安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

デヴィッド・ヘイゼルタイン FOR ALL WE KNOW

2015-04-12 10:01:23 | ピアノ

先日、安曇野市からちょっと足を伸ばして岐阜県高山市までいってきました。その街並みの写真などは別にアップしましたが、街中を歩いていて、びっくりしたのは、飛騨牛のアピールが多いことでした。飛騨牛のステーキ、寿司、肉まん、串焼などのお店をみかけました。また、それが実際よく売れていて、飛騨牛はブランドとしてすっかり定着しているようです。高山には久しぶりに行ったのですが、飛騨牛のお店は新しい発見でした。売れていそうなミュージシャンのライブです。

DAVID HAZELTINE (デヴィッド・ヘイゼルタイン)
FOR ALL WE KNOW (SMOKE SESSIONS 2013年録音)

   

デヴィッド・ヘイゼルタイン(p)は、1958年生まれで、多くのリーダー作もあるので、ベテランのピアニストです。けれども、シダー・ウォルトンの後継者といった位置づけもあり、まだまだこれからの活躍が期待できる旬のミュージシャンというイメージを持っています。このアルバムは、ジャズクラブの「スモーク」におけるライブ録音ですが、シダー・ウォルトンへのトリビュートという色彩もあります。

メンバーは、デヴィッド・ヘイゼルタイン(p)、シーマス・ブレイク(ts)、デヴィッド・ウィリアムス(b)、ジョー・ファンズワース(ds)。ヘイゼルタインは、テナー奏者だと、エリック・アレキサンダーと組むことが多いのですが、ここではシーマス・ブレイクと組んでいます。ここでのブレイクの演奏もなかなかよいです。ベースとドラムスは、シダー・ウォルトン・トリオのメンバーであったので、メンバーの点からもウォルトンとの係わりがあります。

曲は、ヘイゼルタインのオリジナルが、「Et Cedra」、「Pooh」、「Lord Walton」、「Eddie Harris」、「A.D. Bossa」の5曲。スタンダードが、「My Ship」、「For All We Know」、「Imagination」、パーカーの「Cheryl」の全9曲。「Et Cedra」と「Lord Walton」は、シダー・ウォルトンを偲んで書かれたものでしょう。ライブなので、1曲の演奏時間が長く、全部で70分近くの収録時間です。

ヘイゼルタイン、ブレイクがなかなかいい演奏を行っています。スローテンポの「For All We Know」は、ことにブレイク(ts)の音色、吹き方が寂しさを募らせて、曲想にあっていて、印象に残ります。「Eddie Harris」は、賑やかで楽しい曲で、ヘイゼルタイン(p)のソロが長いラインを描いて快調。「Imagination」は、ピアノトリオによる演奏で、リラックスしてスイングしています。ファンズワース(ds)の出過ぎず協調したプレイぶりも好ましい。

【高山市の飛騨牛関連のお店】

   

   


高山市内を散策してきました

2015-04-10 21:01:18 | お出かけ・その他

岐阜県の高山市に久しぶりに行ってきました。かつては、仕事の関係もあって、たまに行くこともあったのですが、ここ10年くらいはご無沙汰していました。長野道松本インターを降りたところから、安房峠トンネルを超えて、ちょうど100分くらいです。道はおおむね乾いていて、ノーマルタイヤでも大丈夫でした。

高山駅の近くに車を停めて、駅に行ってみましたが、建て替え中で、駅は仮の建物でした。

   

駅前の「if」珈琲店に入り、軽く昼食をとりました。古い時計のコレクションが壁に飾ってあって、歴史を感じさせるお店です。

   

   

   

まずは、高山陣屋へ行ってみました。観光客が多くいて、写真はそういった人も写ってしまいました。

   

そこから三町伝統的建造物群保存地区へ。古い建物がまとまって残っていて、散策にいい雰囲気なのですが、観光客の多さに驚きました。飲食店、お土産屋など賑わっていました。

   

   

同じく古い街並みが残っている下ニ之町大新町伝統的建造物保存地区へ。こちらも同じ様子でした。また、そこからちょっと外れた場所にも格子戸の古い家が残っていて、情緒があり、感心しました。

   

    

橋の上から撮った街の真ん中を流れる「宮川」です。堤防にそった道で宮川朝市が開かれているようです。

     

