安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

アル・ヘイグ INVITATION

2013-01-13 00:13:08 | ピアノ

1月6日の日曜日は、各地で消防団の出初式が行われました。飯田市の消防出初式に招かれたので、はじめてその出初式を見学することができました。驚いたのは、消防団や広域消防局ばかりでなくて、日赤奉仕団や飯田市の各地区の街づくり委員会の方も参加していたことです。多くの市民の参加があって本当に感心しました。招いていただいたので、Invitation。

AL HAIG (アル・ヘイグ)
INVITATION (SPOTLITE 1974年録音)

 Invitation_al_haig

アル・ヘイグ(p)は、チャーリー・パーカーと共演するなど、名前はとどろいていましたが、50年代のリーダー作を聴いた限りにおいては、注目すべきピアニストとはとても思えませんでした。しかし、遅まきながら1988年頃に、初めてこのアルバムを聴いたときには、スピード感や切れのあるフレーズが出てきて、パーカーのサイドメンを務めたのも不思議ではないと驚きました。

メンバーは、アル・ヘイグ(p)、ジルベール・ロヴェル(b)、ケニー・クラーク(ds)。曲は、ジャズ・オリジナルが多いですが、有名曲も入っています。シダー・ウォルトン作「Holyland」、J・J・ジョンソン作「Enigma」、タッド・ダメロンの「If You Could See Me Now」、ビリー・ストレイホーンの「Daydream」、アル・ヘイグの自作が3曲で、「Sawbo City Blues」、「Sambalhasa」、「Linear Motion」、そして、標題曲のブロニスラウ・ケイパー作曲の「Invitation」で、全8曲。

「Invitation」ですが、同じコードが何小節も続く部分があって、そのせいかモーダルに響くので、シダー・ウォルトン作「Holyland」の次に収録されていても全く違和感がありません。ケイパーの代表曲「On Green Dolphin Street」も、長い音符が目につき、アドリブ素材として格好だったのでしょうか、マイルス・デイビスとりあげています。ケイパーは、この2曲でジャズファンにおなじみですが、斬新な人なのだと、このヘイグの演奏を聴いていて改めて感じました。

「Holyland」、「Invitation」と、細かな音の細部がしっかりと聴こえるプレイで、テクニックが衰えていないのはもちろん、楽想が次々と出てきて、好調ぶりがうかがえます。「Sawbo City Blues」は、題名通りブルージーで、こういう曲を作るとは意外でした。バラード「If You Could See Me Now」は両手を目一杯使っていて、パウエルをちょっと髣髴とさせます。「Invitation」と「Sambalhasa」はボッサリズムで奏されていて、華やかさもありますが、じっくりと味わえる好アルバムです。

【飯田市消防出初式】

        Iidashishouboudezomesiki20130106


マイルス・デイビス THE MILES DAVIS QUINTET & SEXTET

2013-01-06 11:03:32 | トランペット・トロンボーン

昨年、ブログ仲間のmotoさんから、ジャズ評論家の小川隆夫さんの講演会を企画していますとのメールがありました。本決まりになり、本年3月23日(土)に長野県伊那市の「雨ことばカフェ」で午後6時から開催されることになりました。マイルス・デイビスに関するいろいろなお話などが聴けるのではないでしょうか。興味のある方は、お出かけください。日本編集盤です。

MILES DAVIS (マイルス・デイビス)
THE MILES DAVIS QUINTET & SEXTET (CBSソニー 1955~1961年録音)

  Quintet_sextet_2

日本編集LPで、いまはもう役目を終えたかと思いますが、マイルスが明るく電話しているジャケットや、内容がバラエティに富んでいるので、未だにこのLPを手放せずにいます。お正月なので、こういうLPもいいなあと、そのころのマイルスコンボの充実した演奏に耳を傾けてみました。

いろいろなところでリリースされたトラックを集めたものです。発売当時(1973年)は、ここに収録された、ブラックホークのライブ盤の「On Green Dolphin Street」の別ヴァージョンや、B面には、「Kind of Blue」セッションと同じメンバーによる1958年のスタジオ録音3曲(「Jazz Tracks」として元々発売)が収録されていて、熱心に耳を傾けたものです。もちろん、今聴いても色褪せません。

メンバーは、レコードのA面1~3が、マイルス・デイビス(tp)、ジョン・コルトレーン(ts)、レッド・ガーランド(p)、ポール・チェンバース(b)、フィリー・ジョー・ジョーンズ(ds)、A面4は、マイルス(tp)、ハンク・モブレイ(ts)、ウィントン・ケリー(p)、チェンバース(b)、ジミー・コブ(ds)、B面の「Jazz Tracks」からの3曲は、マイルス(tp)、キャノンボール・アダレイ(as)、コルトレーン(ts)、ビル・エヴァンス(p)、チェンバース(b)、コブ(ds)。

