家訓は「遊」

幸せの瞬間を見逃さない今昔事件簿

ヅル取り

2010-01-09 09:32:27 | Weblog
春野町では蔓(ツル)のことをヅルと言う。

ツル類は、どの木にも絡まっていると言っていいほど多く見られる。

ツタやアケビ、フジなどが勢いよく木を登っている姿をよく見る。

絡まりつきが強くて樹木そのものを絞め殺してしまうような場合もある。

ツルは樹木の発育の妨げになるため根元を切って外す。

長い物は20メートル以上もあり根元の太さは直径3 4センチもある。

ナタで根元を切って引っ張る。

下から徐々に外れてゆき中ほどが取れると、あとは一気に落ちてくる。

ツルが巻き付いていた痕は、カサブタの外れた後のようにきれいな肌が現われる。

樹木が健康を取り戻してくれたような気になる。

ツル類は取り外しても再び芽を出し木に絡まりつく。

定期的に取り払う必要があるが、この根性は見習うべきものだと思える。

切り株にも絡まっている。

ただ大きくなっていこうにも本体の上は切り倒されているのだから行けるはずもない。

切り株の上で混乱しているように絡まっている。

生まれた場所が悪かった。

運が悪かったね。

そのツルも切って外してみると樹木の皮がそっくり外れてくる。

外からは見られなかった世界が現われる。

中は蟻類のエサになったのだろうか空洞になっているところもある。

土に返る直前の段階にも役に立っているのだなぁと思う。