普通の商店街も通りましたが、一軒残らずシャッターが下りていなかったのが素晴らしい。飛騨牛を食べさせるレストランや、1951年から続く喫茶店があって、観光がメインでしょうが、商店街に活気がありました。

   

   

アジア、欧米を問わず、外国の方もいました。伝統的な日本のものに憧れるのでしょうか。高山祭の屋台も有名ですが、屋台会館で見たことがあるので、今回は街の中だけにしました。


ミルト・ジャクソン BEAN BAGS

2015-04-08 22:09:31 | ヴァイブ、オルガン他

先日、長野県佐久市の喫茶店「木馬」を訪れました。その時の記事は別に書きましたが、マスターがかけてくれたLPの中に、ミルト・ジャクソンの「BEAN BAGS」があり、コールマン・ホーキンスとの共演がよかったので、帰宅後あらためて聴いてみました。お店でマスターは、このアトランティック盤はなかなかいいよと話してくれて、僕の趣味と似ていそうです。

MILT JACKSON (ミルト・ジャクソン)
BEAN BAGS (ATLANTIC 1958年録音)

    

アトランティックレーベルにおけるミルト・ジャクソン(vib)の録音は、大編成のものから、ジョン・コルトレーンやレイ・チャールズなど大物ミュージシャンと共演したものなどたくさんありますが、それぞれ水準が高く、ホーキンスと共演したこのアルバムもその一枚です。リラックスできる内容なので、疲れた日の夜などに最適です。

メンバーは、ミルト・ジャクソン(vib)、コールマン・ホーキンス(ts)、トミー・フラナガン(p)、ケニー・バレル(g)、エディ・ジョーンズ(b)、コニー・ケイ(ds)。Beanはホーキンスの、Bagsはミルトの愛称なので、このタイトルからすると、和気藹藹ぶりのセッションが想像できます。ピアノが、トミー・フラナガンというのが意外ですが、どのようなスタイルにも対応できるところを買われてのことでしょうか。エディ・ジョーンズはビッグ・トーンなので、ヴォリュームを上げると家の中で響きわたります。

曲はスタンダードが、「Close Your Eyes」、「Don't Take Your Love From Me」、「Get Happy」で、ホーキンスの自作「Stuffy」、ジャクソンの自作「Sandra's Blues」と「Indian Blues」の全6曲。ドリス・デイがアンドレ・プレヴィンの伴奏で歌っている歌唱が思い浮かぶ「Close Your Eyes」や、ミルト・ジャクソン自作の2曲のブルーズがことに楽しみです。

あまり話題になりませんが、密かに愛聴している方が多そうなアルバム。「Close Your Eyes」は、ミドルテンポで、ミルト・ジャクソン(vib)のテーマ、それにからむホーキンス(ts)のオブリガート、そして各人のソロと夢みるようなプレイが続きます。バラードの「Don't Take Your Love From Me」では、ミルト・ジャクソンの名人芸に痺れます。「Sandra's Blues」は、マイナーなブルーズで、こういう曲を演奏するのにうってつけのメンバーぞろいですから、最初から最後まで酔わせてくれます。


木馬 (長野県佐久市)

2015-04-07 19:01:47 | ジャズ喫茶

佐久市に住んでいる友人が、ネットで見たと言って、「木馬」という喫茶店を教えてくれました。まさか、佐久市にジャズを流している喫茶店があるとは思いもよりませんでしたが、さっそく出かけてきました。

   

場所は、佐久市役所の近くです。ちょっと狭い小路を抜けて、お店の横に車を停めました。扉を開けて中へ入りましたが、入ったところで、左上に向かう階段と下に向かう階段があり、地下の方がテーブルが置いてあるなど、喫茶店になっていました。

   

大きなテーブルと小型のテーブルが一つずつ、あとはカウンター席があるという空間で、広い書斎といった感じです。メニューは飲み物だけですが、なかなか落ち着く空間で、自宅にいるような雰囲気です。実際、上の方はご自宅になっているようです。珈琲を注文して、オーディオ機器を見てみました。

   

   

スピーカーは、JBLのL220、プレイヤーは、山水のベルトドライブ、カートリッジはオルトフォンだそうです。アンプはよくわからなかったのですが、ヤマハのものを使っているようです。L220は、見るのも聴くのも初めてでしたが、カートリッジとスピーカーの相性がいいのか、テナー・サックスの音などはかなり魅力的でした。

