安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

バーニー・ケッセル PLAYS “CARMEN”

2014-05-14 22:14:16 | ギター

この前の日曜日、安曇野市に行くのに大町市経由にして、中山高原に立ち寄り菜の花を見てきました。菜の花の黄色と淡い桜の木、そして背後には雄大な北アルプスと絶景でした。小さなお子さんを連れた家族連れもいて、ちょうど春の一日のお出かけに適しています。黄色い菜の花の印象が強かったので、ジャケットが黄色地のものを取り出しました。

BARNEY KESSEL (バーニー・ケッセル)
BARNEY KESSEL PLAYS “CARMEN” (CONTEMPORARY 1958年録音)

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ミュージカルやクラシック、映画スコアのジャズ化が、1950年代にはいくつも行われました。バーニー・ケッセル(g)の企画ものでは、「Some Like It Hot」(お熱いのがお好き)も、見逃せない作品です。こちらのカルメンですが、主な購入動機は、ジャケット・デザインの面白さにあるのではないでしょうか。僕は、このアルバムはLPで持ち続けています。

ジャケットばかりでなく、内容も悪くありません。メンバーは、バーニー・ケッセル(編曲、g)、アンドレ・プレヴィン(p)、シェリー・マン(ds)、ハーブ・ゲラー(as)、バディ・コレット(flute)、レイ・リン(tp)、ヴィクター・フェルドマン(vib)、ジョー・モンドラゴン(b)らで、3グループで録音が行われています。ビゼーのカルメンからのアダプト(編曲)は、ケッセルが行っています。

曲目は、次のとおりで、原曲を並べてみました。
1 Swingin' The Toreador     「闘牛士の歌」(エスカミーリョ 第2幕)
2 A Pad On The Edge of Town 「セギディーリャ」(カルメン 第1幕) 
3 If You Dig Me
  「俺を愛しているなら カルメン」(エスカミューリョとカルメンのニ重唱 第4幕)
4 Free As A Bird     「恋は野の鳥」(ハバネラ)(カルメン 第1幕)
5 Viva El Toro!      「闘牛士行進曲」(前奏曲 第4幕) 
6 Flowersville        「花の歌」(ドン・ホセ 第2幕)
7 Carmen's Cool     「あんたのために踊るは」(カルメンの踊り 第2幕)
8 Like There's No Place Like  
  「母の様子を教えておくれ」(ドン・ホセとミカエラのニ重唱 第1幕)
9 The Gypsy's Hip   「ジプシーの歌」(カルメン 第2幕)

こうして並べてみると、いかにビゼーが魅力的なメロディーをたくさん書いたかわかります。

ジャケットと同じく、演奏も明るくて楽しい内容です。西海岸の一流メンバーばかりで、譜面にも強いのでしょうか、よどみなく音楽が流れていきます。「Swingin' The Toreador」(闘牛士の歌)や「Free As A Bird」(ハバネラ)では、柔かなアンサンブルをバックにしたケッセルのよくスイングするギター・ソロが聴けます。また、「Viva El Toro!」などで聴けるシェリー・マン(ds)の工夫したプレイ、安定したリズムも印象に残ります。

【大町市中山高原 菜の花 2014春】

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菜の花から油を採るために栽培されていますが、この時期は鑑賞に多数の人が訪れます。

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上記2枚の写真を撮った菜の花畑は、実はこの写真を撮った位置の後方にあります。

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入り口から少し入ったところからのアルプス方面の景色です。少し拡大してあります。    


2014 ジャズ・イン・長野~春編

2014-05-12 23:06:09 | 演奏会・ライブ

一昨日の土曜日、「2014 ジャズ・イン・長野~春編」というコンサートに行ってきました。会場の守谷ホールは、立ち見の方もいて、150人くらいで満席でした。始まったのは午後6時ですが、終了は午後9時45分で、4時間近くジャズを満喫しました。忘れないうちにと、感想等をまとめました。

出演は次の3グループです。
本田珠也トリオ(本田珠也(ds)、守谷美由貴(as)、石田衛(p))
神保彰ワンマンオーケストラ~ドラムからくり全国行脚2014(神保彰(ds))
森山・板橋カルテット(森山威男(ds)、板橋文夫(p)、川嶋哲郎(ts)、金澤英明(b))

