先週の月曜日に名古屋市内に所用があったので、少し足を伸ばして金城ふ頭にある、JR東海の「リニア・鉄道館」を訪れました。蒸気機関車から超電導リニアまでの実物車両の展示、高速鉄道技術の紹介、東海道新幹線沿線のジオラマなど、見ていると時間の経つのを忘れさせてくれる面白いミュージアムです。平日にもかかわらず、子供も含めて大勢の入場者がいました。中央西線を走る特急「しなの」の旧型車両があって懐かしく、記念写真も撮りました。今夜は「Night Train」で。
OSCAR PETERSON (オスカー・ピーターソン)
NIGHT TRAIN (Verve 1962年録音)
「Night Train」は、デューク・エリントンの「Happy Go Lucky local」を元として、ジミー・フォレスト(ts)が作った曲で、R&Bチャートで大ヒットしました。原曲のリフ部分をもってきているのですが、テンポもかなりスローで、別の曲という印象です。今日は、モダンなオスカー・ピーターソン(p)の演奏で聴いてみました。
これは定評のあるアルバムなので、お持ちの方が多いのではないでしょうか。メンバーは、ピーターソン(p)、レイ・ブラウン(b)、エド・シグペン(ds)で、この3人は、黄金のトリオとも言われました。ピーターソンのピアノ中心のトリオであるものの、レイ・ブラウン(b)の明るめの音色によるソロ・スペースもあり、いろいろな聴き方ができます。
曲は、エリントンやベイシー楽団のものと、有名ジャズ・オリジナルです。「Night Train」、「C Jam Blues」、「Georgia On My Mind」(我が心のジョージア)、「Bag's Groove」、「Moten Swing」、「Easy Does It」、「Honey Dripper」、「Things Ain't What They Used To Be」(昔はよかったね)、「I Got It Bad and That Ain't Good」、「Band Call」、そして、ピーターソンの自作「Hymn to Freedom」(自由への賛歌)。
トリオの3人が、それぞれ工夫を凝らして弾いていて飽きません。遅めのテンポの「Night Train」では、トレモロやグリッサンドを用いて、グルーヴィー感を出しています。ダイナミクスが直接に伝わってきて、夜汽車が疾走している光景も浮かんできます。修練のたまものもあるのでしょうが、大きな手で長い指だから軽々と離れた音同士でトレモロがきれいにできるのでしょうか。最終曲「Hymn to Freedom」まで、軽快なシングルトーンと厚い和音の響きが心地よく、体を揺らしました。
【JR東海 リニア・鉄道館】