安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

ミルト・ジャクソン BEAN BAGS

2015-04-08 22:09:31 | ヴァイブ、オルガン他

先日、長野県佐久市の喫茶店「木馬」を訪れました。その時の記事は別に書きましたが、マスターがかけてくれたLPの中に、ミルト・ジャクソンの「BEAN BAGS」があり、コールマン・ホーキンスとの共演がよかったので、帰宅後あらためて聴いてみました。お店でマスターは、このアトランティック盤はなかなかいいよと話してくれて、僕の趣味と似ていそうです。

MILT JACKSON (ミルト・ジャクソン)
BEAN BAGS (ATLANTIC 1958年録音)

    

アトランティックレーベルにおけるミルト・ジャクソン(vib)の録音は、大編成のものから、ジョン・コルトレーンやレイ・チャールズなど大物ミュージシャンと共演したものなどたくさんありますが、それぞれ水準が高く、ホーキンスと共演したこのアルバムもその一枚です。リラックスできる内容なので、疲れた日の夜などに最適です。

メンバーは、ミルト・ジャクソン(vib)、コールマン・ホーキンス(ts)、トミー・フラナガン(p)、ケニー・バレル(g)、エディ・ジョーンズ(b)、コニー・ケイ(ds)。Beanはホーキンスの、Bagsはミルトの愛称なので、このタイトルからすると、和気藹藹ぶりのセッションが想像できます。ピアノが、トミー・フラナガンというのが意外ですが、どのようなスタイルにも対応できるところを買われてのことでしょうか。エディ・ジョーンズはビッグ・トーンなので、ヴォリュームを上げると家の中で響きわたります。

曲はスタンダードが、「Close Your Eyes」、「Don't Take Your Love From Me」、「Get Happy」で、ホーキンスの自作「Stuffy」、ジャクソンの自作「Sandra's Blues」と「Indian Blues」の全6曲。ドリス・デイがアンドレ・プレヴィンの伴奏で歌っている歌唱が思い浮かぶ「Close Your Eyes」や、ミルト・ジャクソン自作の2曲のブルーズがことに楽しみです。

あまり話題になりませんが、密かに愛聴している方が多そうなアルバム。「Close Your Eyes」は、ミドルテンポで、ミルト・ジャクソン(vib)のテーマ、それにからむホーキンス(ts)のオブリガート、そして各人のソロと夢みるようなプレイが続きます。バラードの「Don't Take Your Love From Me」では、ミルト・ジャクソンの名人芸に痺れます。「Sandra's Blues」は、マイナーなブルーズで、こういう曲を演奏するのにうってつけのメンバーぞろいですから、最初から最後まで酔わせてくれます。