安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

ローリー・アレン PARADISE

2014-06-04 22:53:57 | ヴォーカル(L~R)

信州(長野県)には海がありません。もちろん港もありませんが、北隣りの新潟県上越市にある直江津港について、その振興に昔から協力してきているとのことです。同港は、物流拠点の位置づけが大きいのですが、佐渡汽船の客船(フェリー)のターミナルがあって、人や車の乗降も行われています。先日、その直江津港に寄る機会があったので、ターミナルの屋上から写真を撮りました。港の写真を撮る機会は、滅多にないので、いろいろな方角に向けてシャッターを押しました。西海岸で録音されたヴォーカルアルバム。

LAURIE ALLYN (ローリー・アレン)
PARADISE (MODE 1957年録音)

   Paradiselaurieallyn

モード・レーベルは、短期間の活動であったものの、ウェスト・コースト・ジャズのよいところを録音していて、記憶に残るレーベルです。ヴォーカル作品も、ルーシー・アン・ポーク、ドリス・ドリュー、ジョイ・ブライアンの3枚があります。そこに、同レーベルの倒産によって陽の目をみなかった作品が2004年に米国で復刻されました。それが、ローリー・アレンのParadiseですが、2007年に日本でも発売されて話題となり、その際、僕もCDを購入しました。

ローリー・アレンが、シカゴのクラブで歌っているときに、モード・レーベルのオーナーのレッド・クライドが聴きに来て気に入り録音に至ったもので、録音場所はロスアンジェルスです。編曲は、マーティー・ぺイチが行い、大型コンボやストリングスを使っていて、倒産寸前の会社とは思えぬ豪華なセッションです。伴奏メンバーは、ドン・ファガーキスト(tp)、ピート・カンドリ(tp)、アル・ヴィオラ(g)、メル・ルイス(ds)ら西海岸の一流メンバーが揃っています。

曲は、大部分がスタンダードです。「All I Need is You」、「You Go To My Head」、「Paradise」、「Surry With The Fringe On Top」(飾りのついた四輪馬車)、「Easy Living」、「You Are So Bad For Me」、「The More I See You」、「I'll Never Be The Same」、「So In Love」、「That's What A Woman Is For」、「Where Are You」、「Take Me In Your Arms」の12曲。珍しいのは、「You Are So Bad For Me」で、彼女が親しかった、フラン・ランデスマン(作詞)、トミー・ウルフ(作曲)によるもの。

アレンの甘さの感じられる声の質、声を張り上げない穏やかな歌い方は、女性ヴォーカルの一つの理想といってもいいかもしれません。彼女の感情移入された儚げな歌は、ことにバラードで本領発揮されていて、「You Go To My Head」、「Paradise」、「Take Me In Your Arms」といったストリングス伴奏のものが心に残ります。「Paradise」の出だしは、アル・ヴィオラのギター伴奏だけで歌っていて、密やかな感じがよく、「Take Me In Your Arms」は、別れの歌なので、波止場のシチュエーションに似合いそうです。

【直江津港の光景 2014年5月】    

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ターミナル屋上から北の方向。船が停泊していて港らしい光景です。

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手前左側はフェリー乗り場でしょうか。

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上の写真の拡大版。中部電力の火力発電所があります。

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港の西側です。穏やかな天気でした。

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佐渡汽船のターミナル。この屋上から上記の写真を撮りました。