太陽光発電とバッテリーこそが未来の日本のエ ネルギーを救うのじゃないかと何度も書いてきましたが、まだまだコストでのブレークスルーが無いので決め手にはならない 状態が続いています。
出来ることなら、日本の開発で達成してもらいたいと期待しているのですが、やはり、そう簡単なことではないようで す。
とは言いながら、日本の真面目な研究者達が新しい開発をコツコツと進めてくれているようです。そんな記事が何件もあ りました。
相変わらず技術的なことは私の頭では付いて行けないので、取りあえず取り上げておきますので、興味のある方は読んで ください。
スマートジャパ ンより 2015年06月15日
太 陽電池や人工光合成を高効率化する“世界初”の技術、九州大が開発
九州大学の研究チームは、低エネルギーの光を高エネルギーの光に変換するフォトン・アップコンバージョン技術の実現 に必要な分子組織体の開発に世界で 初めて成功した。太陽電池や人工光合成の効率を高めるための画期的な方法論になることが期待される。 [長町基,スマー トジャパン]
九州大学大学院工学研究院/分子システム科学センター(CMS)の君塚信夫主幹教授・センター長と楊井伸浩助教授ら の研究グループは、フォトン・アップコンバージョン技術の実用化に必要な分子組織体を世界で初めて開発した。
フォトン・アップコンバージョンとは、これまで利用できなかった低エネルギーの光を高エネルギーの光に変換する技術 で、太陽電池や人工光合成の効率を飛躍的に向上するなどの再生可能エネルギー技術への応用が期待される。
太陽エネルギーの約半分は近赤外光で占められているものの、近赤外光はエネルギーが低いためこれまでの太陽電池では 有効活用することが難しかった。また 太陽エネルギーから水素を生みだす次世代技術として期待されている人工光合成では、可視光を効率よく利用することは難し いとされていた。このように従来の 太陽光エネルギーの利用技術では、利用できる光の波長範囲が限られるという大きな問題があった。
この問題を解決する可能性があるのが、フォトン・アップコンバージョンというエネルギー創成技術である。低いエネル ギーの光を高いエネルギーの光に変換することで、これまで使えなかった光も利用できるようになる。
フォトン・アップコンバージョンにはさまざまな機構があるが、中でもレーザーのような強力な光を用いず、太陽光程度 の弱い光をアップコンバージョンでき る「三重項-三重項消滅(triplet-triplet annihilation: TTA)」を経る機構が注目されており、世界中で研究が進められている。しかしそのTTAを用いたアップコンバージョンの研究分野では、太陽光のような弱 い光でも機能し、空気中で安定、かつ高効率という理想的なメカニズムの構築は困難だった。
今回、同研究グループは、分子の自己組織化を用いるという全く新しいアプローチにより、理想的なアップコンバージョ ンメカニズムの構築に成功した(図 1)。その研究成果をもとに、フォトン・アップコンバージョンを示す自己組織化分子システムを世界で初めて開発し、その 量子収率が30%と極めて高いこと を明らかにした(2つの光子を1つの光子に変換する過程のため、理論上の最大効率は50%)。
図1 三重項―三重項消滅機構によるフォトンアップコンバージョンの仕組み 出典:九州大学
今回開発したアップコンバージョン能を有する分子組織体は、高効率で、太陽光程度の弱い光(低励起光強度)でも機能 し、空気中でも安定なアップコンバー ジョン発光を示す理想的なものだ。学術的だけでなく産業的にも大きな波及効果をもたらす成果となっている。また、ゲルや 薄膜といったさまざまな形態の材料 に展開可能であるため、折り曲げたり伸ばしたりできるフレキシブルなデバイスの基盤材料としても期待される。
将来的に近赤外光を可視光に、また可視光を紫外光にと、より大きなエネルギーの光に変換する色素系へと応用すれば、 太陽電池や人工光合成の効率を高めるための画期的な方法論になることが期待される。
