(9月12日の首相候補テレビ討論会に参加した(左から)ショルツ、ベーアボック、ラシェット【9月23日 Newsweek】)
【中道左派・社会民主党を追い上げるる中道右派のキリスト教民主・社会同盟】
ドイツでは今日26日、総選挙が行われています。
16年にわたりドイツを、そして欧州をリードしてきたメルケル首相が今期で引退するこということで、その後任を決める選挙戦でもあります。
選挙戦の状況は、メルケル首相が率いてきた中道右派のキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)の人気がパッとせず、一時期緑の党が支持を伸ばしましたが党首のスキャンダルなどで終盤に失速、そうしたことから中道左派・社会民主党が終盤戦をリード。
しかし、投票日直前になって、キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)が社民党を激しく追い上げ、その差は僅かになっているとも。
まあ、日本時間の明日未明には出口調査による予測が出されるとのことですから、あと数時間で結果の大勢が反召します。
いずれにしても単独で政権を担える絶対勝者は出ませんので、今回選挙結果を受けての連立交渉が次の焦点になります。
当然ながら、今回選挙結果でその連立交渉の方向性が示されることになります。(方向性というほど明確なものにはならず、連立交渉は混戦模様になる可能性も高いですが)
****ドイツ総選挙 ショルツ氏とラシェット氏の首相争いが確実に****
ドイツ連邦議会(下院、基本定数598、任期4年)総選挙の投票が26日行われた。
最終盤まで世論調査で支持率1位だった中道左派・社会民主党と、引退するメルケル首相(67)が所属する中道右派のキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)の両者が1、2位を占めるのは確実で、選挙後は双方の首相候補が「ポスト・メルケル」の座を争う見通しだ。
調査会社アレンスバッハが24日公表した支持率調査では、26%で首位の社民党に対しCDU・CSUが25%と1ポイント差まで猛追。他の複数の世論調査でも9月中旬ごろまで5ポイントほど離れていた両者の差は1〜3ポイントまで縮まった。
この2大政党と環境政党・緑の党の首相候補のうち、8月以降は支持率3位から動かない緑の党のアンナレーナ・ベーアボック共同党首(40)が首相レースからほぼ脱落。
このため、選挙後は社民党のオラフ・ショルツ財務相(63)、CDUのアルミン・ラシェット党首(60)の2人のうち、連立交渉をまとめ上げた方が新首相に就任する見通しだ。ただ、どちらが主導する政権になっても緑の党は16年ぶりに連立政権に加わる可能性が出ている。
現在のメルケル政権はCDU・CSU、社民党による「保革大連立」だ。ドイツ(西独)ではこの2大政党が中心となり戦後政治を担ってきたが、現在はさらに緑の党、自営業者らから支持を受ける中道の自由民主党、旧東ドイツ社会主義政党の流れをくむ左派党、排外主義的な右派・ドイツのための選択肢(AfD)の計6会派が下院に議席を持ち、多党化が進行。一つの党が単独過半数を獲得する可能性は低く、今回も3党による連立が有力視されている。
今回は選挙期間中、首相候補3人の評価が揺れ動いた。当初はメルケル氏の後継候補として支持を集めていたラシェット氏は、7月の洪水被災地視察の際に談笑する姿が報じられ、人気が急落した。
清新さが売りだったベーアボック氏も著書の盗作疑惑が浮上して失速。
対照的に人気が上昇したのが地味だが安定感のあるショルツ氏で、メルケル政権の副首相兼財務相として新型コロナウイルス対応などに従事してきたベテランとしての実績が見直されている。
選挙は即日開票され、26日夜(日本時間27日未明)に独メディアが出口調査に基づく得票率予測を発表する。選挙後は連立交渉の難航も予想される。【9月26日 毎日】
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【連立パズル】
連立交渉はいろんな選択肢が予想されています。
