カフェテラス

テラスの片隅で一人心に呟くように

水琴窟は静寂の中

2004年11月25日 | ☆ ふるさと・大和

当麻寺西南院に行った。
祝日の朝。当然の人出を予想していたが、広い境内は疎らであったのが嬉しい。
開門間もなくの時間が良かったのだ。
江戸時代に造られたと言う庭園は、山裾をうまく取り入れ池を中心に、飛び石の配置や、刈り込みの美しい木々が心和める癒しの空間を作っている。
庭園に足を踏み入れると、静寂そのもので、人影はあるのに足音も、話し声もない。

はっとするような澄んだ音色が足元にあり、思わずしゃがみこむ。
地の底から奏でる琴の音。それは、旋律でなく、単調な音が、先の音を追うように一定の間隔で耳に伝わる。



音から音までの、ごく短い間の余韻のような響きが、心を和ませ、この自然の中に無我の境地に誘われていく。

つくばいから流れ落ちた水が、その下に埋められた、素焼きの水がめの水面に落ちる音が響くのだと、いつかテレビで見たが、考えた人の、音と庭園の演出の素晴らしさに、感動する。

水琴窟の音の奏でる庭園は、きっと冬枯れの中では、さらに澄んだ響きとなるのではなかろうか。

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京都散策・清水寺は夕陽の中

2004年11月24日 | △ 旅 あれこれ ドライブ






陽が西に傾きかける頃、清水寺の山門も塔も、最も美しく輝いて見える。
舞台から見える限りも木々の、グラデーションが、一層や柔らかさをまして来るようだ。
しかし、今年の楓の色づきは遅い。舞台から下に降りると、まだ青々とした楓が多く見られた。
舞台を支える木組みの周りは、緑の袴をはいたようだ。




この舞台の下や、音羽の滝辺りが、すっかり紅葉するのはまだ先のようである。
楓の種類なのか、冷え込みの違いなのかわからないけれど、これからが、見所であり、訪れる人に楽しみでもあろう。舞台の下のひっそりとした可愛い石仏 の微笑が忘れられない。

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京都散策・二寧坂から

2004年11月23日 | △ 旅 あれこれ ドライブ

二寧坂に差し掛かる。

この辺りからの人出には参ってしまった。

両側に並ぶ、民芸品などの京らしい小物の店も覗いてみたくても、友人たちとはぐれそうで、ただただ見逃すまいと、後を追うのが精一杯になる。

人の途切れれた瞬間をやっとキャッチできたのが、この一枚だった。



坂が人に埋め尽くされて、人のベルトが上に上にと登っていくような中に自分もあるのだと、その動きに、任せるしかない状態だった。

週末で、秋の行楽の京都なのだから、これは仕方がないと諦めながら撮った写真も、まるでそんな気持ちが現れたように、逆光のせいもあって、何だか分からない。

せめて、お店の中の気に入った写真が欲しかったなあと、いつかまた来ることだけを考えいた。
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京都散策・路地裏にて

2004年11月22日 | △ 旅 あれこれ ドライブ


京都の街中の表の、大きい通りを一つ入ると、全く無人の場所に出くわすことがある。高い板塀の内側には、生活空間があるのに、それさえ感じさせない静かな石畳の路地である。
八坂神社から、二寧坂に向かっている時、そんな路地に入った。
「好きだなあ・・・こんな所」


ゆっくりと、静かな佇まいを独り占めした思いで歩いていると、ふと目の留まったのが、可愛い鳥居だ。
塀の下の地面に近い場所にある。描かれているのでなく、ちゃんとした木で、丁寧に造られた鳥居なのだ。
何処かの町でよく見かける「立小便禁止」の絵に描いた鳥居ではない。
「ここは神様の場所ですよ。汚す場所ではありませんよ」
と、訴えかけているような可愛い鳥居に、住む人の心を感じた。

もう一つ目を惹いた物がある。家の入口の脇の軒先から吊るされた、お猿さんのような縫いぐるみである。
奈良の町でも見かけることがあるので、縁起物に違いない。京都では、赤と黄色が交互に吊るされていた。
ざわめきの全くないこんなスポットに魅力がある。
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京都散策・1

2004年11月21日 | △ 旅 あれこれ ドライブ
週末、しかも秋の観光シーズン真っ最中に訪れた京都は、人、人、人。人に疲れ果てて、表通りから垣間見た八坂の塔に安らぎのようなものを感じながら、友人3人と連れ立って、錦市場に足を運んだ。

目指すのは湯葉屋さん。
いつか食べた、生湯葉の味が忘れられない。もう一度あの美味しい味に巡り合いたい。思いは同じ3人の足は夕方の買い物客で混みあう市場の中を歩く。活気のある商店の中では、疲れた足も元気を取り戻す。


混みあう店内を物色して、翌日のお惣菜になるように、湯葉田楽と刺身湯葉、そして、京湯葉を生姜風味に炊き上げた、ゆばしぐれの3点を買った。
買い物を終えて、店先の、椅子のところに行くと、おばさんが、疲れた表情で座っている。私だって負けないくらいこんな表情をしているのだろうかと、可笑しくなった。

コメント (3)
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