途中まで読んであった池波正太郎著「元禄一刀流」(双葉文庫)を改めて最初から読みました。初期の中短編が7編収録されている文庫本で、読んだのは2024年1月発行の新装版です。
表紙
(カバー裏にある内容紹介)
(目 次)
(感想など)
池波正太郎さんが書いた「剣客商売」や「鬼平犯科帳」など代表的な小説は、だいたい読みましたが、まだまだ良い小説がたくさんあることを思い知らされた文庫本です。2編は発表年不明ですが、5編は昭和37年(1962年)から昭和42年(1967年)に発表されたもので、比較的初期のものを収録してあります。
新陰流の開祖の武将時代を描いた「上泉伊勢守」、会津藩初代藩主となった保科正幸の私生活を主に記した 「賢君の苦渋」、忠臣蔵外伝ともいうべき「元禄一刀流」の3編のやや長いものが面白く、印象に残りました。「元禄一刀流」では、一刀流の師匠の目から、赤穂と吉良の敵味方になってしまった弟子たちを描き、池波さんの暖かい眼差しが感じられます。
「賢君の苦渋」では、保科正幸の正室お万の方が起こした毒殺事件に焦点が当てられていて、著者の流暢な筆の運びはさすがですが、事件そのものが史実かどうか疑問もあるようなので、保科正幸について書かれた他の本を読んでみたい。
(本書にある著者の紹介)
(楽しみな放映)
年始年末休みには、DVDを借りてきて、時代劇などを観ようと思っています。また、NHKテレビのBS時代劇で、池波正太郎原作の「雲切仁左衛門ファイナル」が1月5日から全8回放映されるというので、それも是非観たいと思っています。
『雲霧仁左衛門シリーズ』堂々の終結。
雲霧仁左衛門と安部式部の“最後の死闘”の幕が開く!
放送2025年1月5日(日)スタート <全8回>
NHK BSプレミアム4K/NHK BS 毎週日曜 午後6:45~7:28
※初回放送(1月5日のみ)夜7:00~7:43放送
雲霧仁左衛門 VS 安部式部 豪華ゲストも集結する“最後の死闘”を見逃すな!
7作目となる今作は、人気シリーズ『雲霧仁左衛門』のファイナルシーズン。ひとりも傷つけず大金を奪い、雲か霧のように消えてしまうという盗賊一味の首領・雲霧仁左衛門(中井貴一)。その雲霧を執念深く追いつめんとする火付盗賊改・安部式部(國村隼)。宿命のふたりの最後の死闘が始まる。
番組情報
BS時代劇「雲霧仁左衛門ファイナル」
2025年1月5日(日)スタート <全8回> NHK BSプレミアム4K/NHK BS
毎週日曜 午後6:45~7:28 ※初回放送(1月5日)のみ 夜7:00~7:43 1月12日(日)より毎週日曜午後6:45~7:28
(再放送) 本放送の翌金曜 夜7:30~8:13 NHK BSプレミアム4K/NHK BS
【原 案】 池波正太郎 『雲霧仁左衛門』
【脚 本】 松下隆一、青塚美穂、三谷昌登、岡本さとる
【音 楽】 遠藤浩二
【出 演】 中井貴一/國村 隼
近藤芳正、手塚とおる、DAIGO、片桐仁、遠藤久美子、中田クルミ、木下晴香、村田雄浩 ほか
(新キャスト) 伊武雅刀、浜野謙太、和田正人、梶原善、山下容莉枝、坪倉由幸、長谷川初範、温水洋一/観月ありさ/中村梅雀 ほか
あらすじ
今回の雲霧の狙いは、高利の貸し付けで暴利を貪る‟札差”と呼ばれる大店。そのなかでも最も強大な力を持つ札差が大熊屋の主・大熊屋三太夫。雲霧仁左衛門に恨みを持っており、雲霧一党を窮地に追いやる!正体不明のこの札差と雲霧との因縁とは!?
そして、大熊屋に次ぐ力を持つ札差・三国屋の主・おりょう(観月ありさ)は、大熊屋へ復讐の炎を燃やし、手段を選ばず過激に対抗する。その激しさに、おりょうの過去を知る雲霧一党の勘助(片桐仁)は心をかき乱される……!
江戸城の老中・平野大和守(中村梅雀)は、金と欲に目がくらみ、横暴な振る舞いで火付盗賊改である安部式部(國村隼)を翻弄する。そんな老中・平野大和守と大熊屋三太夫の間を、怪しげな山師・武村玄信(和田正人)が行き来する。
安部式部の配下に新たに加わるのが、火付盗賊改方の同心・堀十内(浜野謙太)。剣の腕も下手で空気も読めず頼りない十内だが、隠れた能力を持っていた。
式部の苛烈な追い込みにより、今までになく窮地に立たされる雲霧。そして大熊屋三太夫と老中の思惑も絡みつき、雲霧と式部の戦いは壮絶な死闘へともつれこんでゆく。ふたりの戦いの結末は!?いま、雲霧仁左衛門、最後の盗め(つとめ)の幕が開く――!
(参考)NHKの同番組へのリンク