安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

ミシェル・ぺトルチアーニ LIVE AT THE VILLAGE VANGUARD

2013-01-23 22:18:09 | ピアノ

「モンテーニュ通りのカフェ」というフランス映画を観ました。パリのモンテーニュ通りには、音楽ホールのシャンゼリゼ劇場や演劇上演のコメディ・シャンゼリゼがあって、それらに関係する人々のお話です。ベートーヴェンのピアノ協奏曲「皇帝」の演奏場面などが出てきますが、ピアノ演奏が素晴らしくてびっくり。使われたのは、フランソワ・ルネ・デュシャーブルによる録音でしたが、彼の実際のエピソードが、映画内のドラマの一つになっていました。久しぶりに見入った映画(DVD)でした。こちらもフランスのピアニスト。

MICHEL PETRUCCIANI (ミシェル・ぺトルチアーニ)
LIVE AT THE VILLAGE VANGUARD (BLUE NOTE 1984年録音)

 Themichelpetruccianitrioliveatthevi

本作のリーダー、ミシェル・ぺトルチアーニ(p)を主人公としたドキュメンタリー映画「情熱のピアニズム」が、昨年から全国で公開されています。まだ見ていないのですが、長野市の長野ロキシーで2月下旬から上映されるようなので、それは見逃さないようにしようと予定の中に入れました。

実演は、斑尾ジャズフェスティヴァルの夜の部で、ソロ・ピアノを弾いたのを聴いたことがあります。抒情的で繊細な演奏だという先入観をもって聴いていたのですが、縦横無尽に鍵盤を行き交う演奏で、力強くもあったので驚きました。すぐにレコード店で、「Cold Blues」というデュオ作品を買い求め、当時よく聴いていました。今回取り上げた「Live At The Village Vanguard」は、元はLP2枚組でしたが、CD1枚に収録されていて、扱いが便利になっています。

メンバーは、ミシェル・ぺトルチアーニ(p)、パレ・ダニエルソン(b)、エリオット・ジグモンド(ds)。曲は、マイルスの「Nardis」、ロリンズの「Oleo」、モンクの「Round Midnight」に、ぺトルチアーニのオリジナルで、「Le Bricoleur De Big Sur」、「To Erlinda」、「Say It Again And Again」、「Three Frogotten Magic Words」、Dalffonという人の書いた「Trouble」で全8曲。自分のオリジナルに加え、超有名ナンバーを選曲していて、意気込みが伝わってきます。

硬質なタッチで華麗でクールなプレイが続きます。バップナンバーも取り上げていて、バップピアノ系統が好みのファンにもアピールする内容だと思います。「Oleo」における早くて細かいパッセージには、スリルがあって興奮させられます。スロー・テンポで演じられる「Trouble」は抒情的な曲で、ぺトルチアーニの音の美しさ、盛り上げ方がよくわかります。自作の「To Erlinda」では、はじめ前奏風に入り、リズムが加わって次第に熱くなっていき、ダニエルソン(b)のソロも短いですがよくて、終わったあと、会場から拍手がたくさんされています。

【モンテーニュ通りのカフェ】

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