はじめに演奏したのは、本田珠也トリオで、前衛的なアブストラクトな演奏でした。セロニアス・モンクやオーネット・コールマンの曲目が取り上げられ、本田さんの祖父が作ったという岩手県宮古高校校歌もジャズ・ヴァージョンでプレイされました。かなり硬派でしたが、細部まで神経をいきわたらせた演奏のように感じました。

2番目は、神保彰ワンマンオーケストラでした。本人が言っていたように、これはジャズではありませんが、エレキドラムも駆使した、カラフルでリズミカルな演奏は、それなりに面白かったです。スター・ウォーズのテーマ、マイケル・ジャクソン・ヒット・メロディー、ホルスト作曲「組曲 惑星」などのプログラムでした。

最後は、森山・板橋カルテットで、会場からは拍手と歓声があがりどおしでした。川嶋哲郎作の「ラメンテーション」から始まり、最後はおなじみの「ハッシャ・バイ」でした。川嶋哲郎(ts)さんの実演は初めてでしたが、ジョン・コルトレーンやジョー・ヘンダーソンからの影響があり、クライマックスではフリーキーなトーンも混ぜた熱演でした。特に、テナーのサウンドが魅力的なので、スタンダードなどいろんな曲を聴いてみたいものです。森山さんの抑揚に富んだドラムス、板橋さんのピアノも音の塊、エネルギーが出ていて、圧倒されました。

森山・板橋カルテットの演奏が終わり、森山さんと聴衆のじゃんけん大会となりましたが、終わった後に、サプライズが待っていました。「皆でなんかやろう」という森山さんの呼びかけで、3組の出演者がステージに勢ぞろいをし、始まったのは、「A Night In Tunisia(チュニジアの夜)です。川嶋、守谷のフロント陣も頑張っていましたが、聴きものは、森山、神保、本田の3人のドラマーによる延々と続いたドラム合戦で、3人とも実にエネルギッシュでした。

「A Night In Tunisia」で退席していた板橋さんが戻ってきて、板橋=森山のデュオでステージが締められました。曲名はわかりませんが、バラード系で、板橋文夫の幅の広さがよくわかるいい演奏で、感動しました。

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演奏中の撮影は許可されないので、森山・板橋カルテットの始まる前にスマホで撮りました。川嶋さんと森山さんが見えます。右奥は、神保彰さんのドラムセットです。

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チラシ(裏面)と当日会場入り口に設けられた看板。


ローランド・ハナ DREAM

2014-05-11 08:05:20 | ピアノ・トリオ

飯田市から持ってきた荷物の片づけをようやく終えて、オーディオをセットし直しました。単身赴任中に購入した小型のシステムも使えるようにしようと、オーディオに詳しい友人のIさんに連休明けに自宅にきてもらい、改めて配線や配置を行ってもらいました。CDプレイヤーについては、ソニー製のものが壊れたので、ROTEL製のものを使うことにしました。試聴に使ったCDです。

ROLAND HANNA (ローランド・ハナ)
DREAM (VENUS 2001年録音)

   Dreamrolandhanna

試聴に用いたのは、アート・ペッパー「Meets The Rhythm Section」(キング盤LP)、ノラ・ジョーンズ「Come Away With Me」(CD)、ローランド・ハナ「Dream」(CD)やクラシックのCDです。メインで使うスピーカーのJBL4425mkⅡは、ノラ・ジョーンズの声をかなり生々しく臨場感をもって再現してくれました。4本のスピーカーを全部使って音を出したところ、小型ホールのような感じも出たので、4本鳴らすのも面白そうです。

ローランド・ハナの「Dream」は、日本のヴィーナス・レーベルの制作・発売で、音質もよさそうなので試聴用に選んでみました。メンバーは、ローランド・ハナ(p)、ポール・ウエスト(b)、エディ・ロック(ds)という、当時のレギュラー・トリオです。ハナのアルバムだと、「Easy To Love」(Atlantci)など、50年代の録音がよく知られていますが、70年代以降も多くの録音を残しています。

夢にちなんだ曲を集めていて、曲名にDreamが登場するものが、「When I Grow Too Old To Dream」(夢みる頃を過ぎても)、「Street Of Dreams」、「You Stepped Out Of A Dream」(夢から醒めて)、「Day Dream」、「This Time The Dream's On Me」(今こそ夢のかなうとき)、「Dream」、「Dream Dancing」の7曲。他も有名スタンダードで、「Skylark」、「I Hear A Rhapsody」、「So In Love」、「A Sleeping' Bee」、「You Do Something To Me」で、全12曲。

