「男の隠れ家増刊 音楽の空間」(2010年6月号)という雑誌を衝動買いしました。個人のリスニングルームやジャズ喫茶、名曲喫茶などの写真とインタヴュー記事が載っています。本書の中で、中平穂積さん(写真家、DUG店主)が、「ジャズってその場の臨場感、お客さんの雰囲気込の音楽だと思いますね。だから家で聴く場合はライブ盤がほとんど。」と言っているのが目を惹きました。有名なライブ盤です。
MILES DAVIS (マイルス・デイビス)
FRIDAY AND SATURDAY NIGHTS AT THE BLACKHAWK, SAN FRANCISCO (COLUMBIA 1961年4月録音)
マイルス・デイビス(tp)のライブというと反射的に1964年の「FOUR & MORE」を思い浮かべますが、大ホールではなくて、ジャズ・クラブならではの親密な感じが漂う気がするこのアルバムも忘れられません。ブラックホークは、マイルスが気に入っていたクラブのようです。持っているのは2枚組の再発盤LPなので、2夜分を聴きました。
いまさらですが、メンバーは、マイルス・デイビス(tp)、ハンク・モブレー(ts)、ウィントン・ケリー(p)、ポール・チェンバース(b)、ジミー・コブ(ds)というおなじみの面々。モブレーの参加が注目されるところで、コルトレーンとは異なった伸びやかでいくらか明るめの演奏がジャズ・クラブに似合っているのではないでしょうか。
曲目ですが、金曜が「Walkin'」、「Bye Bye Blackbird」、「All of You」、「No Blues」など。土曜が「Well You Needn't」、「Fran Dance」、「So What」、「Oleo」、「If I Were A Bell」、「Neo」といったところで、バップ、歌ものナンバーにアルバム「Kind of Blue」からの曲(「So What」)も加えています。
マイルスのプレイは、アグレッシブな面も出していて、激しさが垣間見られます。モブレーとケリーは、マイペースという乗りもみられて、マイルスとの対比が面白いです。すべてよいですが、「So What」、「Oleo」、「If I Were A Bell」、「Neo」と続く土曜日の方を一段と気に入っています。ケリーの絡みには陶然として耳を傾けてしまいました。また、「So What」をスタジオ録音と比較するのも一興。
【男の隠れ家増刊 音楽の空間】
増刊号を買ったので、日曜毎に更新しているこのブログも増刊してみました・・・。
掲載されている喫茶店:
ジニアス、ジャズオリンパス、JBS、キャンディ、レジーナ、ジャミン、ブルーライツ、ヴィオロン、アマンダ、柳月堂