スマートジャパ ンより 2015年06月16日
容 量密度は黒鉛の4.4倍、水素化マグネシウムを使った全固体二次電池の負極材を開発
広島大学の研究グループは、全固体リチウムイオン二次電池の負極材料として水素化マグネシウム、固体電解質として水 素化ホウ素リチウムを利用し、高い性能が得られることを発見した。[三島一孝,スマートジャパン]
電気自動車や電力の安定化などの用途が拡大していることなどから、二次電池の高機能化や低価格化は大きな注目を集め ている。新エネルギー・産業技術総合 開発機構(NEDO)が2013年に発表した二次電池技術開発ロードマップ(図1)では、二次電池そのものの性能目標だ けでなく、二次電池を構成するさま ざまな部材に対して技術開発目標が掲げられている。
図 1:NEDOの二次電池技術開発ロードマップにおける「リチウム二次電池の正極と負極の組み合わせ」(ク リックで拡大)※出典:NEDO
電池は主に正極、負極、電解質から構成され、二次電池の性能進化には、これらの材料開発が重要になっている。リチウ ムイオン二次電池については、多くの 新素材が活用されつつある正極材や電解質などに対し、負極材料はいまだに多くが黒鉛(グラファイト)を利用している。黒 鉛の容量密度は1kg(キログラ ム)当たり約370Ah(アンペア時)とされており、二次電池の高容量化のためには、この容量を大きく向上させる必要が ある。
注目を集める「水素化物」
そこで注目されているのが「水素化物」だ。水素化物を負極に用いた電極についてはフランスの研究グループが2008 年に国際学術誌「Nature Materials」に発表しており、水素化マグネシウムを利用した場合、黒鉛の約5倍の容量を達成可能だということが明らかになっている。一方、水素化 ホウ素リチウムは、水素化マグネシウムと複合化することで、固体材料であるにもかかわらず高いエントロピー状態(無秩序 な状態、電気の流れが発生しやすい 状況)を取ることが発表されている。
水素化マグネシウムと水素化ホウ素リチウムは高容量の水素貯蔵材料としても注目されている。ただ、水素化マグネシウ ムについては、リチウム二次電池負極材料として活用しようとした場合、充放電サイクルによる容量の低下と充放電時の電圧 差が問題とされてきた。
例えば、初期の充放電では1kg当たり1500Ah程度の容量を示していたが、20回程度の繰り返しで1kg当たり 500Ah程度まで容量が低下するこ とが確認されている。分極(充電時と放電時の電圧の差)についても、0.4V程度となることが報告されており、リチウム イオン二次電池として使用するのは 十分ではないと判断されてきた。
「コンバージョン反応」の充放電反応を改良
そこで、広島大学の研究グル―プでは、水素化マグネシウムにおけるこれらの問題解決を目指し研究に取り組み、「コン バージョン反応」と呼ばれる充放電反応を改良することで、高い性能を発揮する全固体型リチウムイオン二次電池の負極材料 を開発することに成功した。
研究グループは、広島大学大学院 総合科学研究科 准教授の市川貴之氏を中心とし、同大学 先進機能物質研究センターの特任助教 曾亮氏、教授の小島由継氏、同大学大学院 先端物質科学研究科 博士課程3年の川人浩司氏、同大学サステナブル・ディベロップメント実践研究センターの特任講師 宮岡裕樹氏との共同研究によるものだ。
今回の研究で採用した評価セルの模式図は図2の通りだ。
図 2:負極特性評価セルの模式図 ※出典:広島大学
対極のリチウムと負極材料である水素化マグネシウム(MgH2)は固体電解質である水素化ホウ素リチウムをはさんで 配置。充放電反応は以下の反応式となる。
MgH2 + 2Li+ + 2e- ⇔ Mg + 2LiH
この反応では、理論的に1kg当たり2000Ahの容量を示すことが期待されており、以前にも1kg当たり 1480Ah程度の初回充放電試験を実現したことがあるという。ただ、充放電サイクルを繰り返すごとに容量が劇的に低下 する問題を解決できなかったという。
