JR東日本の新幹線車両内に置かれている同社PR誌「トランヴェール」の6月号の特集は、「東北、ジャズに酔う旅」です。東北新幹線沿線の仙台、一関、八戸などのジャズ・スポットが紹介され、旅へ誘っています。読んだところ、その昔、友人がバイトをしていた仙台のジャズ・バー「スイング」が「アドリブ」と名を変えて営業しているのを知りました。今度訪れるときには、寄ってみたいものです。直訳すると「揺れる(スイング)こと」というアルバムです。
DEXTER GORDON (デクスター・ゴードン)
A SWINGIN' AFFAIR (BLUE NOTE 1962年録音)
デクスター・ゴードン(テナー・サックス)の傑作のひとつです。リズムはソニー・クラーク(ピアノ)、ブッチ・ウォーレン(ベース)、ビリー・ヒギンズ(ドラムス)で、ジャケットも決まっています。彼のプレイは大味なものが多いという誤解をしていたことがありました。おおらかにスイングし、バラードは繊細なこの作品あたりを聴くと、もったいないことをしていたものだと反省しています。
曲目は、「Soy Califa」、「Don't Explain」、「You Stepped out of a Dream」、「The Backbone」、「Until The Real Thing Comes Along」、「Mcsplivens」という6曲で、スタンダードが3曲含まれています。繊細なゴードンのプレイが聴ける「Don't Explain」、「You Stepped out of a Dream」や豪放な「The Backbone」が楽しめます。
ソニー・クラークの参加が価値を高めています。ここでも、マイナー調のコード、フレーズで、例えば「You Stepped out of a Dream」のプレイが光ります。付け足しですが、「Unteil The Real Thing Comes Along」で、デクスター・ゴードンは「Over The Rainbow」のメロディを引用していて、それが自然に溶け込んでおり、このへんもいいなあと感心しています。
トランヴェール6月号は、こんな表紙です。