孤帆の遠影碧空に尽き

年に3回ほどアジアの国を中心に旅行、それが時間の流れに刻む印となっています。そんな私の思うこといろいろ。

中国  「新公民運動」弾圧  進む習近平国家主席への権限集中

2014-01-26 21:14:57 | 中国

(1月23日 許志永氏の無罪を求める人々 ただ、こうした動きが社会を動かすほどの大きなものになっていないのも現実です。 “flickr”より By Ji Ruan http://www.flickr.com/photos/29720519@N03/12100007596/in/photolist-jreGGC-fqwzia-83MXSG-fU57Rz-iEwzhF-fp92hG-fQQAnn)

【「あなたたち(共産党)は、公民の存在と成長を『異端』とみて怖がっている」】
中国で憲法が定める権利の実現を目指す市民運動「新公民運動」の中心メンバーの許志永氏(40)に対して、中国司法は公共の秩序を乱した罪で懲役4年という重い判決を下しています。
当然ながら、この判決は単なる司法判断ではなく、中国共産党の「新公民運動」を容認しないという厳しい姿勢を示したものです。

****新公民運動」活動家に懲役4年=公共秩序騒乱罪―中国****
中国で民主や法治の実現を目指す「新公民運動」の中心人物で、公共秩序騒乱罪で起訴された著名人権活動家の許志永氏(40)に対する判決公判が26日午前、北京市第1中級人民法院(地裁)で開かれ、懲役4年の実刑判決が言い渡された。同法院が発表した。同罪で最高の量刑は懲役5年。

許氏は、地方出身の子供に不利な教育制度の是正や、幹部の資産公開を求める活動を展開。検察当局は「公共の場所で横断幕を掲げたり、ビラをまいたり、国家機関前に人を集めて騒ぎを起こしたりして違法犯罪活動を組織・計画・実施した」と認定した。

許氏は理性的かつ穏健に行動を進めており、一貫して「憲法が規定した『言論の自由』の範囲内」と無罪を主張。22日の初公判では裁判所の不公正な手続きに抗議し、「黙秘」を貫いた。最後に「自由や公益のため、また中国の美しい未来のため一切の代償を背負いたい」などと訴える最終陳述を行う準備を進めていたが、書面を読み始めたところで裁判長が遮り、陳述を認めなかった。【1月26日 時事】
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裁判では、許志永氏が最終陳述を述べることも裁判長に遮られ認められませんでした。

****未来のため代償負う」=中国、新公民運動活動家、幻の「最終陳述」―許志永氏****
中国で理性的かつ温和な要求で民主や法治の実現を目指す「新公民運動」の中心人物で、公共秩序騒乱罪で起訴された著名人権活動家の許志永氏(40)は、22日の初公判で「私は自由、公益、愛のため、また中国の美しい未来のため一切の代償を背負いたい。この光栄を冷静に受け入れる」と記した最終陳述を用意していた。

約6時間にわたる審理で、不公正な審理に抗議するため一貫して「黙秘」。最後に発言しようとしたが、読み上げ始めると、裁判長がさえぎり、陳述を認めなかった。

関係者が「自由、公益、愛のために」と題した全文を公表した。許氏は、地方出身者に不利な教育制度の是正、幹部の資産公開などの実現に向け、署名活動を行ったり、横断幕を掲げたりしたことが罪に問われた。北京市第1中級人民法院(地裁)で結審した審理で許氏は無罪を主張した。

「幻」の最終陳述によると、許氏は「あなたたち(共産党)は、公民の存在と成長を『異端』とみて怖がっている」と指摘。それに対して「われわれは平和的に改革を促す手法で国家と社会の進歩を推し進める」とした上で「われわれは新時代の公民であり、国家に責任を負う公民だ。われわれは中国を愛している」と訴え、一人一人の中国人が責任を持って民主や自由、法治などを推し進める重要性を訴えた。【1月23日 時事】 
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憲法が定める権利の実現するための署名活動や横断幕すら公共の秩序を乱す行為として許さないという共産党の姿勢は、今さらコメントすることは何もありません。

この頑なさの裏にあるのは、許志永氏が「あなたたち(共産党)は、公民の存在と成長を『異端』とみて怖がっている」という、一党支配体制を揺るがしかねない市民の声が大きくなることに対する“怖れ”でしょう。
それは怖れるだけの理由・現実があるからに他なりません。

