家訓は「遊」

幸せの瞬間を見逃さない今昔事件簿

富士箱根伊豆車狂クラブミーティング

2010-02-15 10:07:59 | Weblog
土曜日の浜松はポカポカ陽気で少し暑いくらいであった。

モーガンで出かけるには最高の日和だった。

それでも高速道路を走るのでジャケットは着て出た。

走り始めてすぐに雲が厚くなり寒くなった。

トイレを済ませて厚手のジャケットに着替えた。

沼津で雨が降り出してきた。

外してあったワイパーを取り付け簡単な屋根を付けて走った。

中伊豆にある旅館月ヶ瀬に到着した時にはモーガンにシートを被せておいたほうがよさそうだと判断した。

今日の集まりには高橋国光氏がゲストでいらっしゃった。

あまりレースに詳しくない、というよりほとんど知らない私でも知っている有名人だ。

私以外は皆さん高橋氏のことは本人以上によく知っている感じで私には少し場違いのような、もったいないような話だった。

私の関心はレース内容とは関係のない彼の心の動きのようなものだ。

夕食時に質問をさせていただいた。

「レースで人と順位を争っているとき自信が必要だと思いますが自信過剰になってしまう限界というのはどんなときなのでしょうか?」

高橋氏は静かに

「人と争いません。自分の経験不足があったり読みが甘かったりすると失敗します」

と答えた。

どんな質問にも真剣に丁寧に答えられる姿は、時速300キロ超の世界で活躍していた人物とは思えないほどクールであった。

事故を起こした選手を優勝直前であったにもかかわらず車を停止させて救出しに行ったという逸話があるらしい。

己のみの孤独な世界にいても常にレースという仲間の中にいるという冷静さを欠かさない。

コンマ何秒の世界で自分と戦ってきた偉人のすごさが垣間見えた。

数々残した結果は彼が本物である事を証明している。

だが何の結果も出していない誰にでも才能があり、それを見つけ出すのは運だと言って我々を慰めてくれた。

彼のことを予習していかなかった自分を恥ずかしく思った。