     

どういうのを聴きますかと、訊ねられたので、ハードバップとヴォーカルが好きだと言ったら、「ジョニー・ハートマンとコルトレーン」、「ミルト・ジャクソンBEAN BAGS」、「The Return of the Pepper」と次々とLPをかけてくれました。どれもよいですが、このころのペッパーは最高です。

   

   

マスターは気さくな方で、少しお話もしました。「木馬」の名前の由来を尋ねたところ、昔、新宿にあった「木馬」に通っていて、その名前をいただいたそうです。佐久に戻ってきて、ジャズを聴けるところがなかったので、自分でこの店を開いたそうです。それ以来、46~47年くらいやっているとのことで、長い歴史をもっています。

   

半地下ですが、上部が開放的なこともあって、長時間いても苦になりません。片隅には、古いカメラのコレクションがあり、そういったものを好きな方も来るのでしょうか。僕が帰ろうとした時に、お客さんが一人おみえになり、常連さんがいるようです。典型的なジャズ喫茶ではありませんが、ジャズを聴くことのできる貴重なお店です。 

【木馬(佐久市)】

住所:佐久市中込3090-1
電話:0267・62・4039
営業:火~土曜 10:00~18:00
定休日:日曜、月曜


ドナルド・バード BYRD JAZZ 

2015-04-05 10:00:15 | トランペット・トロンボーン

先々週の土曜日、数年ぶりに長野市稲葉上千田にある喫茶店「LALALU (ララルー)」に入りました。土曜は、ランチセットがないので、スパゲッティを頼み、食後に珈琲も付けてもらいました。ハンバーグやオムライス、スパゲッティなどメニューは豊富で、洋食屋といってもおかしくありません。気軽に使えて、読書にも向いていたので、飯田市に単身赴任する時までは、たまに寄っていました。久しぶりに懐かしいアルバムを。

DONALD BYRD (ドナルド・バード)
BYRD JAZZ Transition 1955年録音)

   

トランジションに録音されたドナルド・バード(tp)の初リーダー作です。トランジションには3枚のバードのアルバムがありますが、これだけ権利がデルマーク・レーベルに売り渡されていたので、なかなか再発されずにいたものです。僕のものは、日本のノーマレーベルから出されたLPですが、現在はCDがフレッシュ・サウンドレーベルから発売されているので、容易に手に入ります。

デトロイトの「New World Stage」というクラブでライブ録音されたもので、メンバーも同地で活動している人です。ドナルド・バード(tp)、ユセフ・ラティーフ(ts)、ベルナ―ド・マッキーニ(ユーフォニウム)、バリー・ハリス(p)、アルヴィン・ジャクソン(b)、フランク・ガント(ds)。ユーフォニウムが加わってライブに臨んでいるのはユニークです。会場からは拍手や歓声が上がり、熱気が感じられます。

曲は、「Parisian Thoroughfare」、「Yusef」、「Shw Nuff」、「Blues Walk」、「Torsion Level」、「Woody'n You」、「Dancing in The Dark」 。パウエル作の「Parisian THroughfare」やクリフォード・ブラウン作の「Blues Walk」を演奏していて、バードがクリフォード・ブラウンに傾倒していたことがわかる選曲です。 「Yusef」はユゼフ・ラティーフ作のバラードで、彼のフューチャーナンバーです。

ドナルド・バード(tp)の若々しいプレイが楽しめます。「Parisian Thoroughfare」と「Blues Walk」では、バード(tp)のプレイにクリフォード・ブラウンを想い出し、ユーゼフ・ラティーフ(ts)のソロもよく歌っています。バラードの「Yusef」では、ラティーフ(ts)が堂々としたグルーヴ感いっぱいのプレイをしています。サウンドにまとまりがあり、各人のソロも聴きごたえのある「Dancing in The Dark」でライブは幕を閉じます。バリー・ハリス(p)は、既にスタイルが確立しているかのようで、落ち着いたプレイぶりです。

【喫茶店ララルー】

住所:長野市稲葉上千田314-1 
電話:026-224-3720
営業: 平日11時~21(LO20時)、土曜日11時~14時(LO13時30分)
定休日:日曜日祝日

   

大きな看板はなく、知らなければ通り過ぎてしまうような外観です。

   

   

   

珈琲が、サーバーにも入ってきて、サービスがよかった。