長野県には、県営の信州松本空港があり、日本航空が乗り入れていたのですが、この5月末をもって撤退しました。6月からは、日航に代わり、静岡が本拠地のフジドリームエアラインズ(FDA)が、松本札幌線、松本福岡線を運航しています。その就航を記念して、友人から、蟹やウニ、イクラを札幌に食べに行こうと誘いを受けています。彼はウニが大好物ですが、僕はイクラの方です。粒だった音のピアノを聴きました。
OSCAR PETERSON (オスカー・ピーターソン)
TENDERLY (VERVE 1950年録音)
ピーターソンで思い起こすのは、大学時代、下宿の先輩から、ピーターソンとビル・エヴァンスのどちらがいいかと問われたことです。僕は比べることは難しいと答えを濁したのですが、先輩は、ピーターソンは弾きすぎていて嫌いだと話していました。内容はともかく、そんな会話が下宿で行われたこと自体、当時の学生の間にジャズが浸透していたのだなあという感慨を覚えます。
オスカーは、ヴァーヴ・レーベルに膨大な量の録音を残していますが、このアルバムはヴァーヴへの初録音にあたります。この作品は当時一緒に仕事をしていた、レイ・ブラウン(b)あるいはメイジャー・ホリー(b)とのデュオで吹きこまれています。
初録音に相応しく彼の自作の「Debut」で始まりますが、曲目は、それと「Oscar's Blues」、「In The Middle of a Kiss」、「Nameless」を除きスタンダードで、「Lover Come Back to Me」、「Where or When」、「Three O'clock in The Morning」、「All The Things You Are」、「Tenderly」、「Little White Lies」、「Two Sleepy People」など全12曲。
曲によってジョージ・シアリング・スタイルでやってみたり、アドリブの中で他の曲を引用するのが目立ちます。「Lover Come Back to Me」、「Tenderly」はもちろん素晴らしいのですが、「Two Sleepy People」では、ミディアム・テンポで原メロディーにそった和音中心のデリケートな演奏をしてくれており、うっとりと聴き惚れました。ジャケットの美女の微笑にもうっとり。
【松本空港とFDA機】