ヤマボウシは実の色を緑から薄い山吹色に変えて更に赤に近いピンクに変える。
こうなると食べごろだ。
その食べごろは誰にとっても。
例年一つ二つ口に入れて、その淡い甘さと酸味を味わう程度だった。
今年は違う。
ヤマボウシ酒というものを造ってみることにした。
大雨が降った後には大量のヤマボウシの実が落ちている。
それを拾う。
既に虫やアリに食われて穴が空いているものが多い。
一瞬で判別してさっさとカゴに入れていく。
木になっているもので赤く色づいているものを取ろうとした。
まずい。
ハチが先客だった。
ヤマボウシの実に穴をあけて、その穴の中に入り込んで食っている。
だが外敵が来たことは分かるようだ。
私がヤマボウシに近づくと空中に舞い上がり「近づくな」という意思表示をする。
私は先日痛い目にあっているので素直に引き下がる。
他の蝶や弱い小動物たちも、そうしている。
地面に落ちたヤマボウシの実を食べているハチの横を通ったら威嚇された。
相手がその気なら人間として許さない。
ハチ用エアゾールで対処した。
奴が気づかないギリギリの所まで近寄り直接体に向けて噴霧してやった。
砂利がずれるほどエアゾールの勢いは強い。
奴は全身に薬を浴びたはずだ。
しかししぶとい奴だ。
そのまま何事もなかったかのように飛び去った。
さてそのように小競り合いをして集めたヤマボウシの実は洗って干し専用ビンに入れる。
その上に氷砂糖を入れて、いよいよ焼酎を投入する。
ヤマボウシと氷砂糖の隙間にみるみる浸透する焼酎。
これがやがて良い色に変わり口当たりもさわやかになればハチに遠慮しその後エアゾールを噴霧するほど激高した私の心も穏やかになるというものだ。
まだまだ時間がかかるところがもどかしいが、それが楽しくもある。
忘れたころ「そうだ。これがあった」と冷暗所から引っ張り出してくる。
グラスに氷を入れて、この液体を注ぎその完成度を舌で試す。
その未来の自分を想像して、もう嬉しくなった。
こうなると食べごろだ。
その食べごろは誰にとっても。
例年一つ二つ口に入れて、その淡い甘さと酸味を味わう程度だった。
今年は違う。
ヤマボウシ酒というものを造ってみることにした。
大雨が降った後には大量のヤマボウシの実が落ちている。
それを拾う。
既に虫やアリに食われて穴が空いているものが多い。
一瞬で判別してさっさとカゴに入れていく。
木になっているもので赤く色づいているものを取ろうとした。
まずい。
ハチが先客だった。
ヤマボウシの実に穴をあけて、その穴の中に入り込んで食っている。
だが外敵が来たことは分かるようだ。
私がヤマボウシに近づくと空中に舞い上がり「近づくな」という意思表示をする。
私は先日痛い目にあっているので素直に引き下がる。
他の蝶や弱い小動物たちも、そうしている。
地面に落ちたヤマボウシの実を食べているハチの横を通ったら威嚇された。
相手がその気なら人間として許さない。
ハチ用エアゾールで対処した。
奴が気づかないギリギリの所まで近寄り直接体に向けて噴霧してやった。
砂利がずれるほどエアゾールの勢いは強い。
奴は全身に薬を浴びたはずだ。
しかししぶとい奴だ。
そのまま何事もなかったかのように飛び去った。
さてそのように小競り合いをして集めたヤマボウシの実は洗って干し専用ビンに入れる。
その上に氷砂糖を入れて、いよいよ焼酎を投入する。
ヤマボウシと氷砂糖の隙間にみるみる浸透する焼酎。
これがやがて良い色に変わり口当たりもさわやかになればハチに遠慮しその後エアゾールを噴霧するほど激高した私の心も穏やかになるというものだ。
まだまだ時間がかかるところがもどかしいが、それが楽しくもある。
忘れたころ「そうだ。これがあった」と冷暗所から引っ張り出してくる。
グラスに氷を入れて、この液体を注ぎその完成度を舌で試す。
その未来の自分を想像して、もう嬉しくなった。