ヨンさんが何故谷山さんの映画に怒っているのか分からなかったのですが、第343回の「ヨンさんは何を怒っているのでしょう」で、谷山さんの講演を実現してくれたCWUの岡田さんの説明でやっと、ある程度は理解できたような気がしました。
ここに来て、やっと、ヨンさんがブログで詳細を書いてくれました。やはり、谷山さんの映画自体のテクニックの問題のようです。つまりは、アメリカ人の 受け取り方を考えずに、只、ひたすら日本の正しさを上から目線で語るやり方が、内容じゃなく、手法でアメリカ人を怒らせることになり、却って逆効果になる と言うことのようです、
成程、これで、やっと分かりました。確かに、ヨンさんの言われることは正しいでしょう。余りにも、教えてやるという態度が、見るものを最初から敵に廻 して、内容を考える気にならなかったのでしょう。特に、映画が異常に長いのも無理があったようです。どんな良い物であっても、冗長になったものを見るのは 忍耐が要ります。最後まで見る気になるには余程引きつけるものが無いと無理でしょう。
私など、歳の所為だとは思うのですが、一時間のテレビドラマさえ余程面白いものでなければ見る根気と体力に自信が無いので最初から無視します。
それでも、見始めて最後まで見るのは第5728回の「からくり儀右衛門こと田中久重」の動画のように余程引き込まれるものでないと無理です。
ここは、ヨンさんの言われるように、短く纏める必要はあったでしょうね。
何時ものくっくりさんが上手く纏めて評価してくれています。
ぼやきくっくり 2015.06.15 Monda
アメリカ人はなぜ捏造史を信じるのか?ヨン氏の慰安婦問題分析 (付:谷山雄二朗さんのこと)
…略
ヨン氏の主張を一言でまとめると、こうなります。
谷山雄二朗さんの手法ではアメリカ人の共感を得られない。
この画面で監督は昔の慰安婦の頭を銃で撃つ描写をしている。
この映画は、日本は20万人もの女性を誘拐してレイプや殺人をしたのではないということを英語を母国語とする視聴者にわかってもらって味方に つけることを意識して作られたはずだ。もちろんそんなことを日本はやっていないが、この映画は、やっていないとの主張について何の助けにもならない。
この映画を見ると日本人は野蛮だと印象をもつだろう、もちろんその反対であることを私は知っている。この映画監督はその老婦人が酷く苦しむことを楽しみ彼女の頭を銃で撃つ描写をしている。
この映画を薦めることは毒を飲むようなものだ。制作者はこの映画を市場から回収すべきだろう。
私の確信は揺るぎない、ほとんどのアメリカ人が ― 特に学術関係者や影響力を行使したいと望んでいる監督らのグループは ― このフィルムを認めないだろう。まじめに考えているアメリカ人は、この映画監督に対して拒否反応を示すだろう。この映画を推薦する人たちを受け入れること はないだろう。この映画は失敗への投資だ。
谷山雄二郎監督の映画、スコッツボロガールズからのフィルムクリップ(Thursday, June 4, 2015)より一部引用…以下略
そのヨンさんのブログです。かなり長いのですが、全部取り上げておきます。興味があれば読んでください。
Michael Yon JP Thursday, June 11, 2015
フィルムレビュー:スコッツボロガールズ (updated)
…略
スコッツボロガールズの詳細なレビュー
第二次大戦中の日本がセックス奴隷に関与していたとの非難に対して日本の名誉を守るフィルム
最初に要点を述べておく:西洋人にこのフィルムを売り込まないよう強く勧める。逆効果をもたらすだけだ。西側の教養のある人々に慰安婦についての真実を示したいと真剣に願う人はこのフィルムから距離をおくべきだ。
問題は映画制作者のYujiro Taniyama氏個人についてではない、彼の映画についてだ。これはチェーンソーをもってきて編集し直すか、まるまる投げ捨てるかしなくてはいけないほ どひどいものだ。映画制作者のYujiro Taniyama氏は、いい加減なことを映画のなかで言っているというわけではない。私は第二次大戦中の慰安婦について知っている。彼が映画で示した事実 は正確だ。彼のプレゼンテーションが失敗なのだ。
数ヶ月前、東京でこのフィルムを見た。このレビューを書くために別にDVDを1部タイに送ってもらった。Yujiro “Yuji” Taniyama氏が映画で示した事実に関しては、私が知っているかぎり何も間違えてはいない。しかしこの映画の90%はもう一回作り直すか、切り捨てさ る必要がある。
しかし、なぜ教養があって洞察力にすぐれているはずの人々が、この映画を英語を母国語とする視聴者に伝えるためのツールとして推薦しているのか。
推薦人の一人がYoshiko Sakurai女史だ。日本ではYoshiko Sakurai女史は著名な人物だ。彼女は、Walter CronkiteとKatie Couricを合わせたような人物だ。Sakurai女史はOprahのような力を持っている。彼女は直接的に政治への影響力を持っているし、自分の放送 局も所有している。Sakurai女史が推薦すると言うことは、非常に大きな意味を持つ。
