安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

ダイナ・ショア THE BEST OF DINAH SHORE

2009-03-08 21:14:50 | ヴォーカル(A~D)

買物のついでに立ち寄った県立長野図書館の書架で、阿久悠著「愛すべき名歌たち -私的歌謡曲史-」(岩波新書)という本が目についたので、借りてきました。「ボタンとリボン」、「テネシー・ワルツ」というポップスから「また逢う日まで」、「船唄」といった阿久悠本人の作詞したものまで100曲の感想やエピソードが綴られています。歌謡曲の歩みが俯瞰でき、懐かしい気持ちにも駆られました。

DINAH SHORE (ダイナ・ショア)
THE BEST OF DINAH SHORE (CBSSONY 1946~50年録音)

 Thebestofdinahshore

ボタンとリボン(Buttons and Bows)は、1948年の映画「腰抜け二丁拳銃」の中でボブ・ホープが歌った主題歌です。日本では映画が49年に公開、ダイナ・ショアのレコードが同年8月に発売され、池真理子のカヴァーも全国的な大ヒットとなりました。それを、阿久悠さんもラジオで聴いていたようです。

「ボタンをかけてボウ(リボン風のネクタイ)をする都会へ行きたい」という内容のウキウキするようなカントリー調の歌です。ダイナのレコードはミリオン・セラーを記録しました。このアルバムは、彼女の1946年から50年のコロムビア時代にビルボード誌のチャートに入った曲を集めて、独自に日本で編集されたLPです。

なんと17曲も集められています。曲目は、「Laughing on The Outside」、「The Gypsy」、「Don't What Comes Naturlly」、「For Sentimental Reasons」、「Anniversary Song」、「Buttons and Bows」、「Lavender Blue」、「So in Love」、「Baby, It's Cold Outside」、「Dear Hearts and Gentle People」、「It's So Nice to Have a Man Around The House」などです。

リズムにのった軽快な「Buttons and Bows」は代表的なヒット曲ですが、「Laughing on The Outside」や「Lavender Blue」、「So in Love」は上品で消え入りそうな高音がきれいです。「Anniversary Song」は、原曲がワルツ「ドナウ川の漣」なので、ダイナ・ショアの歌唱がたいへん似合っています。

ホームページにロレツ・アレキサンドリア(ヴォーカル)を掲載しました。時間があればご覧ください。モダンジャズやヴォーカルを聴こう ロレツ・アレキサンドリア


メル・トーメ SUNDAY IN NEW YORK

2009-03-04 21:03:29 | ヴォーカル(L~R)

忙しい毎日が続いているので、気分転換をしようと、この前の日曜日に松代(長野市)に行ってきました。自宅から車で15分ほどですが、真田氏の城下町だけあって、真田城跡や文武学校、武家屋敷などが残っており、それらの周辺を散歩してきました。静かな通りを歩くのはいいものです。タイトルに日曜日が入っているアルバムです。

MEL TORME (メル・トーメ)
SUNDAY IN NEW YORK (ATLANTIC 1963年録音)

 Sunday_in_new_york

「Sunday in New York」(ニューヨークの日曜日)をタイトルに掲げて、ニューヨークに関連した歌を集めたアルバムです。この歌の歌詞は、「日曜日のニューヨークはお昼寝をしている。日曜だからゆっくり過ごそう、人生はボールのようなものだから」と始まり、ゆっくりした休日にふさわしいものです。

メル・トーメのソフトな歌声が映える編曲、伴奏です。録音はロサンゼルスで行われ、編曲はジョニー・ウィリアムス、ディック・ハザード、ショーティー・ロジャースが担当し、伴奏のバンドのメンバーは不明ながらいい音を出しています。

曲目は、「Sunday in New York」、「Autumn in New York」、「Lullaby of Birdland」、「Broadway」、「The Brooklyn Bridge」、「Harlem Nocturne」、「New York, New York」、「There's a Broken Heart for Every Light on Broadway」、「Manhattan」など全13曲です。ニューヨークに関連した歌がこれだけ並ぶと壮観です。

「Sunday in New York」は上品でおし ゃれで、まるで大都会にいるような気分にさせてくれますし、「There's a Broken Heart For Every Light on Broadway」ではセンチメンタルな表情がよく感じられます。ムード・ミュージックなどでもおなじみの「Harlem Nocturne(ハーレム・ノクターン)」のヴォーカル・ヴァージョンは珍しいと思いますが、素晴らしくてさすがにメル・トーメです。


エリス・ラーキンス IN AN ELLINGTON MOOD

2009-03-01 21:14:31 | ピアノ

お世話になっている取引先の方が、東京に転勤することになり先日送別会を催しました。急な転勤なものの、ご栄転なので本人は終始明るかったのですが、善光寺のご開帳(4月5日~5月31日)に長野にいられないのが残念だとのこと。「牛に曳かれて善光寺まいり」は東京からは新幹線だと再開を約束しました。「Take The A Train」が収録されたアルバムです。

ELLIS LARKINS (エリス・ラーキンス)
IN AN ELLINGTON MOOD (Storyville 1955年録音)

 Inanellingtonmood

新幹線も列車ですが、列車にからんだ曲を挙げると、「Chattanooga Choo Choo」、「Night Train」、「Gravy Train」そして「Take The A Train」がすぐに浮かんできます。「A Train」はもちろんデューク・エリントン楽団のナンバーですが、多数の人が録音をしています。今日はエリス・ラーキンスのピアノです。

エリス・ラーキンスは、エラ・フィッツジェラルドの「Songs in a Mellow Mood」(Decca)の伴奏ピアニストとして記憶されます。ヴォーカル・コーチも務めていたので、どちらかというと伴奏が主ではないかと思われがちですが、コンコードレーベルにも録音があり、リーダーアルバムがたくさんあります。

エリントン・ナンバーを、ラーキンスとビヴァリー・ピア(ベース)の二人で演奏したもので、曲目は、「Mood Indigo」、「Do Nothin' Till You Hear From Me」、「I'm Beginning to See The Light」、「Caravan」、「Tak The A Train」、「Don't Get Around Much Anymore」など有名曲がほとんどですが、「Everything But You」も入っています。

美しい音でおなじみのメロディーを聴かせてくれます。装飾音をつけたりしていますが、アドリブにしても跳躍のないもので心地よく聴け、深夜にも最適です。「Take The A Train」のイントロは独自のもので興味をそそられますし、「Everything But You」や「Don't Get Around Much Anymore」もよかった。

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今日の善光寺境内です。右側はコーヒーを飲みに入ったレストランの楽茶レンガ館。フレンチが美味しくて安いです。

ホームページにジョニー・コールズ(トランペット)を掲載しました。時間があればご覧ください。 モダンジャズやヴォーカルを聴こう ジョニー・コールズ