****許氏判決」ニュースを遮断=中国****
中国で26日、「新公民運動」を推進した著名人権活動家・許志永氏が懲役4年の判決を受けたことを伝えていたNHKの海外テレビ放送のニュース番組が突然、視聴できなくなった。

画面が真っ黒になったが、許氏に関するニュースが終わると元に戻った。中国当局が放映を一時遮断したとみられる。【1月26日 時事】 
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海外“隠し資産”報道
許志永氏が求めていた“幹部の資産公開”に関連して、習近平国家主席の親族の“隠し資産”が海外で報じられています。

****カリブに“隠し資産” 習近平氏・温家宝氏の親族ら 国際報道機関****
中国の習近平国家主席の親族らがカリブ海にある英領バージン諸島などの租税回避地(タックスヘイブン)で“隠し資産”を管理していると、約60カ国のジャーナリストでつくる国際的な調査報道機関ICIJ(本部ワシントン)が21日発表した。

ICIJが250万件に及ぶ関連文書を入手し分析した。ICIJによると、習主席の義理の兄弟や温家宝前首相の息子らが、バージン諸島などに資産管理会社などを設立したという。温氏の息子の場合、欧州の金融大手が温氏の首相在任中、バージン諸島で会社設立を支援したとしている。

ICIJはまた、租税回避地を利用する中国本土・香港居住者は、富豪や国有企業幹部を含む約2万2千人に上り、2000年以降に中国から流出した資産総額は1兆~4兆ドル(約104兆~約417兆円)と推計している。

ICIJによると、中国本土の報道機関もICIJに参加していたが、昨年11月、中国当局の警告を受けて脱退したとしている。【1月23日 産経】
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中国当局はこうした資産報道に、「背後の意図を疑わざるを得ない」と反論しています。

****資産報道「背後に意図」=中国****
中国外務省の秦剛報道局長は22日の会見で、習近平国家主席ら中国指導者らの親族による租税回避地を通じた資産運用に関する報道について、「具体的な状況は分からないが、記事の論理は納得し難く、背後の意図を疑わざるを得ない」と反論した。

報告書を発表した「国際調査ジャーナリスト・コンソーシアム」(ICIJ)に協力する英紙ガーディアンなど一部メディアのサイトには資産問題の報道後、中国からアクセスできなくなった。中国当局が遮断したとみられる。

これに関して、秦局長は「関連部門が法規に基づいてインターネットを管理している」と述べるにとどめた。【1月22日 時事】 
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習氏の集権体制が一段と強化
日本や欧米の価値観からすれば許容できない政治姿勢ではありますが、残念ながらこれが現実であり、直ちにこの政治システムが大きく揺らぐこともないでしょう。
習近平国家主席は周永康前党中央政法委員会書記を排除し、着実に権力基盤を固めているようにも見えます。

****公安・司法系統を掌握=習総書記、周永康追及決意か―「集団の害排除」・中国****
9日付の中国共産党機関紙・人民日報によると、公安・司法系統の最高会議である「中央政法工作会議」が7~8日に開催され、習近平総書記(国家主席)が演説、「断固たる意思と行動で、腐敗現象を取り除き、集団に害を及ぼす者は断固排除しなければならない」と強調した。

公安・司法分野で絶大な権限を誇った周永康前党中央政法委員会書記を汚職容疑で追及するとともに、周氏の「牙城」だった政法委を自ら掌握する決意表明との見方が強い。【1月9日 時事】
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****国家安全委」トップに習主席=治安統括の巨大権力機関―集権体制を強化・中国****
新華社電によると、中国共産党中央は24日、政治局会議を開き、内外の治安強化に向けた「中央国家安全委員会」の新設と、そのトップである主席に習近平総書記(国家主席)の就任を決定した。副主席には李克強首相と張徳江全国人民代表大会(全人代)常務委員長が決まった。

国家安全委は昨年11月の党第18期中央委員会第3回総会(3中総会)で創設が決定。同総会で同様に新設が決まった改革の司令塔「中央改革全面深化指導小組」でも習氏がトップの組長に就任しており、習氏の集権体制が一段と強化された形となった。

国家安全委は、「中国版NSC(国家安全保障会議)」と指摘され、外交・安全保障の司令塔になる。新疆・チベット問題などで主権を脅かすテロのほか、共産党一党支配を揺さぶる反体制活動、サイバー攻撃などにも対応し、内外の治安を統括する超巨大権力機関になる見込み。

このため冷戦時代に情報機関・秘密警察として恐れられた旧ソ連の「国家保安委員会(KGB)」に近いとの見方が強い。公安省や国家安全省などを指導する党中央政法委員会のほか、外務省、軍・国防省などに分散していた情報や戦略などを国家安全委の下に集約し、習氏が統一して判断し、指導する体制を構築する。【1月24日 時事】 
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