買物のついでに立ち寄った県立長野図書館の書架で、阿久悠著「愛すべき名歌たち -私的歌謡曲史-」(岩波新書)という本が目についたので、借りてきました。「ボタンとリボン」、「テネシー・ワルツ」というポップスから「また逢う日まで」、「船唄」といった阿久悠本人の作詞したものまで100曲の感想やエピソードが綴られています。歌謡曲の歩みが俯瞰でき、懐かしい気持ちにも駆られました。
DINAH SHORE (ダイナ・ショア)
THE BEST OF DINAH SHORE (CBSSONY 1946~50年録音)
ボタンとリボン(Buttons and Bows)は、1948年の映画「腰抜け二丁拳銃」の中でボブ・ホープが歌った主題歌です。日本では映画が49年に公開、ダイナ・ショアのレコードが同年8月に発売され、池真理子のカヴァーも全国的な大ヒットとなりました。それを、阿久悠さんもラジオで聴いていたようです。
「ボタンをかけてボウ(リボン風のネクタイ)をする都会へ行きたい」という内容のウキウキするようなカントリー調の歌です。ダイナのレコードはミリオン・セラーを記録しました。このアルバムは、彼女の1946年から50年のコロムビア時代にビルボード誌のチャートに入った曲を集めて、独自に日本で編集されたLPです。
なんと17曲も集められています。曲目は、「Laughing on The Outside」、「The Gypsy」、「Don't What Comes Naturlly」、「For Sentimental Reasons」、「Anniversary Song」、「Buttons and Bows」、「Lavender Blue」、「So in Love」、「Baby, It's Cold Outside」、「Dear Hearts and Gentle People」、「It's So Nice to Have a Man Around The House」などです。
リズムにのった軽快な「Buttons and Bows」は代表的なヒット曲ですが、「Laughing on The Outside」や「Lavender Blue」、「So in Love」は上品で消え入りそうな高音がきれいです。「Anniversary Song」は、原曲がワルツ「ドナウ川の漣」なので、ダイナ・ショアの歌唱がたいへん似合っています。
ホームページにロレツ・アレキサンドリア(ヴォーカル)を掲載しました。時間があればご覧ください。モダンジャズやヴォーカルを聴こう ロレツ・アレキサンドリア