今日は安曇野市の自宅で掃除に精を出してきました。押入れの片づけをしたのですが、ケースに入ったヤマハ製のアルト・サックスが出てきました。学生時代にほんの気まぐれで、一時吹いていたことがあり、そのあと妹に譲り渡して数年ほど使用され、そのまま保管されているものです。当時あこがれたアルト・サックス奏者は、フィル・ウッズやポール・デズモンドでした。フィル・ウッズを聴いてみます。
PHIL WOODS (フィル・ウッズ)
PHIL TALKS WITH QUILL (Epic 1957年録音)
アルト・サックスが二本写っているだけのシンプルなジャケットですが、かえって目をひかれます。ウッズはフランス・セルマー社製のものを長らく使っていたはずですが、近年はヤマハのものを使用しているようです。ヤマハの管楽器をウッズが気に入ったというのは、ヤマハはもちろん国産メーカーにとってたいへんな快挙だったろうと思います。
この作品は、1957年にウッズとクイルが2アルトのレギュラー・グループを結成していた時の録音で、二人ともチャーリー・パーカーからの影響を受けたスタイルだけに息のあったところが聴けます。メンバーは、ウッズ、ジーン・クイル(アルト・サックス)、ボブ・コーゥイン(ピアノ)、ソニー・デュラス(ベース)、ニック・スタビュラス(ドラムス)です。
収録曲はバップの有名曲から、「Doxie」が2テイク、「A Night in Tunisia」、「Dear Old Stockholm」、「Scrapple from The Apple」そしてウッズのオリジナル「Hymn for Kim」。2アルトということで、ユニゾンでテーマを奏したり、対位法的に絡んだり、重音でリフをつけたりと、いろいろとやっています。
「Scrapple from The Apple」ではテーマを超特急で二人が演奏していきます。もうそこで息を飲むばかりです。聴いていくとウッズはもちろんですが、意外にクイルのサックスの鳴りがいいので驚きました。「A Night in Tunisia」は、コーゥインのピアノ・ソロのあと、クイル、ウッズと続きますが、クイルがかなり直情的なのに対して、ウッズはソロの初めの方などで音を伸ばすなど工夫をしています。