家訓は「遊」

幸せの瞬間を見逃さない今昔事件簿

ミモザ

2010-02-07 09:11:52 | Weblog
気温が低く風も強いこの日に本来なら四国に行くはずだった。

四国の相手が「忙しいから」ということで行かなくなった。

行く気になっていたのが行かなくなって気楽になると同時に手持ち無沙汰のような感覚になった。

それではと妻の友人に会いに甲府まで行こうということになった。

ところが寒波のせいで、それも中止になった。

いつも通り春野に行くのでは面白くない。

植木屋さんをのぞいてから行くことにした。

柑橘類の苗が欲しいと思った。

楽しみ方としては花もあるが実を付ける物もいいなと思っていた。

だがいざ、その柑橘類コーナーをみても「これだ」という物は見つからない。

「何か買ってって」とあからさまな言葉を投げかけたおばさんがいた。

妻が「ミモザある?」と聞いた。

おばさんは頭の中で何かを探してから

「有るよ。アカシアだね」

と言ってスタスタと歩き始めた。

付いておいでとは言われなかったが付いて行った。

同じような植木がいっぱい並んでいる中に入っていって二本の苗木を提げて出てきた。

「これだよ」と言う。

「花芽も、こんなにあるで、咲くよ」と言う。

1本1000円也。

以前から欲しかったミモザだ。

「1本もらうよ」と言うと

「2本買ってって」と言うので妻が「安くしてくれる?」と聞く。

「本当は1本1500円を1000円で売ってるもんでね」と言う。

この寒空に客の姿は少ない。

「800円でいいよ」とおばさんは状況を読み決断した。

「じゃぁ2本で1600円でいいの?」と妻。

「いいよ」とおばさんは腹を括った。

柑橘類のはずがミモザになり他にも見たいという計画を寒いからという理由で割愛して車の中に逃げ込んだ。

春野に持って行き植える場所を考えた。

大きくなる木だからということを考慮に入れて2本を少し放して斜面の上と下に分けて植えた。

楽しみ方として、この春は実を付けない黄色の花にした。