安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

アイリーン・クラール THE BAND AND I

2008-06-01 21:04:51 | ヴォーカル(E~K)

今日は、きのうの雨模様からうって変わり、よく晴れたいいお天気になりました。6月は、梅雨入りし、蒸し暑くてじめじめした天候が続く月だというイメージが日本ではあります。これに対して「ジューン・ブライド」という言葉ができたように欧米では季節的にも6月(June)はいいシーズンのようです。地勢的な違いはありますが、6月を歌った「Memphis in June」が収録されたアルバムを聴いてみます。

IRENE KRAL (アイリーン・クラール)
THE BAND AND I (United Artists 1958年録音)

 Thebandandiirenkral

「Memphis in June」は、ポール・フランシス・ウェブスター作詞、ホーギー・カーマイケル作曲で1945年に作られた曲です。メンフィスは、アメリカ中西部のテネシー州にある都市で、綿花などの集積地として栄えたところです。W.C.ハンディも、「メンフィス・ブルース」を書いています。

歌詞の大意は、青い空の下の日陰になったベランダ、通りをゆっくりと渡っていくおばあさんがみえる、すべてが平和で素晴らしい。兄弟よ、6月のメンフィスに勝るものはないよというものです。いわばメンフィス賛歌ですね、ただし、細部までは意味がとれていません。ホーギー・カーマイケルの自演や、ジュリー・ロンドン、ルーシー・アン・ポークも歌っています。

「Memphis in June」は、スロー・テンポでじっくりと歌われます。クラールは、70年代にバラード歌手として大きく注目されましたが、その素地はすでにこのアルバムにも出ているかのようです。伴奏は、ハーブ・ポメロイのビッグ・バンドで、チャーリー・マリアーノ(as)が加わっており、彼のものと思えるソロもちょこっときけます。アレンジは、アー二ー・ウィルキンスとアル・コーンが担当。

曲目は、スローな「Detour Ahead」、「Lazy Afternoon」、「Menphis in June」、「The Night We Called it a Day」、ミディアム以上の「I'd Know You Anywhere」、「Comes Love」、「What's Right for You」、「I Let a Song Go out of My Heart」、「Something to Remember You By」など12曲です。

「Detour Ahead」ほか、ちょっと物憂げに聞こえてくるスローテンポの歌が印象深いですが、「Comes Love」や「I Let a Song Go out of My Heart」も軽くスイングして気持ちのいい歌唱です。

ホームページにアイリーン・クラールを掲載しました。時間があればご覧ください。モダン・ジャズやヴォーカルを聴こう アイリーン・クラール