南信州は山林が多くを占め、林業が盛んな地域でもあり、スギやヒノキを生産しています。飯伊森林組合に新たに製材施設が出来て、見学会が催されたので行ってきました。貯木場(市場を兼ねていて月1回入札が行われます。)もある広い敷地の一画に工場は立地していました。最新鋭工場で、作業効率はいいのですが、「信州の木」の販売先の確保が課題とのことです。地域性ももった作品。
DUSKO GOYKOVICH (ダスコ・ゴイコヴィッチ)
SLAVIC MOOD (VISTA 1974年録音)
ユーゴスラヴィア出身のダスコ・ゴイコヴィッチ(tp)の書く曲は、素朴で哀感に溢れていて、個性的です。スラブ民族はヨーロッパ各地に住んでいて、その民謡に取材したドボルザークのスラブ舞曲などといった有名なクラシック曲がありますが、ダスコの書く旋律もそれに負けず劣らず魅力的です。そんな自作曲ばかりを収録したのが、このアルバム。
メンバーは、ダスコ・ゴイコヴィッチ(tp)、Vince Benedetti(p)、Ben thompson(ts,ss)、Joe Nay(b)、Andy Scherrer(ds)。当時、ダスコは、クラーク=ボラーン・ビッグバンドで活動する傍ら、ドイツやスペインのレーベルで作品を作っていましたが、しばらくイタリアに住んでいたことがあって、その際に、伊RCAのジャズ部門のVISTAレーベルへ録音したもので、ローマで収録されています。
曲は全てダスコ・ゴイコヴィッチのオリジナルで、「Slavic Mood」、「Got No Money」、「No Love Without Tears」、「Old Fisherman's Daughter」、「Kosmet」、「East of Montenegro」、「Flying Rome」の7曲。最も名高いのは、「Old Fisherman's Daughter」ですが、「Kosmet」や「East of Montenegro」もスラブの香りがします。
最初の「Slavic Mood」では、ドラムによるイントロに続き、ピアノ、2管で奏されるテーマがエキゾチック。次の「Get No Money」は、スイングして、ややモーダルでかっこいい曲。一転して、スロー・バラードの「No Love Without Tears」は、味わい深く、ダスコのソロからは、寂しさがにじみ出てくるようです。最も知られている彼の曲「Old Fisherman's Daughter」は、ミュートで慈しむように演奏され、「Kosmet」は哀愁味を帯びたテーマを持つ曲で、ダスコのソロがよく歌っていて、聴きごたえがあります。
【飯那森林組合】
長野県下伊那郡喬木村に新設の製材工場をはじめ、貯木場、木材乾燥施設、プレカット工場などがあります。
貯木場
製材施設
製材施設内部
Old Fisherman's Daughterは、来日公演でもやってくれました。もちろんミュートによるプレイですが、しっかりと力強く吹いていたのが忘れられません。いい曲ですね。
これは、日本であまり紹介されてこなかったですが、サイドメンの演奏も含めて、充実したアルバムですね。
貯木場と背景の青々とした山を見ますと、長野という感じがしますね。
ゴイコヴィッチはバークリー音楽院で学んでおりますので、オリジナルもツボを得ております。それにタイトルもいいですね。「Got No Money」には思わず肯いてしまいます。(笑)
今年のサッポロジャズは渡辺貞夫氏が音楽監督ですが、バークリーでゴイコヴィッチと同級生だったそうです。
林業の現場は厳しいのですが、一生懸命頑張っている姿を見ると、なんらか応援したくなります。
サッポロジャズは、渡辺貞夫音楽監督ですが。結構いいミュージシャンが集まりそうですね。サッポロ行きたいですが、夏場は無理そうです。そろそろ名古屋のジャズクラブへ行ってみたいと思っています。