今回選挙結果を受けて、どの組み合わせがまずアプローチされるかが決まります。
連立交渉が難しい一因は、排外主義的な右派・ドイツのための選択肢(AfD)の存在があるため。
この極右的政党とはどの政党も連立を組みませんので、ただでさえ過半数を超える組み合わせが難しいのに、実質的にはAfDを除いた残りの議席をベースに、全体の過半巣を超える組み合わせを作らねばならない・・・ということで、更に難しさが増します。AfDが議席を増やせば、連立交渉の難しさも増します。
****ドイツ総選挙、26日投開票 各党過半数見込めず、連立交渉が焦点に****
(中略)社民党首相候補のショルツ財務相は緑の党と組みたい意向を示しているが、双方を足しても過半数には届かない見通しで、さらに別の党を加えた「3党連立」案が浮上している。
有力視されるのはこの2党に自由民主党を加えた案だ。だが企業経営者・自営業者から支持を受けて減税を掲げる同党に対し、環境政党・緑の党は温暖化対策などへの投資に向けて増税を望んでおり、政策の違いが大きい。
自民党以外では旧東独の社会主義政党の流れをくむ左派党も「3党目」候補に挙がる。だが左派党は北大西洋条約機構(NATO)からの離脱を主張するなど外交政策で他党と隔たりがあり、いずれにせよ交渉難航が予想される。
一方、社民党を排除した連立の可能性もある。CDU・CSUが緑の党、自民党と組んで過半数を確保する戦略だ。この場合、自民党にとっては左派主導の連立より望ましい組み合わせとなる。
最近のドイツは連立交渉長期化が常態化しており、2013年は選挙後に新政権発足まで約3カ月、17年は約半年かかった。今回は新政権誕生までメルケル氏が引き続き首相を務める。【9月24日 毎日】
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「3党連立」がメインになっていますが、選挙結果次第では「2党連立」で過半数が可能になることもあり得ます。
また、「3党連立」がうまくいかなければ、再びCDU・CSUと社民党の大連立も検討されることになります。
どの組み合わせにしても、政党間の違いを調整したうえで過半巣を確保するのは非常に困難な作業で「連立パズル」といった状況にもなります。
【誰が首相でも「メルケル未満」?】
問題は、そういう困難な作業の結果にショルツ氏、ラシェット氏、ベーアボックなどの誰が首相になったとしても、メルケル首相の存在感を超えるものにはならないというところです。
****ドイツ新首相、候補者3人の誰にも希望を見いだせない悲しい現実****
<メルケル退陣後の侘しいドイツ政界。次期首相選びにつながる総選挙が9月26日に迫るなか、主要3党の代表は非難合戦に終始した>
ドイツ人にユーモアは似合わないが、意図せずして私たちを笑わせてくれることはある。いい例が、去る9月12日に行われた主要3政党の首相候補によるテレビ討論会だ。
登壇したのは緑の党のアンナレーナ・ベーアボック、引退するアンゲラ・メルケル首相と同じキリスト教民主同盟(CDU)のアーミン・ラシェット、連立与党の社会民主党(SPD)を率いるオーラフ・ショルツ(現職の財務相でもある)の3人。
ドイツらしい理詰めの議論が繰り広げられるかと思いきや、結果はベテラン男性2人(ショルツとラシェット)が派手に罵り合い、間に挟まれた若い女性(ベーアボック)は途方に暮れて見守るのみというマンガ的な展開だった。
司会役もお粗末だった。実のある議論を引き出せず、初歩的な不手際も目立った。
そもそもドイツでは、こうしたテレビ討論会がアメリカほどに定着していない。2002年に初めて実施され、以後は総選挙時の慣例となったが、選挙で有権者が選ぶのは政党であって個人ではない。勝った党が首相を選ぶ。ヒトラーのようなカリスマ性の強い人物の台頭を防ぐために採用された制度だ。
しかし今年の総選挙(投票は9月26日)に限って言えば、各党の「選挙の顔」にはカリスマのかけらもない。
鼻であしらわれたラシェット
