一昨日の金曜日、飯田市の友人にジャズ・スポット「OVER THE RAINBOW」に連れて行ってもらいました。現在は、ライブやリハーサル、録音用のスタジオとして使うくらいないので、いわば幻の店です。今回は、その方がマスターに連絡をとり営業をしてもらいましたが、店内はよく整備され、CDやLPも多く、ジャズ喫茶として毎日でも通いたくなるようなお店です。大隅寿男(ds)トリオ「On The Road」やヘイリー・ロレン(vo)「Heart First」などを聴きながら至福の一時を過ごしました。その続きで女性ヴォーカルを聴いてみます。
SIDSEL STORM (シゼル・ストーム)
SIDSEL STORM (Calibrated 2008年録音)
ディスク・ユニオンから発行されている雑誌「Jazz Perspective」の創刊号と第5号の表紙を飾ったシゼル・ストームの初リーダー作です。彼女は、スウェーデンの歌手で、作詞や作曲も行い、今までに3枚のアルバムを録音しています。これは、「Award Danish Vocal Jazz Album of The Year」を受賞しており、現地でも話題を呼んだ作品です。
メンバーですが、読みがよくわからない人はライナーにあるとおり記しておきます。シゼル・ストーム(vo)、ヤコブ・カールゾン(p)、イェスパー・トーン(b,cello)、Morten Lund(ds)、Gunnar Halle(tp)、Alezander Kraglund(violin)。ヴォーカルアルバムですが、ハードにスイングする曲もあって、美女ヴォーカルというイメージだけではとらえられない内容になっています。
シゼル・ストーム自身の作詞作曲で「Let's Move On」、「Fall in NYC」、「Glimt」、現地のミュージシャンと思われるJonad Dueholmが作った「Where The Rivers Bends」、「Washing Away」、「Just A Step」、同じくPeter Otto作曲の「Butterflies and Lovers」、デンマークを代表する作曲家カール・ニールセンの「Solen Er Sa Rod, Mor」、あとはスタンダードで「Angel Eyes」(エンジェル・アイズ)、「Blame It On My Youth」、「My Favorite Things」(私のお気に入り)の全11曲。オリジナルは、素朴で北欧らしいメロディを持っている曲もあります。
透明感を伴ったクール気味の美しい声で、スタンダードやフォークソングのような曲調のオリジナルを歌っています。ピアノやベースのソロも入っていて、ヤコブ・カールゾン(p)やイェスパー・トーン(b)の演奏もたっぷりと楽しめます。彼女のオリジナルでは、「Let's Move On」の物憂げでしっとりとした曲調、歌がよく、スタンダードでは、ベースだけの伴奏で歌う「Blame It On My Youth」が、彼女の実力をみせてくれますし、「My Favorite Things」では、スピード感のある歌、ピアノが聴け、ダイナミックで迫力があり、このトラックが最も印象的でした。
【OVER THE RAINBOW】
住所:長野県飯田市座光寺共和(CoCo壱番屋座光寺店 東50m)
営業時間:今のところ、ライブなどがある時のようです。
駐車場が広くて畑の中の一軒家というロケーションです。この近くをリニア中央新幹線が通る予定です。
スピーカーは、ALTEC主体に、上にJBLを乗せているようです。ヴォーカルの音がことに素晴らしい。マスターは、ベースを弾きます。