安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

ジョー・ゴードン INTRODUCING JOE GORDON

2013-10-27 16:05:52 | トランペット・トロンボーン

先日、愛知県の岡崎市に寄ることができて、八丁味噌のカクキューの工場と内田修ジャズコレクション展示室を訪問してきました。カクキューは江戸時代初期から続いている老舗で、その歴史のつまった熟成用の大きな木桶に圧倒されました。内田コレクションには、日本人ミュージシャンを録音したプライベート・テープがあって、1時間近く、高柳昌行や秋吉敏子、北村英治らの意欲溢れる演奏を聴くことができました。トランペットの熱い演奏を。

JOE GORDON (ジョー・ゴードン)
INTRODUCING JOE GORDON (EmArcy 1955年録音)

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ジョー・ゴードン(1928~63年)は、寝たばこが原因で若くして亡くなってしまったので、2枚しかリーダー作を残していません。アート・ブレイキーが、クリフォードブラウンの後釜として起用したくらいなので、実力は良く知られていたのでしょう。そのバンド在団時に録音したのがこのアルバムです。

メンバーは、ジョー・ゴードン(tp)、チャーリー・ラウズ(ts)、ジュニア・マンス(p)、ジミー・シェンク(b)、アート・ブレイキー(ds)。ジュニア・マンス(p)は、まさにパウエル直系というべき生きのいい演奏をしていて、ヴァーヴやリバーサイドのソウルフルで端正な演奏しか知らなかった僕は、はじめてこれを聴いたときにはびっくりしました。

曲は、メンバー等のオリジナルです。ジョー・ゴードン作が3曲で「Toll Bridge」、「Flash Gordon」、「Bous Ber」、クインシー・ジョーンズ作が2曲で「Lady Bob」、「GrassHopper」、作者不詳の「Xochimilco」の全6曲。「Toll Bridge」は、コールマン・ホーキンス作「Rifftide」ですし、「Flash Gordon」は、後のジャズ・メッセンジャーズのナンバー「The Theme」と同じなので、親しみも湧きます。

ジョー・ゴードン(tp)の爽快感が感じられる勢いのいいプレイが聴けます。テンポの速い「Toll Bridge」では、ゴードン(tp)の火の出るようなプレイやマンス(p)のシングルライン中心の胸のすくようなソロが楽しめます。「Flash Gordon」は、ジャズ・メッセンジャーズのクロージングテーマで耳にすることもあり、懐かしい気分になります。「Bous Bier」は、コード進行を借りてきた「チュニジアの夜」と全く同じ雰囲気で、ゴードンが高音を中心としたバランスのよいソロをとり、マンス、ラウズ(ts)も好演をしています。

【愛知県岡崎市を訪問】

1 八丁味噌カクキュウの工場  岡崎市八帖街字往還通69番地

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本社大正末期に建てられたのものでモダンです。)

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   木の桶で2年間熟成させているところ

2 岡崎市内田修ジャズコレクション  岡崎市図書館交流プラザ りぶら2階

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室内の撮影が許可されていないので、パンフレットだけです。聴いたプライベート・テープの中に、北村英治(cl)の低音部を用いた「Wihsper Not」の演奏があって、きわめてモダンでした。