廃業速報:この鄙びた公共浴場も2015年4月に「入来温泉湯之山館」という新しい温泉館
に変わった。またふだん着の温泉が消えたのである。悲しい現実が九州でも起こる。
年間12万人が訪れる公衆浴場。外からの景観も懐かしい建物、柴垣湯に入る。番台に
100円。今までの料金で2番目(確か70円ツーのがあった)に安い!入る前の驚きが入って
からの感動に変わった。安いだけではなかった。お湯は小生好みの炭酸水素塩泉そして
眩しい色つき。これは堪らない。この日は近くの爺様がのんびりと源泉を楽しんでいた。
【Data】:含重曹ー食塩泉 43.2℃・Ph6.3・60L/分 源泉:入来温泉柴垣湯
鹿児島県の殿様湯紹介。鹿児島県は青森と良く似てる。津軽半島と下北半島を
逆さにした感じ、湾、山々、そして温泉、殿様・・・。国道沿いの何の変哲もない
お店の裏に殿様の湯はあった。店のご主人が代々守り続けてきた湯。温泉のマー
クに反応しなければ見逃しそうな湯だ。浴殿は一段高く、格調あるものだった。
【Data】 食塩泉 52℃ PH6.6 源泉:殿様湯(二月田温泉)二月田8号
歴史:この地(指宿市西方1408)に第二十七代薩摩藩主島津斉が別邸を設置した
以来、この温泉は「殿様湯」と呼ばれる様になり今に至る。斉彬も愛用。
記録:この浴槽の反対側には島津家の家紋である丸に十の字が刻印されていた。
開聞岳から池田湖(イッシーで有名?)へ。そして鰻湖の鰻温泉。
鰻池は周囲4Kmの小さな湖。その北東側にあるのが鰻温泉。湯治
の民宿が2~3軒と木造の共同浴場。鄙びた温泉情緒が懐かしい。
記録:西郷隆盛はこの近辺で狩猟をし湯治逗留した温泉。西郷(せご)
どんはこのような鄙びた温泉地を好んだ。映画「男はつらい
よ」のロケ地でもあり、その時のマドンナは大原麗子だった。
【Data】 硫黄泉 88.8℃ PH6.4 源泉:鰻温泉1号、2号
開聞岳の麓に地域の人に愛されている温泉がある。今日も近所の
ご老人が出湯を楽しんでいた。立派なホテル旅館の温泉も良いが、
このような触れ合い湯もいい。旅はその地域の宝物を発見させる。
【Date】含塩化土類-食塩泉 49.5℃ pH 6.2 源泉:開聞温泉
浴感:当初地域の湯(公共もしくは財産区等)とばかり思って
いたが、その後情報を整理すると個人の温泉である。昔
は彼方此方お湯が出て手掘りの温泉。鉄筋コンクリート
の立派な出湯は、地域の人々に支えられた名湯であった。
映像:指宿ロイヤルホテルの露天風呂から鹿児島県錦江湾を黒潮に吹かれを眺望
薩摩川内市から串木野枕崎を経て指宿。鹿児島の南奥座敷指宿温泉。陽光眩しい南の温泉地、
嘗て日本の高級リゾート地。今日はこの中でも眺望が優れている指宿ロイヤルホテルへ投宿。
温泉と南国料理を賞味。カツオのたたきはバイキングで食べ放題だった。黒潮望む露天風呂、
部屋から彼方に開聞岳を眺望、山岳フアンなら一度は見たい山、明日はあの山まで行くぞえ!
