最近、近世(戦国~江戸時代)の歴史関連の小説を読んでいたのですが、現代の青春物語もたまには良いかと、書店で目についた恩田陸著「ブラザー・サン シスター・ムーン」(河出文庫)を購入しました。
表紙
(カバー裏にある本書の紹介)
(目 次)
(感想など)
恩田陸さんの小説は、「祝祭と予感」(幻冬舎文庫)を読んだだけで、映画「蜂蜜と遠雷」は観たものの、その原作は読んだことがありませんでした。音楽に詳しい方だと記憶に留めていましたが、今回の「ブラザー・サン シスター・ムーン」(河出文庫)には、感心を通り越して感動しました。
小説は3部作で、関連はあるもののそれぞれに主人公がいます。読み進むと、この主人公3人は、著者の学生時代の自らの体験を元に創作した、著者の分身だとわかります。第一部は、主人公が女性で、結末に小説を書くことへの志が宣言されていて、まさに恩田さんのスタート地点を描いたもの。
第二部は、主人公が男性ですが、早大のモダンジャズ研究会を舞台に描いていて、著者の早大ビッグバンド (通称「ハイソ・オーケストラ」)在籍4年間の体験が反映されています。この第二部はジャズ小説といってもよいと思われ、文庫収録の特別対談も含めて、とても楽しめました。
(著者略歴)
(恩田陸さん関連の拙ブログ記事へのリンク)
映画「蜂蜜と遠雷」を観ました。(10月24日 山形村アイシティシネマ)
(参考)【第2部の登場人物に関連したホームページ】
早稲田大学モダンジャズ研究会
この小説は、結構面白かったです。大学時代を描いた青春小説で、著者の体験が原点になっています。創作もいろいろ入っていて、特にジャズファンには楽しめる小説でした。
サライでCDの紹介をやって、ミンガスのアルバムを推薦していたのですね。そういうことなら、改めて、もっと、ジャズ関連、音楽関連の小説やエッセーを書いて欲しいと思いました。
コメントありがとうございます。
取材力の凄さが文面と行間から読み取れましたが、
ハイソでアルトを吹いてられたんですね。
雑誌サライのCD紹介でミンガスの「ミンガス・アット・
カーネギーホール」を紹介されていましたが、
さもありなんという感じで、これが、恩田さんを
作っている一コマなのかと感心したことが
ありました。