1955年のセッションも興味深く、今回気がついたのですが、「Little Melonae」におけるガーランド(p)のソロが、低音を用いて迫力を出しているので驚きました。買った当時に繰り返し聴いたのが、B面の3曲です。これは香気が漂う芸術品だなというのが、その当時の感想ですが、いま聴いてもその感想に変わりはありません。ミュートを使って吹いているマイルスの抒情性はもちろん、ビル・エヴァンス(p)のコードのフレッシュさ、コルトレーンの張り詰めたフレーズと音の美しさなどなど、ジャズ史に残る宝石のようです。ことに、スローな「Fran-Dance」と「Stella By Starlight」(星影のステラ)は、絶品。

曲目と録音日を記しておきます。
(A面)
1. Little Melonae           (1955年10月27日)
2. Budo                 (  同 上      )
3. Sweet Sue             (1956年9月10日)
4. On Green Dolphin Street (At The Black Hawk 1961年4月21日)
(B面)
1.On Green Dolphin Street   (1958年5月26日)
2. Fran-Dance         (   同 上    )
3. Stella By Starlight      (   同 上   )

【" 小川隆夫ONGAKU ゼミナール in 雨ことばカフェ "
      "マイルスで聴く、モダンジャズの変遷"】


      日時 : 平成25年3月23日 (土)
           17:30 から開場、 18:00 スタート
      場所 : 雨ことばカフェ (長野県伊那市、中央道伊那インターの近くです。)
           http://amekotoba.com/
      入場料 : 3,000 円 (ワンドリンク付)
      定員 : 30 名
  
      予約・問い合わせは 雨ことばカフェ まで
           Tel: 0265-98-7350  
           Mail: info@amekotoba.com

【小川隆夫編集 マイルスディスコグラフィー(CBSソニー非売品)】
たまに使いますが、重宝しています。

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ズート・シムズ PARTY

2013-01-01 17:23:30 | テナー・サックス

皆さん、新年明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。年末年始の休暇で、東京から長野市へ子供が帰ってきたので、安曇野市の実家にも連れて行き、父母と一緒に食卓を久しぶりに囲みました。東京で仕事に追われていますが、今回は暦に恵まれたので、いくらかゆっくりできるようです。お正月は、フェイヴァリットミュージシャンの作品を聴いていますが、安曇野市で家族の食事会も出来たので、ズート・シムズの「PARTY」を聴いてみました。

ZOOT SIMS (ズート・シムズ)
PARTY (CHOICE 1974年録音)

 Partyzootsims

パーティというと、すぐに思い浮かぶのは、オルガンのジミー・スミスの「House Party」(Blue Note)の方です。そちらは、管楽器も入り賑やかでよく知られていますが、ズート・シムズの「Party」は、マイナー・レーベルへの録音のせいもあってか、若干、地味な扱いを受けているようにみえます。しかし、滋味あふれる演奏ばかりなので、寛ぎたい時などに、ターンテーブルに乗せてきました。

メンバーは、ズート・シムズ(ts、ss)、ジミー・ロウルズ(p)、ボブ・クランショー(electric bass)、ミッキー・ロッカー(ds)。ここにアル・コーン(ts)が加わり、マウジー・アレキサンダーがドラムスに代わると、アル&ズートの1978年の日本公演のメンバーになります。僕は、その公演を、すぐ目の前で聴いたので、そういうところからも親近感を抱いているアルバムです。

曲は、二ール・へフティ作「Fred」、Tom Satterfield作「Restless」、コール・ポーター作ですが、そう知られていない「Dream Dancing」、あとはスタンダードで「Caravan」、「I'm Getting Sentimental Over You」、「The Very Thought of You」の6曲。CDでは、2トラック追加になっているようですが、珍しくオリジナルLPを持っているので、それで聴いています。なお、「Caravan」と「The Very Thought of You」で、ズートはソプラノ・サックスを吹きます。

珍しい曲が目を惹きますが、はつらつとしてリズミカルで楽しい「Fred」、ヘレン・ウォード(vo)が1935年に録音した、テンポの遅い優しげな「Restless」と、それぞれ佳曲です。後者は、ズートのソロもゆったりとしていて、しみじみ、ほのぼのとした気持ちにしてくれます。歌はもちろん、器楽でもバラードの扱いが多い「I'm Getting Sentimental Over You」ですが、ここでは4ビートでスインギーな演奏が繰り広げられ、ズートに続き、ロウルズ(p)、クランショー(eb)と好調なソロも聴けて、ご機嫌なトラックになっています。録音がよいことも本作の特徴。

【2013元旦の善光寺】
今日の午後、長野市に戻り、初詣に行ってきました。お天気に恵まれたので、人出が多かったです。

    Zenkoujirokujizou20130101
                         六地蔵

    Zenkoujihondou20130101
                本堂からずらっと行列ができていました。