安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

ラルフ・シャロン THE THINKING MAN'S MUSIC

2011-07-03 19:12:00 | ピアノ

先日、出身高校の長野地区の同窓会に出席してきました。若い方からお年を召した方まで50名程が集まり、和気藹藹と楽しいひと時を過ごしました。前回までは、この会の幹事長を僕はやっていたので、名簿の作成、設営準備、当日の司会など、ゆっくりしていられなかったのですが、今回は友人と話をしたり、飲むことができて満足でした。幹事というわき役も大切で、歌手も伴奏者がいればこそ。

RALPH SHARON (ラルフ・シャロン)
THE THINKING MAN'S MUSIC (BETHLEHEM 1956年録音)

 The_thinking_mans_music

伴奏が上手だというミュージシャンがいますが、ピアノのラルフ・シャロン(P)も、歌伴の名手として知られています。英国出身で、本国で活躍した後、1953年に渡米、クリス・コナーやトニー・ベネットの伴奏者を務めました。歌伴を離れても、自分自身のトリオやコンボで録音を重ねて、硬質な美しい音による、軽妙洒脱なプレイぶりは、ことにスタンダード曲の演奏に向いているようです。

このベツレヘム盤のピアノ・トリオによる演奏が最も知られていますが、57年録音の「AROUND THE WORLD IN JAZZ」(RAMA)も、ラッキー・トンプソンやエディ・コスタが入り、シャロンの歯切れのよいソロが聴けるアルバムです。どちらか迷いましたが、なじみの曲目の多い方を取り上げてみました。

メンバーは、ラルフ・シャロン(p)、ジェイ・カーヴ(b)、クリスティ・フェボ(ds)。曲は、「Don't Be That Way」(その手はないよ)、「Give Me The Simple Life」、「I Didn't Know What Time It Was」(時さえ忘れて)、「I'm Glad There Is You」、「I'm Beginning to See The Light」、「They Can't Take That Away From Me」、「Angel Eyes」、「You Stepped Out of A Dream」というスタンダード8曲に、チャーリー・パーカー作「Steeple Chase」、シャロンの自作「Bluz For Suz」の全10曲。

スタンダード曲をピアノ・トリオの小粋な演奏で聴きたい時に取り出したくなるアルバム。シャロンのサウンドは、使用したピアノのせいもあるかもしれませんが、鐘のように響く歯切れのいいものです。はじめの「Don't be That Way」からしゃれたムードが漂います。「I Didn't Know What Time It Was」のソロ部分は、スタッカートを用いて力強く印象的ですし、バラードで和音やアルペジオが美しく響く「I'm Glad There is You」など、ベース、ドラムスとも息のあった心地よいプレイが続きます。