今回の研究では、これまで有機溶媒を利用した一般的な構成ではなく、固体電解質(水素化ホウ素リチウム)を用いるこ とで高温での特性評価を実現した。ま た、水素化マグネシウムと水素化ホウ素リチウムを複合化することで電極合材を作り、充放電サイクルを繰り返しても容量劣 化が少なく、充電電位と放電電位の 差が小さい電池セルを組み上げることに成功した。
これにより、水素化マグネシウムという新しく高容量が期待される負極材料を用い、固体電解質として水素化ホウ素リチ ウムを利用することで、分極電圧が低く、高い容量を示し、120度という高温でも劣化の少ない電池材料の開発を実現した (図3)。
図 3:従来材料と新規材料の比較 ※出典:広島大学
今後は水素化マグネシウムに合う正極材の開発へ
現在注目されている二次電池には、モバイル機器や電気自動車に使われるリチウム電池と、太陽電池の出力平準化用途と して期待されているNaS(ナトリウム硫黄)電池がある。リチウムイオン電池は80度以下の低温、NaS電池は200度 以上の高温で利用される。
今回の研究の全固体型電池は、液体ではなく120度程度の温度の固体状態で動作するため、安全性が高く、リチウムイ オンが伝導するために高い出力を実現 する。さらに、これまででは難しかった高いサイクル性能を示し、充放電時の電圧差が低いという特徴を持つ。また、現在利 用されているリチウムイオン電池の 負極材料である黒鉛と比べると数倍の容量を示すため、より高性能な家庭用蓄電池を製品化できる可能性が生まれる。
今回の研究ではまだリチウム二次電池の要素技術を示したもので、実際の二次電池へと発展するためには、この負極材料 と相性の良い正極材料を選定する必 要がある。今後は、最適な正極材料を選出し、二次電池として最適な性能が得られるように研究開発を進めていくとしてい る。
ITmediaより 2015年06月19日
カー ボンナノチューブで変換効率6%の有機薄膜太陽電池を開発、インジウムが不要に
東大の研究グループは、レアメタルの「インジウム」を含まないカーボンナノチューブ有機薄膜太陽電池の開発に成功し た。将来的に太陽電池の低コスト化や太陽エネルギーの利用拡大に役立つことが期待される。
[長町基,スマートジャパン]
東京大学大学院理学系研究科の松尾豊特任教授、工学系研究科の丸山茂夫教授らの研究グループは、カーボンナノチュー ブを有機薄膜太陽電池の透明電極とし て用いるための方法論を確立。レアメタルである「インジウム」を用いない有機薄膜太陽電池のエネルギー変換効率を向上さ せた他、カーボンナノチューブ薄膜 の柔軟性を生かしたフレキシブルな太陽電池の開発に成功した(図1)。
図 1:開発に成功したカーボンナノチューブ透明電極とアルミニウム裏面電極による“曲がる”有機薄膜太陽電池 出典:東京大学
レアメタルを使わず供給を安定化
有機系太陽電池は低エネルギー製造プロセスにより将来的に安価に製造されることが見込まれる新しい太陽電池で、世界 中で活発に研究開発が行われている(関 連記事)。
エネルギー変換効率や耐久性など解決すべき問題がまだあるものの、近年有機系太陽電池の一種である有機薄膜太陽電池 ではエネルギー変換効率が10%を突 破。同様に有機金属ペロブスカイト太陽電池では、エネルギー変換効率が20%を超えており、無機系の太陽電池であるアモ ルファスシリコン太陽電池や多結晶 シリコン太陽電池と同等の性能が得られるようになってきている(関 連記事)。
有機薄膜太陽電池の透明電極には酸化インジウムスズが用いられるケースが多い。しかし、将来的に有機系太陽電池を大 量生産する場合、レアメタルであるイ ンジウムは需要に対して供給量が逼迫(ひっぱく)するリスクがある。一方、カーボンナノチューブは元素としては供給の制 約を受けない炭素で作られ、優れた 電荷輸送特性、化学的安定性、機械的安定性および柔軟性を併せ持つことから太陽電池の電極材料として用いられることが期 待される。
