家訓は「遊」

幸せの瞬間を見逃さない今昔事件簿

タマムシ

2012-08-10 07:44:39 | Weblog
春野で作業していたら緑色に輝く飛翔体を発見した。

作業の手を止めて、その行方を追った。

一旦は見失ったが再び発見し今度は降りた場所を突き止めた。

カメラを持って近づく。

私が割って干した樫の木の薪の辺りをウロウロ歩き回っている。

タマムシだ。

カメラを近づけても、おかまいなしに動き回る。

時々止まるので接写する。

なんとも美しい光沢だ。

この美が死後も続くというのだから素晴らしいではないか。

法隆寺にある宝物「玉虫厨子」の装飾として使われているということは学校で習った。

ケヤキなどの葉を食べているという。

こんなにきれいな虫が食べるなら我が家にあるケヤキを「どうぞ思う存分お食べください」と言いたくなる。

似た形の黒い奴らは彼ら用の致死毒スプレーが発売されているし姿を現したトタンに「バチン」と叩かれる。

美しいということは生き延び易いと思うのだがタマムシは、めったに見かけない代わりに黒い奴らはよく見かける。

こんなに美しくても台所辺りをうろつく生活だったら、やはり「タマムシジェット」などという必殺スプレーが売り出されるのだろうか。

それとも「これの羽は金になるぜ」と乱獲するのだろうか。

もしくは養殖して安価に売りさばく企業が就職したい企業ナンバーワンになるのだろうか。

「頼むから人間に近づかないでね」と輝く個体が飛び去る前に私の方が、その場を離れた。


新しいヘルスメーター

2012-08-08 08:30:15 | Weblog
優に100以上ある中からデザインが気に入って決めた。

強化ガラスで出来ている本体は清潔感がある。

こんな小さな機器でも初期設定がある。

説明書を片手に年齢・性別・身長など妻の分まで登録する。

さてスイッチを入れて機器の上に乗るのは同じだ。

今までの物は体重と体脂肪率が表示された。

今回の物は、その他に水分量・筋肉量・基礎代謝量・骨量が表示される。

それらが2回ほど画面に浮き上がって消える。

その間に書き取らなくてはいけないのでメモと筆記用具と老眼鏡を用意してから乗ることになる。

体重と体脂肪率の二つだけなら記憶できたのだが6項目となると覚えきれない。

毎日朝と夜のこれらのデータをパソコンに入力しているのだが項目が増えた分書き込むマスを増設するのもタイヘンだった。

大して変化のないこれらの数字から何を読み取るのかは、その人の知識によるものが大きい。

それらの数字の意味するところの知識のほとんどない私は説明書の巻末にある「参考基準表」という各項目別に集計された数字と見比べるのみだ。

年齢と性別を確かめて自分の数字と表に書かれた数字を比べる。

13~16未満は、やや細い16~24未満は標準24~29未満は、やや肥満などというアバウトな言葉で数字の範囲を括ってある。

はっきり出た数字に対して答えはイイカゲン。

「年齢相応かな?」

と私も漠然とした答えを出した。

その答えに喜ぶでもなく悲しむのでもない。

約60年間使用したこの身体が、まだ使用可能なのであろうと推測する。

けっこうけっこう。

そんなもんでけっこう。

次々と壊れる

2012-08-06 07:34:40 | Weblog
このところ毎日何かが壊れる。

「ちょっとポットが変だから見て」

妻の言葉を聞いて台所へ。

沸かしたお湯を溜めておくだけの機能のエアーポット。

取っ手を押すと「スカスカ」という音は漏れてくるが、いっこうに湯が出ない。

ポットを水道の蛇口の下に置きフタの上に少しだけ水を掛けながら作動させるとフタの上のあちこちから泡を出した。

あきらかに空気漏れだからパッキンを交換する必要がある。

ところが、もう10年以上も使用しているためパッキンの交換だけでは済まない状況も見つけた。

妻に実験を見せて「買い換える必要がある」と説明した。

ネットで購入し宅配を待った。

翌日朝ヘルスメーターがスイッチを入れても応答がない。

電池を入れ換えても同じだ。

これもネットで購入した。

翌日メイトで使いに出るとウインカーも出ないしクラクションも鳴らない。

帰宅して充電しようとしたが充電が始まらない。

このバッテリーも買い替えた。

次の日から次々と購入した物が届き始めた。

「何か壊れそう」という気持ちでビクビクしながら春野に行った。

夕方シャワーに入ろうとした。

レバーをひねっても湯が出ない。

しかたなく、もう一度パンツだけを穿き外のボイラーを点検した。

赤ランプが点滅してガスの燃焼する音が聞こえない。

「やっちまった。こっちも壊れ始めた」

ドアもキチンと閉まらなくなっている。

翌朝明るい所でボイラーを見た。

コンセントを一旦外して挿し直しをしてみた。

すると「ゴオー」という音と共に湯が出てきた。

「よかった。壊れていなかった」

続いて玄関ドア。

ラッチの部分を指で押し込み隙間を見ると、ほこりが溜まっている。

先の細いマイナスドライバーでつついた後そのほこりを掃除機で吸い込んだ。

すると嘘のように柔らかくなり「シュン」という音と共に静かに閉まるようになった。

「よしこれもOKだ」

壊れるのは、もう終わりにしてよ。