ジャズ批評誌の2025年3月号の特集は、2024年に発売された作品から、販売店やライターがベスト5を選出し、解説するものでした。気になるページを抜き書きしました。来年の特集でどなたか選出してほしいCD。
村田千紘 (Chihiro Murata)
In the mood for Chet (Cjazz'M 2025年発売)
村田千紘さん(tp, 1986年東京生まれ)の新譜が出ました。サイドメンとしてですが、彼女のライブを一度だけ聴いたことがあり(その記事へのリンク)、その柔らかい音色に感心していました。本作は、曲目がチェット・ベイカー所縁のもので、平田晃一(g)の参加にも興味を惹かれ、発売と同時に購入しました。
メンバーは、村田千紘(tp)、平田晃一(g)、若井俊也(b)、ギラ・ジルカ(vo, トラック5のみ参加)。トランペット、ギター、ベースというトリオ編成での演奏です。ギラ・ジルカがトラック5に参加して、歌っています。
(英文表記)Chihiro Murata(tp)、Koichi Hirata(g)、Shunya Wakai(b)、Geila Zilkha(vo #5)
曲目は次のとおり。
1 Moonlight becomes you (JImmy Van Heusen)
2 But not for me (George Gershwin)
3 September song (Kurt Weil)
4 With a song in my heart (Richard Rodgers)
5 I fall in love too easily (Jule Styne, Sammy Cahn)
6 Bernie’s tune (Bernie Miller)
7 Sweet lorraine (Cliff Burwell)
8 My funny valentine (Richard Rodgers)
9 Look for the silver lining (Jerome Kern)
トランペッター、歌手のチェット・ベイカーが歌ったり、演奏した曲目を取り上げています。「But Not For Me」や「My Funny Valentine」など、全てスタンダード曲。5「I Fall in Love too Easily」では、ギラ・ジルカが歌っています。
ドラムが入らない室内楽的な編成で、チェット・ベイカー(tp)所縁のスタンダード曲のメロディが味わえ、加えて、村田千紘(tp)、平田晃一(g)のソロもなかなか良く、大いに楽しめました。珠玉の曲ばかりですが、バラード「September Song」や「My Funny Valentine」では、村田(tp)と平田(g)の丁寧なフレージングが好印象で、ややアップテンポの「But Not For Me」や「Look for the Silver Lining」もスイング感満点で、平田のケニー・バレルやバーニー・ケッセルあたりを髣髴とさせるギタープレイも素晴らしい。
(参考)本作のPR動画が見られます。
In the mood for Chet 2025.2.14release ChihiroMurata村田千紘tp 平田晃一gt 若井俊也b ギラジルカvo#5
【村田千紘ホームページ】
村田 千紘(@chihiro.murata.tp) • Instagram写真と動画
【ジャズ批評 2025年3月号】
表紙
以下、気になったページを掲載し、簡単なコメントを付しました。
10人の委員の投票による、ジャズ・オーディオ大賞の選出もありました。1位は、アレッサンドロ・ガラティのアルバム。この大賞の選考趣旨は、演奏内容だけでなく、オーディオ的に優れているものを称揚するということのようです。
ディスクユニオンジャズTOKYOの売れ行き5と、店長のお薦め5です。後者には、ジャズジャイアントによる未発表音源が並びました。2のマッコイ・タイナーと4のミシェル・ペトルチアー二のものは聴いてみたい。
山形のジャズ喫茶「オクテット」の店長、相澤栄さんのベストファイブ。1番目のマッコイ・タイナーとジョー・ヘンダーソンのものは、札幌のグルーヴィーで聴き、僕もレコードを注文してあります。
兵庫県のジャズライター小島良太さんのベスト5。平田晃一(g)のものは、僕も持っていますが、2番目に挙っていて共感持てます。1番目の魚返明来のものも、聴いてみたい。
ジャズライターの高井信成さんのベスト5も気になります。解説の記述が、ブルーノートとスモーク・セッションというレーベルについて言及していて、全体を俯瞰していて、参考になります。
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