♪ネットの記事で、日本の大手マスコミのウィキリークスの認識と見方の、世界の中での特異性を取り上げた記事を続けて二つ目にした。
バックグランドの違うそれぞれの筆者の共通性はたった一つ、この国境のない時代の「日本のジャーナリズムの現状の奇妙さ」を常に気にしていることだ。
その一つの引用開始、
「日本のマスメディアはまだインターネットをキワモノ、あるいは悪者として取り扱う視点が主流なので、「またインターネット上で暴露モノが出たよ」
「まったく困るよねぇ」的な取り扱いしかされていないが、世界のメディアではトップページを大きく飾っている。
それによると、「どこかの国のトップがよその国の悪口を言った」という品のないレベルのものから、「なに、あの世界的な事件の裏にはこんな取引が?」的なもの、
またアメリカ及びその他関係国が現在この瞬間に進めている外交やその他政策がおじゃんになってしまう、と言われるレベルまでの機密が25万点も暴露されているそうである。 海外マスコミやインターネットはやっきになって先を争って解読、翻訳、解説しているのは、それが「アメリカ」の外交文書だから。
というか、だからこそ暴露されたのであるけれども、これが他国の文書であれば本国の人たちもあるいは周囲の人たちも、
「ホントかよ? うそでしょ」で煙に巻いたり巻かれたりするのだろう。それがことアメリカの、となるとみなさん頭から「信じる」ことを前提に真面目に解読を試みる。
ここにも「証拠」のが持つ、ある種の力関係が現れていると思う。 ただ前述したように、日本のメディアはこの事件を「インターネットの暴露モノ」としかとらえていないのか、
あるいはその解読にやっきになることを「アメリカ政府に対して申し訳ない」と思っているのか、その報道トーンはかなり抑え気味であり、
紹介したとしても悪口話の暴露などキワモノ中心だ。今回暴露された機密の解読は世界勢力の裏地図を読み解く良いチャンスだと思うけれど、
日本はそういうところにも腰が引けている。ただ、もちろん外務省や防衛省ではきっと省内で専門チームが解読を進めているはずなので、
メディアはそちらの「発表」を待っているのかもしれない。 つまり、表ではインターネットの暴露がどうのこうの、と言ってはいても、結局は同じなのだ。そこにはみんなが求める情報が確実に流れているわけで、
「申し訳ない」と言いつつもその情報を無視して「なかった」ことにはできない。
なのに、そこで日本のメディアが表向きには頬かむりして情報界の清廉居士を演じているとしたら、情報の「仲介者」としての役目を失ったことにはならないか。
ウィキリークスの「機密取得ー暴露」はたしかに既成のシステムや価値観に衝撃を与えるものだが、過去メディアはそうやって歴史を動かすための旗振り役だったのではなかったか。
それがおとなしく政府機関が解読して発表するおこぼれを待っているとしたら、残念極まりない。」
ふるまい よしこ フリーランスライター
北九州大学外国語学部中国学科卒。1987年から香港在住。近年は香港と北京を往復しつつ、
文化、芸術、庶民生活などの角度から浮かび上がる中国社会の側面をリポートしている。
まもなくこちらのコラム「大陸の風」に全文が掲載されます。
もう一つの引用開始
最初、ウィキリークスから在イラク米軍の機密情報が流れたとき、日本のメディアだけが世界中のそれとはまったく違った反応を示した。
米軍のイラクでの振る舞いに目を向けるのではなく、信じがたいことに、ウィキリークスの信憑性を疑い、その存在を貶め、無きものにしようとしたのだ。
〈暴露系サイト〉あたかもウィキリークスという単語が汚らわしいものであるかのように、日本のメディアは不自然な「普通名詞」を使って、ウィキリークスをそう呼んだ。
それは各国政府がこのメディアを揶揄した際に使った文言と奇しくも一緒である。
もちろん世界中のジャーナリズムで、そうしたスタンスを取ったところは、筆者が確認できた中ではひとつもない。
疑わしきは、まず検証
それがジャーナリズムの国際的常識
検証のため、事前にウィキリークスから情報を受け取っていたニューヨーヨータイムズ(米)、ガーディアン(英)、シュピーゲル(独)の三紙は別格としても、
世界中のあらゆるメディアが、まずはウィキリークスの漏洩情報を事実であるかどうか取材検証し、その後、なぜ米政府がそれを隠したのかと批判的に報じた。
今回の米国務省の公電漏洩事件も同様だ。ほとんどすべての海外メディアの論調は、25万点にも及ぶ米国務省の公電が本物であるかどうかに関心を寄せ、
さらに調査取材の末、それが本物だとわかると、今度は米国の危機管理能力の欠如と世界戦略の傲慢さを批判的に報じはじめたのだ。
事実上、ウィキリークスの創設者であるジュリアン・アサンジ氏の振る舞いを非難するだけの記事は皆無といっていい。
ところが、世界中である国のメディアだけは違った。それが日本であり、記者クラブメディアの報道である。
前回、7月の在イラク米軍の漏洩事件のときもそうだが、自らは検証することなく、「暴露系サイト」による信用ならない情報だと決め付け、
実際そういう論調のニュースを繰り返し流し続けた。
みのもんた氏の「朝ズバ!」(TBS)はいうに及ばず、報道系の「報道ステーション」(テレビ朝日)までもが、