ただ、カーボンナノチューブを用いた有機系太陽電池の研究開発はこれまでも行われてきたものの、カーボンナノチュー ブ薄膜を透明電極として用いた有機薄膜太陽電池の変換効率は2%にとどまっていた。
カーボンナノチューブでエネルギー変換効率6%
今回、同研究グループは、高純度で透明性の高いカーボンナノチューブ薄膜のエネルギー準位を変え、有機発電層からプ ラスの電荷(ホール)のみを選択的に 捕集して輸送するカーボンナノチューブ透明電極を開発したことで、インジウムを用いない有機薄膜太陽電池のエネルギー変 換効率を6%以上と大幅に向上させ た。また、PET(ポリエチレンテレフタラート)フィルムの上にカーボンナノチューブ薄膜を転写して用いることでフレキ シブルなカーボンナノチューブ有機 薄膜太陽電池を作製することにも成功した。
図 2:カーボンナノチューブ透明電極を用いた有機薄膜太陽電池の発電メカニズム。有機発電層内で光照射下、電 子ドナーから電子アクセプターに電子が移り、プラスの電荷(ホール)とマイナスの電荷(電子)が生ずる。プラスの電荷は カーボンナノチューブ透明電極に、電子は裏面電極側に流れることで太陽電池となる。 出典:東京大学
カーボンナノチューブは安価な塩化鉄などの鉄触媒とアルコールや一酸化炭素などの炭素源を用いて合成され、原理的に は安価に製造することが可能で、太陽 電池の低コスト化につながることが期待される。また、有機発電層に用いる共役系高分子やフラーレン誘導体も炭素豊富な有 機化合物であり、電極に用いるカー ボンナノチューブを含めて炭素を主な構成成分とする新たなカテゴリーに属する有機系太陽電池の創出も見込まれる。同研究 グループでは今後、有機材料やデバ イス構造の最適化を行うことにより、さらなる高効率化研究に取り組む予定としている。
図 3:酸化モリブデンで修飾した単層カーボンナノチューブ薄膜の走査型電子顕微鏡写真(斜 め上方からの撮影)。単層カーボンナノチューブ(SWCNT)から酸化モリブデン(MoO3)へ電子が移動し、カーボン ナノチューブはプラスの電荷を注入 される。この状態で、カーボンナノチューブ薄膜はプラスの電荷を選択的に捕集し、輸送する透明電極となる。 出典:東京 大学
それにしても、日本の研究者は本当にコツコツと努力してくれていますね。日本にこうした人達が次々と現われてくれて いる間は日本の将来は前途洋々なのじゃないでしょうか。
そのためには、やはり、戦後の自虐史観から脱却して、新しい教育体制を作り上げていくことが必要でしょう。それさえ できれば、日本は世界を導く素晴らしい国になることは間違いないでしょう。
24日の第 744回、 「先進技術の流失問題」で日本企業の相変わらずの国賊振 りに怒りをぶつけましたが、こ れは、日本以上にアメリカも酷 いようです。
グローバル化に踊らされて 利益しか考えない企業が国を崩 壊に導くことにもうそろそろ気 が付いても良い頃じゃないで しょうか。しかし、それはそれ を積極的に推進して来た政府の 責任も大きいようです。
そのアメリカの戦略の間違 いを鋭く指摘している記事があ りました。
ロイター.co.jpより 2015年 06月 5日
コ ラム:南シナ海で中国が「優位に立つ」理由
[3日 ロイター] - 米国政府は過去数年、どの製品がどこで製造されているか、特に電子機器や医薬品などの重要品目については十分な注意を払ってこなかった。それにより、米国 の中国への依存度は今や、中国の対米依存をはるかに上回るほど高まっている。
1990年代半ば、米中貿易自由化の提唱者らは、経済的な相互依存は必然的に平和的な共存につながると主張してい た。しかし、昨今の中国の好戦的な態度増長が示すように、一方的な依存は冒険主義を呼び起こすことになる。
米国政府が今すべきことは、中国にここまで大きな優位性を与えることになった国際貿易システムの根本的な欠陥に対処 することだ。ホワイトハウスは、環 太平洋連携協定(TPP)が、中国の影響力を減殺することにつながると主張している。しかし残念ながら、中国を除く環太 平洋11カ国が参加するTPPは、 何の問題の解決にもならないだろう。
