第2772回などで取り上げたキャパシタの話題を久し振りに見つけました。今度は日本じゃなく海外の話題です。
「5分の充電で800km」新キャパシタ電気自動車 Charlie Sorrel 2007年09月07日
米IBM社の元社員らが率いる米EEStor社(テキサス州)は、バッテリー技術の世界に、長らく待望されていた革命を起こそうとしている。
同社のバッテリーはキャパシタを利用しており、電気自動車の走行距離を、5分間の充電で約800キロメートルが可能になるよう飛躍的に増加させることができるという。
従来のバッテリーは、電気エネルギーを化学エネルギーに変換して蓄え、再び電気エネルギーに変換して使っている。この変換過程に時間がかかるのが、バッテリーの充電が、場合によっては何時間もかかる理由だ。
その点キャパシタは、エネルギーを電荷として、絶縁された2枚の金属板の間に蓄える。言わば静電気が今にも放電しそうな状態にするのだ。
最近までは、金属板の絶縁に限界があるため、蓄電できる量はごくわずかだった。金属板の間で電気が「漏れ」ると、バッテリーの放電が起こる。
では長所は何かというと、短時間で充電ができることだ(それに、放電が速いことも、用途によっては長所となりうる。カメラのフラッシュなどがその例で、現在でも既にキャパシタが使われている)。
EEStor社は絶縁体にチタン酸バリウムを用いており、エネルギー密度を通常のバッテリーの10倍にできると発表している。
この技術は今年中にも実用化され、まずはEEStor社に出資を行なっているカナダのZENN Motor社の電気自動車で使用される。
AP通信の記事「テキサスの新興企業、バッテリーに替わる新技術を発表」から、ZENN社のIan Clifford最高経営責任者(CEO)の言葉を引用する。
電気自動車業界のアキレス腱は、エネルギーの貯蔵だった。間違いなく、これによって内燃機関は不要になる。
これが身近な携帯機器に搭載される日が待ちきれない。『Consumer Electronics Show』(CES)のような大規模展示会に行っても、コンセントの前に行列を作らなくて済む。少なくとも、「一瞬だけコンセントを使わせてもらっていいですか?」という言葉が、文字通りのものになるわけだ。
[日本語版編集部注:AP通信の記事によると、この技術では通常のコンセントは使えない。非常に高い電圧をかけることが必要(Maxwell Technologies社の技術と比べた場合、10倍の電圧が必要。)]
キャパシターの話題もこうやって時々は出てきますが、太陽電池と同じで実際に物になるのはまだまだ先のようですし、どれが本当に物になるのかも分からないところがあります。
しかしながら、日本の株式会社パワーシステムや日本電子も何時か物にしてくれると期待はして待っているのですが、なかなか良いニュースは聞けません。
それでも、こうやって世界中で諦めずに開発していれば何時かは画期的な成果が出ることもあるのじゃないでしょうか。
兎に角、キャパシタが本物になれば世界のエネルギー事情は全く変わるはずです。太陽光発電だって夜に利用することも出来るのですから弱点は一気に解決です。そうなれば、分散型のエネルギーで各家庭のエネルギーをまかなうことは夢じゃなくなります。
早く、どこかが開発してくれないでしょうか!