CDUのラシェットは好感度の高い柔和な感じの男で、地元ノルトライン・ウェストファーレン州では人気だったが、先の大洪水による被害などで逆風が吹き始めると、下劣な面が顔を出してきた。あの洪水で気候変動に対する考え方は変わったかと問われたとき、彼が52歳の女性記者に向かって「お嬢さん」と呼び掛けたのは有名な話だ。
当初こそ最有力と目されていたラシェットだが、その後の支持率は下がるばかり。だから討論会では反撃に出たつもりらしいが、支持率トップで中道左派のショルツをいくら批判しても、小型犬が猛犬に向かってほえているようにしか見えない。相手のスキャンダルをいくら指摘しても、鼻であしらわれていた。
政策の訴えも下手だった。コロナ危機対策で増税が必要になるかと問われたとき、保守本流のラシェットは、増税すれば経済の体力が落ちるから結果として国庫の収入は減る(だから増税はしない)と述べた。減税してこそ税収は増えるという奇妙な理屈の焼き直しだが、あまりにも庶民感覚と懸け離れている。
緑の党のベーアボックは、この討論会でいちばん気楽な立場のはずだった。メルケルという大看板を失ったCDUは、右からは極右政党ドイツのための選択肢(AfD)に攻め立てられ、左からはコロナ対策の責任を追及される苦しい立場。連立を組むSPDも独自色を出しにくい。
それに比べて、緑の党はぶれない。気候問題や社会正義に関する問題で重ねてきた実績を武器に、初めて首相の座を狙える位置につけた。
しかし注目度が急上昇したベーアボックには、多方面から露骨に女性差別的な攻撃が仕掛けられている。「子供の世話は誰がするのか」と問われた際には、女性の指導力や男性の育児力に関する議論が全国に広がった。偽造のヌード写真がばらまかれるという下劣な攻撃もあった。
そんな偽情報を流したのは国内の極右勢力とロシアの手先だ。有力紙デル・ターゲスシュピーゲルの調べでは、極右勢力によるヘイトスピーチの対象になった回数はベーアボックが最も多く、ラシェットの3倍だった。
しかし、そんな偽情報よりも深刻なダメージになりそうなのは、彼女の学歴や能力に関する暴露趣味的かつ女性蔑視的な報道だ。例えば、彼女はロンドン・スクール・オブ・エコノミクスで得た法律の学位ではドイツで弁護士になれないだろうと批判された。そして、ベーアボックは一貫して経験不足を問題視されている。
彼女自身も、敵に付け入る隙を与えるような過ちを犯している。例えば、18年から20年の間に2万5220ユーロの所得を申告していなかった。また国の将来に関する自分のビジョンをつづった著書に盗用疑惑も浮上している。
それでもテレビ討論会でのベーアボックの議論には説得力があった。気候変動に関する国の不作為やインターネット接続環境の地域格差を問われたとき、ラシェットとショルツは責任逃れに終始したが、ベーアボックはそれなりに現実的な対策を示せた。
しかし彼女は上品過ぎ、ライバルとの違いを強く打ち出せなかった。首相候補というより「もう1人の司会者」に見えたという評価もある。
ショルツはリーダーシップを示せず
テレビ討論後の論評や各種世論調査を見ると、この段階での勝者は中道左派のショルツとされている。それも当然。なにしろ現職の財務相だし、雰囲気もメルケルに似て信頼できそうに見える。しかもラシェットの執拗な攻撃を巧みにかわした。
若くて首相っぽく見えないベーアボックや、偉そうだがほえ立てるだけのラシェットに比べると、数字や専門用語を巧みに操るショルツはドイツ人好みの安定感のあるリーダーに見えた。
だが「ショルツ首相」の誕生を懸念する人も多い。過去に有力銀行で起きた粉飾決算事件の捜査で彼の果たした役割には今も多くの疑問が残っており、相当数の国民がショルツは信用できない(あるいは無能だ)と考えている。
今度のテレビ討論で都市部の賃貸住宅価格上昇について問われたときも、ショルツは1973年に80万戸のアパートを建設できたのだから、今でも年に40万戸くらいは建設できると答えた。あまりに短絡的だ。価格上昇の背後に潜む脱税やマネーロンダリングの問題を無視しているし、今の時代に大規模な都市開発を進めることが地球環境に及ぼす影響も考慮していない。
地球温暖化対策についての質問でも、ショルツは連立相手のCDUに責任を転嫁するだけだった。気候変動と戦う今後のビジョンを問われても、太陽光発電と風力発電の量を増やすという漠然とした約束しかできなかった。