世界の貿易体制が当初の狙い通りに動いていないという事実は、中国の周辺海域で最も顕著に示されている。中国政府 は、一歩間違えば無謀とも言える挑発 的行為を繰り返している。2013年11月には、東シナ海で「防空識別圏」を一方的に設定。今年に入ってからは、南シナ 海の南沙(英語名スプラトリー)諸 島で、岩礁を軍基地に造り替える作業に着手している。
東シナ海と南シナ海をめぐる国際関係は現在、1960年代以降で最も緊張が高まっている。日本の安倍晋三首相は昨 年、日中関係を第1次世界大戦前の英独関係に例えた。米海軍は最近、南シナ海のほぼ全域に及ぶ中国の領有権主張に対し、 直接的に異議を唱え始めた。
これは、1990年代半ばに米国などが中心となって世界貿易機関(WTO)を創設し、後に中国にも加盟を呼びかけて いた時に想定していたのとは逆の状況だ。当時のクリントン米大統領は「相互依存の高まりは中国で自由化の効果をもたら す」とまで断言していた。
しかし実際には、WTOによって促進された極度な産業的相互依存は、中国に強力なレバーを与えてしまったように見え る。
冷戦時代、米国は日本やドイツ、英国やカナダを含む同盟各国との間で高度な統合を進めた。その目的は、平和的な共存 共栄だった。これらの国はいずれも 米国より小さく、どの国も程度の差こそあれ民主主義国家だったが、米国は何らかの重要品目でいずれかの国に完全に依存す ることは選ばなかった。
現在、米国は国民が毎日使用する無数の品々を中国に依存している。それらの中には、完全に中国頼みに なっている主要電子機器部品や化学成分も含まれる。抗 生物質を含む最重要薬品の一部の原料もそうだ。一方、生産と消費にタイムラグがほとんどないジャストインタイム方式で動 いている米国の流通網では、予備の 在庫が手元にない物品も少なくない。
対照的に、中国は死活的に重要な品目はほとんど米国に依存していない。エネルギーや金属などは大量に輸入している が、同時に国内にも大量に備蓄している。
過去20年間の米国の主要貿易相手国とは違い、中国経済は、米国を上回るスピードで成長している。中国は民主主義国 家でもない。つまり、これまでとは正反対なのだ。米国はいつの間にか、世界で最も強力かつ洗練された独裁主義国の善意と 安定に依存を強めつつある。
米国政府に突き付けられている現在の課題は、こうした変化が現実の世界で何を意味するのかを理解することだ。具体的 に言えば、中国への非対称的依存が、米 国の主権や行動の自由にどう影響するかだ。また例えば、中国の侵略行為に対して米国が武力を行使しないと中国に思わせる ことにはならないだろうか、という 点だ。
TPPはせいぜい、過去に失敗した戦略の上塗りにしかならない。
グローバル化は賢明かつ実効可能な戦略だ。第2次世界大戦後から1990年代半ばまでの米国の通商政策がそれを証明 している。
米国政府は、これ以上TPPに時間を浪費するよりむしろ、1990年代の極端な変化でいかにバランスが崩れたかを理 解しなくてはならない。より端的に言え ば、急速にポスト・グローバル化しつつある世界で、中国と平和的に共存・貿易する方法を早急に見つけ出さなくてはならな い。
それでも、まだ共存・貿易などと言っているのですから、まだまだ危機感は無いようです。やはり、一度、企業は全面的 に撤退させて中国を解体させるしか解決方法は無いでしょう。
アメリカに劣らず相変わらず日本企業も平和ボケのところが多いようです。中には、投資を控えているところもあるよう ですが、まだまだ手ぬるいようです。どうしても、目先の損失を覚悟できないのでしょうね。
レコードチャイナより 2015年6月19日(金)
中 国日本商会が白書、日本企業の5割が中国事業拡大希望―中国メディア
17日、中国日本商会は北京で今年の「中国経済と日本企業白書」の記者会見を行った。
2015年6月18日、人民網によると、中国日本商会は17日、北京で今年の「中国経済と日本企業白書」の 記者会見を行った。調査によると、 2014年には在中国日系企業の46.5%が中国業務拡大の意向を示し、この割合は13年に比べ7.7ポイント低下し た。
