安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

ザ・スリー・サウンズ HERE WE COME

2008-04-06 18:42:43 | ピアノ

花粉が舞っていてとても外に出ていく元気がありません。それでも、春なので、冬用タイヤ(スタッドレス)から普通のタイヤに交換することにして、タイヤを車に積んでディーラーの工場に持っていきました。私は電話で予約をしておきましが、飛び込みでもくる人もいました。タイヤ履き換えなど、かつては正規ディーラー店では見向きもしませんでしたが、点検修理にもお客の囲い込みが必要とみえて親切、丁寧でした。短絡的ですが、車ジャケットです。

THE THREE SOUNDS (ザ・スリー・サウンズ)
HERE WE COME (BLUE NOTE 1960年録音)

 Here_we_come

スリー・サウンズの作品は、ブルー・ノート・レーベルのものとしては人気が高くないようです。けれども、エンタテイメントに溢れ、収録曲はスタンダード辞典の趣もあり持っていてもいい作品ばかりです。30年ほど前、たまたま入った仙台の東北大学病院の近くにあった普通の喫茶店にスリー・サウンズのLPが何枚も飾られていて、BGMもそれらからのもので、びっくりした覚えがあります。ジャズ喫茶では耳にしたことがありませんでしたから。

ジーン・ハリス(p)、アンドリュー・シンプキンス(b)、ウィリアム・ドウディ(ds)というメンバーです。ブルーノート第6作に当たりますが、小気味よくて、適度にファンキーなピアノ・トリオ作品に変わりはありません。演奏パターンが似かよってくるのは、やむをえないところです。G・ハリスのピアノはともかく、A・シンプキンスのベースは話題に上りませんが、躍動感があってこのグループの魅力の一つです。

曲目ですが、「Now's The Time」、「Summertime」、「Here We Come」、「Just Squeeze Me」、「Broadway」、「Our Love is Here to Stay」、「Poinciana」、「Sonnymoon for Two」という8曲です。面白いのは、ファンキーで右手のシングルライン中心の「Summertime」、ベースが活躍する「Here We Come」あたりで、S・ロリンズの「Sonnymoon for Two」はどういうように料理されているか興味津々で聴き入ります。

ザ・スリー・サウンズというネーミングや軽めのピアノ・トリオと思われたところが、ジャズ喫茶族受けしなかったのでしょう。ジャズ喫茶で、このグループのアルバムがかかっているのを見たことがありません。ビール(今日はキリン・クラシック・ラガー)でも飲みながら気楽に聴くと心地よいです。


アビ・レーン BE MINE TONIGHT

2008-04-03 23:09:27 | ヴォーカル(A~D)

野球シーズンが始まり、テレビでもプロ野球の試合結果を報じる番組を目にするようになりました。アメリカ大リーグでも、ヤンキースの松井選手やマリナーズのイチロー選手など日本人選手の動向が報じれて、日本よりそちらの試合結果が気になったりします。野球とジャズ、ヴォーカルといえば、ミュージカルで「くたばれヤンキース」(Damn Yankees)が傑作(1955年 1019回上演)として知られ、映画化(1958年)もされています。その中の曲「Whatever Lola Wants」の入っているアルバムです。

ABBE LANE (アビ・レーン)
BE MINE TONIGHT (RCA 1958年録音)

 Be_mine_tonight

舞台と映画では、魔女ローラ役のグエン・ヴァードンが歌いました。ストーリー上からは、男性を誘惑する唄なので、女性歌手専用の唄と思いきや、メル・トーメが歌っています。けれども、こういうのは美人歌手のテンポのいい歌に限りますので、アビ・レーンのアルバムを取り出しました。セクシー・ビューティーのアビ(ザヴィア・クガート夫人でもありました)のラテンバンドバックの歌が堪能できるアルバムです。

「Whatever Lola Wants」は、「ローラの望むままに」という邦題がつけられています。詞の大意は、「ローラの望むものはなんでも手に入るの。ローラはあなたがほしいの、狙ったものは逃がさない」という魔女が野球選手(もとは中年男性で、悪魔のマジックにより若返っている)を誘惑する歌です。ヴァードンはくねくねと踊りながら歌いますが、ユーモラスも感じる場面です。

アビ・レーンは、ティト・プエンテ楽団の伴奏により、ラテンタッチで乗りまくりながら、楽しくセクシーに歌っています。他の曲もなかなか楽しめるもので、ジャズを聴く合間にラテンがかったアルバムもよいものです。他の収録曲は、「Pan, Amore, Y Cha Cha Cha」、「Noche De Ronda」(Be Mine Tonight)、「Too Marvelous for Words」、「Arrivederci Roma」、「Babalu」など全12曲収録です。

映画のなかで、もう一曲たいへん印象に残るのは、「Goodbye Old Girl」(グッドバイ・オールド・ガール)です。僕は、アート・ファーマー(tp)の「アート」(Cadet)の中の演奏が忘れられません。物悲しいメロディが、その場面のその時の気持ちをたいへんよく表現しています。

ホームページにジリオラ・チンクェッティ(カンツォーネ)を掲載しました。時間があればご覧ください。モダンジャズやヴォーカルを聴こう