【Data】食塩泉 43.0℃ pH7.02 源泉:株式会社指宿ロイヤルホテル(古毛曽湯こもそゆ)
参考:本物の名湯ベスト100(講談社現代新書:石川理夫著)‐22位 指宿温泉
学術:日本温泉地域・文化資産NO.121摺ケ浜海岸の高温自然湧出泉源地帯と天然砂蒸し
(日本温泉地域学会編)
西郷どん湯を味わい、路地裏を浴場から抜け出る。ふと入浴料を払った店を
覗く。そこは記憶の玉手箱。懐かしい商品が無造作に、処狭しと置かれ、商
っていた。今では田舎でもコンビニが主流なのに此処は昭和30年代のまんま。
体格のよい西郷どんが入ったら一杯になりそうな小さな共同浴場。高城(たき)温泉。
身体を清め、湯に浸かり、温もり、筋肉をほぐす。そして束の間の瞑想。多分、西郷
どんはそんな湯使いをしたのだ。地元民が入れば偉ぶるも無く隅っこに浸かったとか。
【Data】単純硫黄泉 52℃ PH9.2 源泉:湯田3号、9号混合泉
えびの高原を下ると其処はもう宮崎県だ。県境にあるのが白鳥温泉、高原
の出湯だ。訪れる人もまばら、ほのぼの山の湯です。敷地の片隅に与謝野
鉄幹・晶子の歌碑がある。 ここにも温泉好きの歌人夫婦の足跡があった。
⇧ 足湯に設置された与謝野晶子・与謝野鉄幹 歌碑
『霧島の つばさとすれど 地を捨てぬかな』晶子
『きりしまの しら鳥の山 青空を 木間におきて しづくするかな』鉄幹
【Data】①単純温泉 44.3℃ pH3.4 源泉:白鳥温泉上湯
②単純温泉 66.5℃ pH4.0 源泉:白鳥温泉下湯
霧島山中を登っていくと宮崎県との県境に行き当たる。ここがえびの高原・霧島
登山の基地、高原を下ると宮崎県。5月中旬は一面ミヤマキリシマが咲き乱れる。
九州観光の最終地天孫降臨神々の伝説の場でもある。高原には神鹿が群れていた。
映像:ホテル玄関前横にある露天風呂『木立の湯』
霧島温泉郷の真ん中。温泉は勿論自家源泉。雨の霧島出湯の癒し。
宿泊したホテルの露天風呂はすっかり闇に包まれ深閑地していた。
【Data】 硫黄泉 72.5℃ ph6.5 源泉:丸尾112号井戸
初冬青森では初雪の便り、勿論出湯が良い気候となったが、九州もまた
温泉が恋しい季節。これからしばらく九州・四国の湯めぐりをする。中
でも鹿児島は源泉、高温泉、公衆浴場など温泉指数全国2位の温泉大県。
西郷隆盛は温泉好きでも有名、その西郷どんを訪ねる温泉巡り先ず霧島
温泉郷のなかでも山中の林田温泉に早朝レンターを飛ばしてきた。此処
のお湯は入れ替える必用が無いくらいの量、流れに流れて大プールだ!
【Data】 硫黄泉、明ばん泉、緑ばん泉、食塩泉 65度, 多彩多泉質。
残念:2013年の国に大規模ホテル耐震化通達により、本施設は改修が
必要とされ2017年11月6日に休業・解体となった。現在廃墟化
ここは岩手県側の登りゲートがあり、八幡平スキー場など、嘗ては賑わっていたところ。
荒廃した施設を見るにつけ、ふるさとを再生したいと深く考える。
その裏手にあるのが、五色沼、沼底から湧く鉱物を含んだ水は複雑な色彩を
沼に提供する。冬枯れの周辺の景観と妙にマッチしている。ここも見所だ。
その昔有料だった。車もそんなに無い時代此処まで来ることは覚悟の観光。
今日は強い寒気、無風の朝、何回か来たがこのような雄大な光景は初めて。
小野川温泉にやってきた。何時もの『尼湯』に入っていると中年の方が『川向こうに露天風呂があるが、これは温泉ではなく川の水を温泉水で熱交換したものだ』といっていた。本当だろうか?露天風呂の存在は知っていたが、温泉を流していないなんて。確認の為に露天風呂に。
真偽は分からないが、筆者には源泉そのものに感じた。源泉が惜しげもなく注がれていたのだ。此処で、教訓。他人の話は情報としては、面白いがやはり自分の目で、肌で、五感で確かめる事が肝心。そもそも人はウロ覚えの生き物。小野川温泉、露天風呂は極上の泉質だった。
【Data】含食塩・塩化土類ー硫黄泉 82.3℃ PH7.3 源泉:小野川4号源泉(河鹿荘入口の南)