚きました。
この梅は長女の通った小学校が卒業記念に卒業生全員に送った梅ノ木が大きくなったものです。
彼女が卒業した茨城県北相馬郡藤代町立六郷小学校は六つの郷(村落)から生徒が
通学している小学校で、うちの子は田んぼの中に新しく造成された八百戸ほどの戸建てで出来ている新興住宅地から通いました。
どの家にも庭がある農家中心の地域に茨城都民(新住民の99%の戸主は都内に通勤していた)が混入したことになります。
利根川の支流である小貝川の流域に広がる豊かな農村地区で、JR取手駅からバスで15分から20分くらいのところにありました。
ところが、この記念の梅ノ木は、彼女が中学へ行き出してすぐに私が大阪へ転勤になったため、
ボーナスのたびに少しづつ買い増した植栽類と共に残さざるを得なくなりました。
雑草だけしかなかった空地も七年住んで、なんとか庭らしくなってきたところで、家を売る事に
なったので家族全員なんとなく寂しい思いになり、梅ノ木だけは引越先の神戸の家に植え替え
しようという事になりました。先行して赴任することになった私が植木屋さんの助言で植え替えは
梅雨どきがいいと聞き、6月のある日曜日庭から掘り出し、根の養生をして手で下げ、常磐線と
新幹線で神戸に移動しました。
この移植した梅が無事活着し、80cmほどの大きさながら翌年から花をつけるようになり、それから
16年たった今は2m近くに成長し、震災も凌いで毎年花と香りで楽しませてくれます。
わずかに取れる梅の実は梅ジュースになります。
この梅の花が咲くと藤代町で過ごした7年間の生活を相方(アイカタ)や子供たちは
毎年懐かしく振返るようです。 了
沈丁花の花芽も見えてきました
雪柳の細い枝にも緑の印が。