先日、木曽方面に所用があり、阿智村清内路(長野県下伊那郡)を通ったので、国道256号から少しだけ入った、姿見不動滝を訪れてみました。滝は落差20m、幅6.3mで、水の流れに激しさはありませんが、糸のようにきめ細かく流れ落ちていて優雅でした。滝が凍った冬の景色もいいようです。滝の流れにストリングスを連想したので、ベースの弓弾きも聴ける作品を。
TAMIR HENDELMAN (タミール・ヘンデルマン)
PLAYGROUND (Swingbros 2008年録音)
タミール・ヘンデルマン(p)は、今年の6月に行われた富士通コンコード・ジャズ・フェス名古屋公演で聴いたピアニストです。その時には、よくスイングして歯切れがよく、ユニゾンによるアドリブなどテクニックもかなりあるように感じました。ヘンデルマンは、イスラエルのテルアビブに1971年に生まれ、84年に家族でロスアンゼルスに移住し、イーストマン音楽院を出ています。
メンバーは、タミール・ヘンデルマン(p)、ジョン・クレイトン(b)、ジェフ・ハミルトン(ds)。この3人は、クレイトン=ハミルトン・ジャズ・オーケストラのメンバーでもあり、ヘンデルマンは、2001年から同オーケストラの一員となっているので、このトリオはレギュラーといってもいいものです。彼は、歌伴も手掛け、ナタリー・コール、ロバータ・ガンバリーニ等の伴奏を行っています。
曲は、スタンダードとヘンデルマンのオリジナルが主体です。ハービー・ハンコック作「Driftin'」、ホレス・シルヴァー作「The Cape Verdean Blues」、スタンダードが「I'm Old Fashioned」、「It's Only A Paper Moon」、「It Never Entered My Mind」、「Do Nothin' Till You Hear From Me」、「Singin' In The Rain」(雨に歌えば)、「I'm Getting Sentimental Over You」(センチになって)、あとはヘンデルマンの自作で、「Playground」、「Sycamore」、「Tiger's Lair」、「Spring Action」、「Almost Summer」で全13曲。
現代版のオスカー・ピーターソン・トリオといった趣きがあり、アドリブの工夫や自作曲のよさもあって、最近たまに聴いているアルバムです。ヘンデルマンの自作曲「Sycamore」は、うっとりするようなバラードで、クレイトン(b)の弓弾きが印象深い。他にも、ヘンデルマンの繊細なタッチが冴えている「It's Only a Paper Moon」や「It Never Entered My Mind」、3人が一体となってスイングし、ハミルトン(ds)のブラシが心地よい「I'm Old Fashioned」あたりがよかった。
【姿見不動滝】
所在地:長野県下伊那郡阿智村清内路国道256号沿い