今回の選挙戦では、ベーアボックもラシェットもショルツも、それぞれ一度は世論調査でトップに立っている。だが誰も、まだ本当のリーダーシップを示せていない。気候の危機が近づき、コロナの危機が終息せず、格差も拡大する一方の現在、このまま投票日を迎えたら有権者の胸に残るのは「もうメルケルはいない」という喪失感だけだ。
【9月23日 Newsweek】
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もちろん、当初はあまり期待されてなくても、その後の実績で「大化け」することはあります。
プーチン大統領も首相就任時は「プーチン、誰それ? 元スパイ?」って感じでしたし、習近平主席も当初は基盤が脆弱と言われていましたが、いまや1強を固め毛沢東に並ぶ勢い。
【AfD、自由民主党、左派党】
最後に、老舗政党のキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)、社会民主党、環境政党からスタートし、現実路線を進め、今では州レベルで首相を担うようになり、政権担当能力がある政党と認識されるようになった緑の党、この3党以外のAfD、自由民主党、左派党についての概略を。
****ドイツ議会選挙はまれにみる混戦 メルケル首相の後任は誰?****
(中略)
難民受け入れに反対 右派政党「ドイツのための選択肢(AfD)」
「ドイツのための選択肢」は、2013年に経済学者や実業家などによって設立された新興の右派政党です。
設立当初は、ヨーロッパの信用不安問題が深刻化していたため、ギリシャなど財政危機に陥った国々への支援の反対や、通貨ユーロ圏の解体など経済政策を中心に訴えていました。
2015年以降、内戦が激化したシリアなどから難民や移民がドイツに流入したのに伴い、難民の受け入れに反対するなど排他的な主張を前面に押し出すようになると、メルケル首相の難民政策に対する国民の不満の受け皿として旧東ドイツを中心に支持を集めてきました。
前回2017年の連邦議会選挙では、94議席を獲得して、初の国政進出を果たしただけでなく、一躍第3党に駆け上がり、最大野党となりました。
難民の受け入れには一貫して反対する姿勢で、クルパラ共同党首は、今月、地元メディアの取材に対して「今もドイツ国内にとどまる権利のないアフガニスタン人が3万人いる。彼らは強制送還されるべきだ」と述べるなど、アメリカ軍の撤退のあと混乱が続くアフガニスタン情勢を受けて、国境管理を徹底すべきだという考えを改めて示しています。
設立当初は、ヨーロッパの信用不安問題が深刻化していたため、ギリシャなど財政危機に陥った国々への支援の反対や、通貨ユーロ圏の解体など経済政策を中心に訴えていました。
2015年以降、内戦が激化したシリアなどから難民や移民がドイツに流入したのに伴い、難民の受け入れに反対するなど排他的な主張を前面に押し出すようになると、メルケル首相の難民政策に対する国民の不満の受け皿として旧東ドイツを中心に支持を集めてきました。
前回2017年の連邦議会選挙では、94議席を獲得して、初の国政進出を果たしただけでなく、一躍第3党に駆け上がり、最大野党となりました。
難民の受け入れには一貫して反対する姿勢で、クルパラ共同党首は、今月、地元メディアの取材に対して「今もドイツ国内にとどまる権利のないアフガニスタン人が3万人いる。彼らは強制送還されるべきだ」と述べるなど、アメリカ軍の撤退のあと混乱が続くアフガニスタン情勢を受けて、国境管理を徹底すべきだという考えを改めて示しています。
経営者などが支持 自由民主党(FDP)とは
ドイツの自由民主党は1948年に設立された中道右派の政党で、自由主義を掲げ、企業の経営者などから一定の支持を集めています。
キリスト教民主・社会同盟、社会民主党という2大政党のいずれかと連立を組むことで政権の一角を担い、影響力を示してきました。
戦後のドイツで最も長い、18年間にわたって外相を務め、東西ドイツ統一の実現にも貢献したゲンシャー元外相は自由民主党に所属していました。
