家訓は「遊」

幸せの瞬間を見逃さない今昔事件簿

88歳伯父の決心

2010-01-06 12:27:59 | Weblog
母と伯父(母の兄)を叔母(母の妹)のところに連れて行った。

叔母は部屋のドアを開けたとたん嬉しくて「待ってました」と言った。

老人たちの仕草は、まるで子供の仕草のようだ。

今年88歳になる伯父は自分の母親の亡くなった年齢に達したことを意識して過ごすと言った。

そして「動」を意識するとも言う。

「動は動くという字のドウだよ」と説明する。

人に迷惑をかけないように、また楽しく生きるには「動」しかないと。

口先ではなく体で動くことだと。

お供え餅をあげようと思ったら床の間が掃除してなかった。

そして地の神様も掃除してなかった。

その度に亡くなった妻のことを思い出し「あぁ、よくやってくれていたんだなぁ」という思いに至ると言った。


リンゴを食べようと思った。

だが妻の膝で麿君がスヤスヤと眠っている。

久しぶりに私がリンゴの皮を剥くことになった。

縦に切ろうと力を入れたらテーブルにまで包丁が達しで「カチン」と音を立てた。

「ああー恐い」と妻。

半分を、もう半分にして皮を剥いていた。

ある拍子にリンゴを床に落とした。

「大丈夫?」と妻。

でも剥き方はいいねと言っておいしく食べた。


伯父は事あるごとに妻を思い出すように私も私のできることが家庭内にもたくさんある事に気付いた。