所用があって名古屋へ行ってきました。ついでに、ちょっと足を伸ばして、地下鉄東山線の本山駅から歩いて5分ほどのところに位置する、ジャズ喫茶「Days」に寄ってみました。入り口の扉を開けると、LPレコードの収納棚があり、大きなスピーカーが目について往時のジャズ喫茶を髣髴とさせるたたずまいです。音量も適度でうるさくなく、素晴らしく落ち着ける空間でした。ミシェル・サルダビーの「Night Cap」がかかっていました。このアルバムもフランスのピアニストが演奏しています。
TED CURSON (テッド・カーソン)
THE NEW THING & THE BLUE THING (ATLANTIC 1965年録音)
テッド・カーソン(tp)といっても、名前は聞いたことはあるけれど、彼のリーダー・アルバムを聴いている人はほんのわずかかもしれません。60年代におけるチャールズ・ミンガスとの活動で知られてはいるものの、比較的地味な存在といえます。ハードバップの枠におさまらず表現の幅を広げようとしたところは、ブッカー・リトル(tp)と共通項があるように感じます。
テッド・カーソンは、60年代の終わりから70年代半ばにかけて、ヨーロッパで活動をしていますが、その際の重要な共演者がジョルジョ・アルバニタ(p)で、フランスのfuturaレーベルにも両者で録音を残しています。本アルバムのメンバーは、カーソン(tp)、ビル・バロン(ts)、ジョルジュ・アルバニタ(p)、ハーブ・プシュラー(b)、ディック・バーク(ds)。
曲は、カーソンの自作が5曲で、「Straight Ice」、「Ted's Tempo」、「Nublu」、「Reava's Waltz」、「Elephant Walk」にスタンダードの「Star Eyes」で6曲。タイトル通り、新しいものとブルーズに根ざした曲、演奏が入っていて、3拍子の「Reava's Waltz」と6拍子の「Elephant Walk」と変拍子の曲もあります。ドラムスのディック・バークですが、レイ・ブラウン=ミルト・ジャクソン・グループでのシェリーズ・マンホールにおけるライブ録音しか知らなかったので、多彩なドラミングを行っていてびっくりしました。
タイトルに「The New Thing」とありますが、内容的にはハード・バップの延長といってよく、メインストリームの好きなファンも十分楽しめます。「Straight Ice」は、かなりブルージーですし、カーソン(tp)の柔かい美音でスローテンポで演じられる「Star Eyes」などは伝統的な系統の演奏。鋭角的なテーマを持ち、アルバニタ(p)ら各人のソロが展開される「Nublu」では、新しい方向性も出ていて意欲的です。
【Days】
所在地:名古屋市千種区猫洞4-30-7 prince of oranfe2F
電話:070-5694-2114
営業:13:00~22:00 水曜休み。(4月からお休みを増やすようです。)