気品が感じられ、うっとりと夢み心地にさせてくれる作品。「When I Grow Too Old To Dream」では、ハナが絶妙なイントロから、快適なテンポ、和音でテーマを奏でていて、すぐに惹きこまれました。タイトル曲の「Dream」は、ベースのイントロに続くピアノの響きが美しく、ソロもダイナミック。他にも、明るくスイングし、ベース・ソロも入る「This Time The Dream's On Me」、音のつながりが美しくクラシカルな「So In Love」など、素晴らしいトラックが入っています。

本日から、インスト(ピアノ・トリオ)というカテゴリーを設けました。以前の記事も分類し直さなければなりませんが、順次行っていきます。

【オーディオ装置2014年5月】

     Audiosetzentai201405

(使用機器)
アナログプレイヤー:ヤマハGT2000L
カートリッジ:デンオンDL103
CDプレイヤー:ROTEL RCDー06 
アンプ:デンオンPMAーS10Ⅱ
スピーカー:JBL4425MKⅡ
アンプ:ROTEL RAー05   スピーカー:revolver MUSIC Series1 

LPプレイヤーとCDプレイヤーからの出力は、S10Ⅱに入り、そこから出力してJBLのスピーカーに入ります。また、S10ⅡからローテルのアンプRA-05に入力し、、ローテルのアンプからレヴォルヴァーのスピーカーに出すことも可能な配線になっています。

     Audiosetheyahidari201405
オーディオセットの左方向。

     Audiosetheyamigi201405
オーディオセットの右方向。

     Audiosetkogataspeaker201405
アンプとスピーカーの接続は、2セットともバイワイヤリング。左右のスピーカーの間隔が十分とれていませんが、やむを得ません。


リンダ・ロンシュタット LUSH LIFE

2014-05-07 18:35:57 | ヴォーカル(L~R)

毎年、連休の後半に開催される善光寺花回廊(ながの花フェスタ2014)を散歩がてら見てきました。善光寺に通じる参道(中央通り)を歩行者天国にして、そこを中心に、花で図柄を作成した花キャンパスやタペストリー・ガーデン、フラワー・ガーデンなどが設けられます。露店もたくさん出て、市民や観光客で一帯は賑やかでした。制作に多くの人が関わっていることをうかがわせる、色彩豊かな作品を楽しんできました。華やかな経歴の女性歌手。

LINDA RONSTADT (リンダ・ロンシュタット)
LUSH LIFE (ASYLUM 1984年録音)

   Lushlifelindaronstadt   

連休中は、安曇野市や松本市、上越市へ出かけましたが、その他は、長野市の自宅で過ごしていました。本やCD、レコードの整理片づけ、机などの配置換え、オーディオのセッティング、部屋の掃除などをやっていました。ジャズやクラシックを聴きながらなので、全くはかどりませんでした(笑)が、この際、ほとんど聴いていなかったものも聴いてみました。これはそのうちの一枚です。

リンダ・ロンシュタットは、ポップス・ロック方面でたいへん有名な歌手なので、ネルソン・リドル(編曲)と組んでスタンダード曲を録音したアルバムを発表した時には大きな話題となりました。全部で3作ありますが、「LUSH LIFE」は、そのうちの2作目に当たります。ジャケットは、変形でアナログLPならではの面白さがあります。

収録されているのはスタンダード12曲です。「When I Fall in Love」、「Skylark」、「It Never Enterd My Mind」、「Mean to Mean」、「When Your Lover Has Gone」、「I'm A Fool To Want You」、「You Took Advantage Of Me」、「Sophisticated Lady」、「Can't We Be Friends」、「My Old Flame」、「Falling In Love Again」、「Lush Life」。ロンシュタットの歌とともに、ネルソン・リドルの編曲・伴奏にも興味を惹かれます。

