サライという雑誌(小学館発行)があります。昨年12月の号ではシェイクスピア特集をしていましたが、買いそびれてしまいました。その代りというわけではありませんが、シェイクスピアの「じゃじゃ馬ならし」が原作であるミュージカルの映画版「キス・ミー・ケイト」のDVDを借りてきました。その中の曲「So in Love」が入っているアルバムです。
JULIE LONDON (ジュリー・ロンドン)
ALL THROUGH THE NIGHT (LIBERTY 1966年録音)
1953年に製作されたMGMのミュージカル映画「Kiss Me Kate」は、日本に輸入されませんでしたが、アメリカで大ヒットしました。キャスリン・グレイソン、ハワード・キール、ボブ・フォッシーらが出演し、歌あり、ダンスあり、お笑いありと50年以上経った今からみてもたいへん面白く、特にダンスが革新的で感嘆しました。
作詞作曲はコール・ポーターで、「So in Love」がテーマとして使われるほか、「Too Darn Hot」、「From This Moment On」など、場面にふさわしい曲が続々と登場します。「So in Love」は、弦だけでメロディーが奏されているところがありますが、これが物悲しく聞こえ、僕がこの曲に抱いていた明るい歌というイメージと異なりました。
この曲は、ジョニー・ソマーズのスイングする歌唱とアート・ペッパーの華麗なソロ(「Positively The Most」に収録)の印象が強く、元気のよい明るい歌という記憶があったのです。ところが、あらためて楽譜をめくると、短調で始まっていました。だから物悲しく聞こえるのも当たり前かもしれません。
ジュリー・ロンドンのコール・ポーター集「ALL THROUGH THE NIGHT」収録の「So in Love」は、早いボサノヴァで処理しています。ジュリーのストレートな歌唱とバド・シャンク(as)以下伴奏陣の好演があって、「At Long Last Love」や「Ev'ry Time We Say Goodbye」など他の曲も聞き逃せません。
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