家訓は「遊」

幸せの瞬間を見逃さない今昔事件簿

タマムシ

2012-08-10 07:44:39 | Weblog
春野で作業していたら緑色に輝く飛翔体を発見した。

作業の手を止めて、その行方を追った。

一旦は見失ったが再び発見し今度は降りた場所を突き止めた。

カメラを持って近づく。

私が割って干した樫の木の薪の辺りをウロウロ歩き回っている。

タマムシだ。

カメラを近づけても、おかまいなしに動き回る。

時々止まるので接写する。

なんとも美しい光沢だ。

この美が死後も続くというのだから素晴らしいではないか。

法隆寺にある宝物「玉虫厨子」の装飾として使われているということは学校で習った。

ケヤキなどの葉を食べているという。

こんなにきれいな虫が食べるなら我が家にあるケヤキを「どうぞ思う存分お食べください」と言いたくなる。

似た形の黒い奴らは彼ら用の致死毒スプレーが発売されているし姿を現したトタンに「バチン」と叩かれる。

美しいということは生き延び易いと思うのだがタマムシは、めったに見かけない代わりに黒い奴らはよく見かける。

こんなに美しくても台所辺りをうろつく生活だったら、やはり「タマムシジェット」などという必殺スプレーが売り出されるのだろうか。

それとも「これの羽は金になるぜ」と乱獲するのだろうか。

もしくは養殖して安価に売りさばく企業が就職したい企業ナンバーワンになるのだろうか。

「頼むから人間に近づかないでね」と輝く個体が飛び去る前に私の方が、その場を離れた。