リンダ・ロンシュタット(vo)が、ストレートに歌っています。珍しく、音符(高島慶司編「新スタンダード・ジャズのすべて」を使用)を追いかけながら聴きました。レコードのA面6曲は、ストリングス入りの伴奏によるバラード系で、B面6曲は、ジャジーなトラックもあり、プラス・ジョンソン(ts)らのソロが入るトラックもあります。ロンシュタットの透明感があり良く伸びる声や飾らない歌はかえって新鮮で、スインギーなものでは「Can't We Be Friends」、バラード「Sophisticated Lady」あたりが編曲も含めてよかった。

【善光寺花回廊2014】

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カシヨ印刷(株)さんによる出展。   

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アルストロメリアです。近くでは農協による花の販売ブースも設けられていました。

【Lush Lifeのジャケット】

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二重になっていて、引き出せます。引き出すと、リンダ・ロンシュタットが出てくる仕掛けです。


マックス・ローチ LIVE IN TOKYO VOL.1

2014-05-04 08:39:57 | ベース・ドラムス

先日、所用で新潟県上越市に行ってきました。JR高田駅近辺なら、長野市の自宅から高速道路を使えば1時間10分くらい、国道でも1時間45分くらいで着くので、遠い感じはしません。同市の南高田には「プー横丁」というジャズを流している喫茶店があるので、帰りに寄りました。カウンター数席が使われているくらいのアットホームなお店ですが、大きな音で硬派なピアノ・トリオをかけてくれました。マスターの増村さんは映画もお好きなようで、長野市まで映画を見に行くと話をしていました。すこし硬派な演奏を。

MAX ROACH (マックス・ローチ)
MAX ROACH QUARTET LIVE IN TOKYO VOL.1 (DENON 1977年録音)

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同じ時期に、同じ顔ぶれのマックス・ローチ・グループの公演を仙台で聴いたので、このLPを聴くたびに当時のことを想い起します。シンプルなカルテットで、真っ向勝負というべき演奏は、聴きごたえがありました。また、お客さんの入りがよかったことが、ことに印象に残っています。これは、東京の郵便貯金会館におけるライブ録音ですが、VOL.1とVOL.2があり、まとめて一枚のCDで出されたことがあります。

メンバーは、マックス・ローチ(ds)、ビリー・ハーパー(ts)、セシル・ブリッジウォーター(tp)、レジー・ワークマン(b)。注目は、ビリー・ハーパーのプレイで、コルトレーン派として、どんな演奏をしているか興味が湧きます。実際の公演を聴いたときには、セシル・ブリッジウォーターの音色の美しさにほれぼれしましたが、PCM録音という日本コロンビアが開発した録音方式で録られているので、音質的にも期待が持てそうです。

曲は、3曲だけです。トラディショナル(民謡など古くからある曲)で、ハーパーが編曲をした「Calvary」、セロニアス・モンク作「'Round MIdnight」、マックス・ローチ作「It's Time」。「Calvary」が18分、「'Round Midnight」が11分の収録時間で、それぞれのメンバーのソロスペースが十分確保されています。

かなりハードな演奏だという記憶があったのですが、今聴いてみると、そうでもなくて普通に楽しめます。ローチのドラミングは端正でシャープですし、サイドメンも大きく音をはずすといったことはありません。加えて、レジー・ワークマン(b)がしっかり支えています。「Calvary」は、口ずさめるようなメロディの曲ですが、テーマのあとのハーパー(ts)の音圧が強い迫力のあるソロに圧倒され、また、ローチのドラム・ソロもスリリングで、これが最も素晴らしい。「'Round Midnight」では、テーマが始まった途端、お客さんの拍手が聴こえ、実際のコンサートを思い出しました。

【プー横丁】

29年間営業を続けられていて、毎日お店を開けているそうですが、不定期に休むので、電話をかけてからきてほしいそうです。マスターはお寺の住職さんです。
住所:新潟県上越市南本町3-8-8
電話:025-525-6990

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お店の入り口です。普通の家並みの間にありますが、場所はわかりやすいです。   

     Puuyokochoutennaiokukara20140427
店内は細長いです。お店の奥から撮ってみました。カウンターにお客さんがいて、その右側にマスターがいます。珈琲はサイフォンで抽出していて、値段は300円でした。

     Puuyokochoutennaihondana20140427
カウンターの後ろ側です。「絵本とのみもの」のお店ということで、本がたくさん置いてあります。左のスピーカーは、カレンダーの横くらいに位置しています。カウンターの中にいるマスターが、最もいいポジションで聴くことができるように配置してあるそうです。