安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

キース・ジャレット STANDARDS LIVE

2008-06-25 22:15:46 | ピアノ

先週、安曇野市明科のあやめまつり会場によって、花菖蒲を見てきました。咲き初めでしたが色とりどりで、満開時はさぞカラフルだろうと思いました。帰りに車を運転しながら、カラフルと言えばストラヴィンスキーだなと連想が浮かびました。彼のヴァイオリン協奏曲第3楽章は、きらきらとしてまるで万華鏡のようです。自宅で同曲のCDを聴き、続いてジャズでも同様な印象を持ったチック・コリアやキース・ジャレットの作品を聴いてみました。スタンダーズのライブ・アルバムです。

KEITH JARRETT (キース・ジャレット)
STANDARDS LIVE (ECM 1985年録音)

 Standers_live

キース・ジャレット(ピアノ)、ゲイリー・ピーコック(ベース)、ジャック・デジョネット(ドラムス)という3人で組織したトリオの第3作目にあたるパリでのライブ録音です。発売当時かなりな反響を呼んだものです。キースは、管入りのグループを率いたり、ソロ活動を行ったりと間口の広いミュージシャンですが、このトリオ(スタンダーズ)は歓迎されました。

僕もはじめてこのトリオを聴いた時の興奮は忘れられません。スタンダード曲にもかかわらず、フレッシュで、刻々と変化する旋律、リズムに固唾を飲んで聴き入ったものでした。いまでこそ、そこまでの感覚はありませんが、キースのきらびやかなピアノの音(スタィンウェイでしょう)にやはり耳を奪われます。

曲目は、「Stella by Starlight」、「The Wrong Blues」、「Falling in Love With Love」、「Too Young to Go Steady」、「The Way You Look Tonight」、「The Old Country」の6曲。全ていいですが、早めのテンポにおける右手の歯切れのよさ、その動きが醸し出すスイング感がたまりません。「Falling in Love With Love」や「The Way You Look Tonight」、そして「The Old Country」。

キース・ジャレットはシングル・トーン中心で分厚い和音はほとんど使っていません。きれいに旋律を浮かび上がらせていくキースに、ベースとドラムスも、その美しさを損なわないように絡んでいきます。こうして書いてみるといいことだらけですが、聴き手のほうもピアノの音を追いかけるので緊張感を強いられるところがあります。僕はたまに取りだしては喜んでいます。