同白書のデータによると、14年の日本の対中投資額は43億ドル(約5300億円)で前年比38.8%減少し、2年 連続の減少となった。また、日本貿 易振興機構(ジェトロ)が14年10月から11月にかけて在中国日系企業を対象に行ったアンケート調査によると、今後 1~2年間に在中国業務を「拡大す る」とした企業は46.5%で割合は同7.7ポイント低下し、「現状維持」とした企業は46%で同6.5ポイント上昇 し、「規模を縮小する」とした企業は 6.5%だった。他国への移転や撤退を選択した企業はほぼゼロだった。 …以下略
まだ半分近い企業が拡大すると言うのですから何をかいわんやですね。やはり、政府が撤退と国内への回帰に積極的な減 税やインセンティブを用意して全面的に応援する必要があるのじゃないでしょうか。
このまま放って於いても、中国の崩壊は近いとは思いますが、ここは、撤退戦略で駄目を押す時でしょう。崩壊を待つよ りは損失は抑えられるはずです。それが決断できないのなら、企業と共に日本の崩壊もあるかもしれませんね。
これは一体なんだろう、と感動してしまいました。と言うのも、20日にねずさんの「じっくり学ぼう日本の歴史」シリーズが始まったことを動画で知り、大きな楽しみができたと昨日ここに書きましたが。
ところが、その20日の午後、何と、坂出図書館から連絡があり、第660回の「竹林はるか遠くの続編が発売」で書いたように、一緒に依頼していたねずさんの『ねずさんの日本の心で読み解く「百人一首」』が入荷したとの連絡があったのです。
直に手に入れ、まずは「はじめに」から読み始めました。そこには、昨日の動画でも語られているシラスとウシハクなども書かれていて、「じっくり学ぼう日本の歴史」とこの「百人一首」が日本を理解するために切っても切れない関係にあることを知り、何とも感動です。
その後、まずは、ねずさんのこの本が来たら第一番に読んでみたいと思っていた、我が坂出市に縁の深い、第5732回の「崇徳上皇」で取り上げた崇徳上皇と菅原道真公の24番歌と77番歌から詠みました。日本を心から愛されたお二人の気持ちが痛切に感じられ、本当に何にも知らなかったことを恥じるばかりです。
これは、何の勉強もせずのんべんだらりと生きて来た私に対して、日本の神様がもう少し勉強して日本を心から誇れるようになって死ねるようにと導いてくれたような気がします。
本当に、この歳になるまで日本を疑わしい目で斜めから見て生きてきたことに気が付かなかった無知を恥じるばかりです。
これも、人生の道を踏み外すほどにのめり込んだPCに出会い、ネットで、ねずさんのブログに合わなければ、何にも知らずに死んで行ったのだろうことを考えると奇跡のような気がします。何とも、人生って不思議ですね。
これも、ねずさんのお蔭です。それだけに、一人でも多くの人達にねずさんのブログやこの百人一首を知ってもらい、自分たちがどんなに素晴らしい国に生まれたかという幸運を噛みしめてもらいたいものです。
そのためにも、私のこのブログで一人でもそうした人が増えてくれればPCにのめり込んだ人生も少しは意義があったと思えそうです。ありがたいですね。少しでも役に立ってくれれば良いのですが。
ねずさん、本当にありがとうございます。ねずさんこそ、「はじめに」で書かれている百人一首で日本人の目を覚ましてくれた平成の三条西実隆です。幾ら感謝しても、し足りない思いです。
余談になりますが、私の卒業した同志社の一画に藤原定家の末裔である冷泉家があるのを知ったのは、卒業後何十年も経ってからでした。確かに、御所に面した南側に古びた門があったのは知っていましたが、まさかあそこに冷泉家の人達が住んでいたとは想像もしませんでした。
もっと早くに、ねずさんの説かれる百人一首を知っていれば、あの古い建物にも感動したでしょうね。そう思うと、教育の大事さを思わずにはいられません。
これからの人達には是非、これを知って日本を心の底から誇れる有意義な人生を送ってもらいたいものです。