〈信用ならない元ハッカー(アサンジ氏)の作った胡散臭い暴露サイトの情報〉というレッテル貼りに終始し、、問題を矮小化させるのみだったのだ。
あたかもそれは日本政府の代弁者のような振る舞いであった。
じつは今回もまったく同様だった。さすがに〈暴露系サイト〉という不自然な「普通名詞」の使用は見当たらなくなったが、
それでもウィキリークスという固有名詞は批判的な言葉として扱われ、新聞もテレビも〈信憑性に欠けるネット情報にすぎない〉というスタンスを変えようとはしなかった。
一部引用終わり。
全文はこちら
もう一つ追加。
「普天間問題の日米間のやりとりもいずれ公に! 外交公電25万件「国家の本音と秘密」を暴露した ウィキリークスの恐るべき破壊力とその波紋 」
一部引用開始
ウィキリークス創設者のジュリアン・アサンジェ個人を刑事訴訟へ持ち込む動きも活発化している。
インターポール(国際警察)が、スウェーデンでのレイプ容疑を理由に、アサンジェの逮捕に動き出したとも伝えられている。
ハッカーによるウィキリークスへの攻撃もあり、一時はヨーロッパとアメリカからのアクセスが不能になった。
国家と外交のありかたを破壊する力を持つ
だが、ウィキリークスの活動に対する支持者は依然として多い。国家権力、そして国家権力に“日和る”大メディアに対して、
ウィキリークスは一般人のための大きな監視機能となり得るとの期待からだ。
メディアという位置づけをすれば、言論の自由を保障した「アメリカ合衆国憲法修正第1条」によって、
ウィキリークスを違法に持ち込むことはかなり困難になると予想されている。
アメリカ政府は、9.11のテロ事件以降国務省、国防省間で共有化する方向で動いていたネットワークを見直し、
機密文書へアクセスできる人間の数を制限する見込みだ。今回の機密文書が、国防省に所属する低レベルの調査員から漏れたことが、
確実視されていることがその背景にある。
だが、ウィキリークスによってすでに矢は放たれた。一般の人々は今後もより多くの情報を求め、自ら判断すること、
国家に対して公正な監視能力を行使する立場を要求するようになるだろう。ウィキリークスは、これまでの国家と外交のありかたを破壊する力をも持つ存在となったのだ。
外交公電に続いて、近くウィキリークスは大手銀行の内部告発資料を明らかにするという。情報の力に大いに期待したい。
♪WikiLeaksに関して日本の記者クラブメディアは、官僚の意見を忖度した見方を流しているが、アメリカのメデイアはどう見ているか。
この意見はたくさんある中の一つだろうが、スィーブン・クレモンズ ニューアメリカ財団シニアフェローが語った内容と、
編集部がつけたヘッドライン「ウィキリークス問題は日本発でも起こり得る!米国の外交専門家が恐れる機密暴露の本当の懸念 」、の食い違いもなかなか面白い。
一部引用開始:
――アサンジ氏の本当の狙いは何か。
おそらく彼はすべての国民には政府の活動について知る権利があると強く信じ、同時に政府が国家安全保障を理由に
何でも秘密にするような社会に強い反発を感じているのだろう。
そして、米国は国家安全保障よりも国民の知る権利を優先する民主主義社会であることを示そうとしたのではないか。
彼の主張には部分的に同意できる。たとえば、イラク戦争やアフガン戦争で民間軍事会社が殺人を犯しているという情報を暴露したのは称賛に値する。
一方で、ウィキリークスには少々行き過ぎたところもあるのかもしれない。
――他国の安全保障を危険にさらす懸念があっても、情報公開を行なうことが重要なのか。
その国にとっても、情報の透明性を実現することは時には国家安全保障を守るよりも重要ではないかと私は思う。
――米国の世論調査では77%が「ウィキリークスは安全保障上の危機」とし、52%が「政府はテロ組織として扱うべき」と回答したが?
米国人はいまかなり感情的に反応しているのかもしれない。でも、私はウィキリークスをテロ組織として扱うべきとは思わない。
引用終わり。
全文はこちら
♪10日現在日本語で読める一番詳しいウキリークスの目的と活動の効果や現実に与えつつある影響がこちらにレポートされています。
Wikileaksはなぜ世界中の国家を敵に回そうとしているのか?
一部引用・・・Wikileaks自体の目的は秘密の暴露ではなく、「組織が金をかけてまで情報を隠そうとしているというのは、
その情報を世に出せば社会的利益がある」という信念に基づいているわけです。そのため、我々一般人からしてみると
Wikileaksのリークする機密情報というのは「で?」という程度のレベルの情報、ヘタをするとそこらの週刊誌にでも
載っていそうなレベルの情報にしか見えないわけですが、既存の国家の上にあぐらをかいて権力を私的に利用している権力者からしてみると、
非常にマズイ情報がてんこ盛りな訳です。なぜなら、それがニセの出所不明などうでもいい情報ではなく、
紛れもない「事実」であるということを権力者自体が理解しているためです。
動画は創立者たちのプレゼン。1/7が終了したら画面下のバーをマウスのポインターでサーチしてください。2/7から7/7までアクセスし、プレゼンを最後まで視ることが出来ます。
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