2009年からはメルケル首相のもとで連立政権に加わっていましたが、選挙の公約としていた大型減税などを実現できず、企業から党への献金疑惑も発覚して支持を落とし、2013年の選挙では結党以来初めて、連邦議会の議席を失いました。
前回2017年の選挙では一転して80議席を獲得しましたが、連立協議で難民問題や環境政策をめぐってメルケル首相の与党などと意見が対立し、政権には参加できませんでした。
FDPは新型コロナウイルスの感染対策をめぐり、ドイツ全土で行動規制などが長引く中、政府は過剰に介入せず市民の自由を守るべきだと訴えて若者などから支持を広げていて、選挙後、再び連立政権の一角を担うことをねらっています。
キリスト教民主・社会同盟、社会民主党という2大政党のいずれかと連立を組むことで政権の一角を担い、影響力を示してきました。
戦後のドイツで最も長い、18年間にわたって外相を務め、東西ドイツ統一の実現にも貢献したゲンシャー元外相は自由民主党に所属していました。
2009年からはメルケル首相のもとで連立政権に加わっていましたが、選挙の公約としていた大型減税などを実現できず、企業から党への献金疑惑も発覚して支持を落とし、2013年の選挙では結党以来初めて、連邦議会の議席を失いました。
前回2017年の選挙では一転して80議席を獲得しましたが、連立協議で難民問題や環境政策をめぐってメルケル首相の与党などと意見が対立し、政権には参加できませんでした。
FDPは新型コロナウイルスの感染対策をめぐり、ドイツ全土で行動規制などが長引く中、政府は過剰に介入せず市民の自由を守るべきだと訴えて若者などから支持を広げていて、選挙後、再び連立政権の一角を担うことをねらっています。
左派党 連立政権入りの可能性も
左派党は、ドイツ語で「左派」を意味する「リンケ」と呼ばれ、旧東ドイツで独裁政権を担った「社会主義統一党」の流れをくんで2007年に創設されました。
創設直後は、旧東ドイツの共産主義政党のイメージが強かったことから、旧西ドイツ側の地域では支持率は低かったものの、最低賃金の保障や失業保険の充実などを訴えて少しずつ支持を伸ばしてきました。
一方で、2015年以降、シリアなどからの難民や移民がドイツに流入したのに伴い、難民の受け入れに反対する右派政党「ドイツのための選択肢」が躍進すると、旧東ドイツの高齢者や労働者層など従来からの支持者を奪われた形になっています。
前回2017年の連邦議会選挙では、69議席を獲得し、野党第3党となっています。
今回の連邦議会選挙では、結果次第では、中道左派の「社会民主党」、環境保護を訴える「緑の党」とともに、3党で連立を組んで政権の一角を担う可能性も指摘されていて、連邦議会の左派党のトップ、バルチュ院内総務は、今月6日、記者団に対し「われわれは政権の責任を引き受ける準備ができている」と述べ、連立政権への参加の意欲を見せています。【9月20日 NHK】
創設直後は、旧東ドイツの共産主義政党のイメージが強かったことから、旧西ドイツ側の地域では支持率は低かったものの、最低賃金の保障や失業保険の充実などを訴えて少しずつ支持を伸ばしてきました。
一方で、2015年以降、シリアなどからの難民や移民がドイツに流入したのに伴い、難民の受け入れに反対する右派政党「ドイツのための選択肢」が躍進すると、旧東ドイツの高齢者や労働者層など従来からの支持者を奪われた形になっています。
前回2017年の連邦議会選挙では、69議席を獲得し、野党第3党となっています。
今回の連邦議会選挙では、結果次第では、中道左派の「社会民主党」、環境保護を訴える「緑の党」とともに、3党で連立を組んで政権の一角を担う可能性も指摘されていて、連邦議会の左派党のトップ、バルチュ院内総務は、今月6日、記者団に対し「われわれは政権の責任を引き受ける準備ができている」と述べ、連立政権への参加の意欲を見せています。【9月20日 NHK】
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ちなみに、今回総選挙のメイン争点はコロナ対策ではなく、180人以上が死亡した7月の記録的な豪雨もあって環境・気候変動とのことです。