安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

ハービー・マン STANDING OVATION AT NEWPORT

2011-07-17 20:06:14 | その他木管楽器

先週、用事があって、大町市、安曇野市、松本市と回ってきました。時間に余裕があったので、少し足を延ばして、長野県北安曇郡池田町の葡萄畑と安曇野市の農業用水路「拾ケ堰」に寄ってみました。夏空で雲もたくさん出ていましたが、里から北アルプス(飛騨山脈)を見ると、しばし、すっきりとした気分になりました。本当は違う意味ですが、「蒸し蒸し」を連想させる「Mushi Mushi」が入っている夏のご機嫌なライブアルバムを聴きました。

HERBIE MANN (ハービー・マン)
STANDIONG OVATION AT NEWPORT (ATLANTIC 1965年録音)

 Standingovasionatnewportherbiemann

フルートのハービー・マンがATLANTICに録音したアルバムは、ポップでコマーシャルな面が強いので、ハードバップファンには評判がよくなかったのか、僕はジャズ喫茶で彼の作品を聴いたという記憶がありません。その時代では、「At The Village Gate」が代表作にあげられますが、こちらも楽しさいっぱいで夏向きです。

ハービー・マン(fl)、デイヴ・バイク(vib)、チック・コリア(p)、アール・メイ(b)、ブルーノ・カー(ds)、ポテト・バルディス(コンガ)、「Comin' Home Baby」だけ作曲者のベン・タッカー(b)がメイと交代して弾いています。John HitchcockとMark Weinsteinというトロンボーン奏者も加わります。パイクとコリアを擁した豪華な顔ぶれで、マンのスカウト能力が発揮されたものでしょう。

ハービー・マンのフルートの音は、いかにも軽やかで、小さな鳥が空をまっているような光景を想いうかべます。曲目は、そんなプレイに相応しく、マンとパイクの共作「Patato」、オリバー・ネルソン作「Stolen Moments」、マンの「Mushi Mushi」、ベン・タッカー作のヒット曲「Comin' Home Baby」の4曲。「Mushi Mushi」だけ1965年5月のヴィレッジ・ゲイトにおける録音で、後は同年7月のニューポート・ジャズフェスティバルにおける録音です。

まず素晴らしいのは、オーソドックスなハードバップともいえるミディアム・テンポの「Stolem Moments」で、マンの吹くテーマもグルービーでかっこいいのですが、チック・コリアのピアノ・ソロがフレッシュ。賑やかなリズムでコンガも活躍する「Patato」、ベン・タッカーが加わり、メンバー紹介も行われる「Comin' Home Baby」は、それぞれかなりエキサイティングでジャズフェスに相応しい。忙しいテーマの「Mushi Mushi」の題名は、日本語の「もしもし」からとったそうです。そういえば、日本の歌謡曲「真っ赤な太陽」は、「Comin' Home Baby」に似てなくもないですね。

Comin' Home Baby

YouTube: Herbie Mann - Comin' Home Baby

ライブではなくて、シングル盤収録のヴァージョンのようです。

安曇野景色

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北安曇郡池田町のワイン用の葡萄畑。木を植えたところなので、収穫になるのは2~3年かかるようです。遠景は北アルプスです。

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1000ヘクタールの稲作用に水を供給している農業用水路の「拾ケ堰」(じっかせぎ)は、奈良井川から取水して北アルプス方面を目指し、途中で右におれて穂高有明まで続く延長15kmの水路です。通常は、アルプスの山々から水が流れてくるのですが、逆に北アルプス方向を目指して、水が流れています。3000分の1という勾配がとられているそうです。江戸時代(1816年)に開削されましたが、技術力の高さ、先人の知恵の凄さに驚かされます。

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水路の横には、自転車道が整備されていてサイクリングも楽しめます。休憩ができるようにベンチなども置かれた自転車広場の近くの橋から逆光ですが撮りました。春の景色がよいところなので、来春には訪れて桜が咲いた光景を撮りたいと思っています。