どうゆうわけか、彼女は、このモンスター映画を推薦している。
多くの日本人が、この映画のどこが実際に有害かについての詳しい説明を求めてくる。
185分の映画を見てのいくつか気がついた事を書く:
1)タイトル:スコッツボロガールズ
Yuji氏はSakurai女史の家で私に言った、このタイトルは米国のスコッツボロボーイズからとったものだと。Yuji氏は、ほとんどのアメリカ人がこの隠喩を理解すると思っていたらしい。
実際はこうだ。ほとんどのアメリカ人、教養のある者も含めて、スコッツボロボーイズがだれなのかしらない。
それに気がついたアメリカ人がいるとしても、この比較は意味をなさない。スコッツボロボーイズと慰安婦には何の類似点も無い。新参者がタイト ルが言わんとしていることを理解するためにはスコッツボロボーイズと慰安婦の両方に通じていなくてはならない。ほとんどのアメリカ人はどちらも良く知らな いし、知っていたとしても類似性が無いので意図を理解できないだろう。
2) 映画は3時間5分だ。ブルースウィリスや女優も出てこない。アメリカ人にとっては長すぎだ。パスカル(Blaise Pascal)だったら「もっと短い手紙を書きたかったんだが、時間がなかったんだ」と言うだろう。
経験の浅いナルシズムの傾向のある多くのライターや写真家が飲み込まれる流砂にTaniyama氏は流され埋もれてしまっている。アーティストがつくり出すものの全てを視聴者が欲しているという考えを抱くことは全く愚かなことだ。
現実はこうだ:みんな忙しい、要点を言え。この185分の映画のうち、およそ130分は余分だ。
2) この映画は、およそアカデミックな場にはふさわしくない、関係の無いグラフィックスと薄気味悪い音楽で始まる。音楽は力強い、場面によってはぴったりくる こともあるだろう、しかしこの映画にはふさわしくない。主題について視聴者は黙って静かに考える必要がある。テクノダンシングの音楽は必要無い。
3) 映画が始まって約3分で、Yuji氏のオーストラリア、アデレードの学校でいじめられたことについて話し始める。これは慰安婦とセックス奴隷に関するえいがではなかったのか(全く関係のないことだ)。
3分30秒、”fucking nigger”と言っている。これはどんな場合であろうとUSAでは禁句だ。映画では何度も語句niggerが出てくる。USAは、この語句に関して凄ま じいほど酷い歴史があり我々はそのことを未だに引きずっている。これは投げた人自身が自爆してしまうほどの大きな手榴弾ともいうべき言葉だ。
映画を見始めて4分もしないうちに、不快で自己満足なプレゼンテーションのため、教養のあるアメリカ人のおよそ90%は映画のメッセージを受け取ることを放棄するだろう。
5) 4分40秒までとりとめなく話して、shitという言葉を使って悪態をつく。
6) 話が北朝鮮にそれ、”racism sucks”と言いながら芝居がかった調子になる。たしかにracismはsuckだが、その語句を教養のある視聴者の前で使っても意味が無い。
Yuji氏は彼のヘアースタイルについて話し始める。ヘアースタイルがセックス奴隷や慰安婦と何の関係があるんだ?5分30秒には、我々は全て”damn humans”だと言っている。
7) Yuji氏は自分について話しすぎだ。6分後にマイケルジャクソンのコンサートについて話し始める。
フィルムの中でほぼ3時間、Yuji氏は大げさに感情的にマイケルジャクソンを擁護する弁論をしている。(マイケルジャクソンが黒人だから、メディアがジャクソンを殺したのだとほのめかしている。)
8) 7分、彼はまだ自分のことを話している。サッカーの話になった。
9) 8分、--まだサッカーのことを言っている。北朝鮮の人たちが気も狂わんばかりに泣いているとても変なビデオを見せながら。
10) 9分、まだサッカーの話が続いている。
11) 10分、まだサッカースタジアムの話だ。”OMG man”のような高校生言葉をつかったり、”goddamit”などと言っている。慰安婦の話は未だ出てこない。”nigger”と言う言葉がほとんどの アメリカ人に嫌われるように”goddamit”と言う言葉もほとんどのクリスチャンに嫌われる。
12) 10分15秒、変な音楽と共にオープニングクレジットが始まる。
13) 12分、Yuji氏はWoody Allen のことを話し始める。慰安婦の話は未だ始まっていない。彼は自身を映画監督であり、21世紀の無遠慮にずけずけ言う侍として紹介している。
12分40秒、やっと慰安婦について触れた。
14) 14分まで、ドラマチックにWoody Allen のことを話しつつ、彼にレイプされたとの養女の主張を証明することが難しいことを比較しようとしている。(そんなに飛躍があるわけではないが、この映画か らはまったくズレている話だろう) 14分30秒、Trayvon MartinとGeorge Zimmermanについて話している。これは第二次大戦中の慰安婦についての映画ではなかったのか。
15) 15分20秒、Yuji氏は自爆テロリストではないし、アルカイーダのために働いてはいないと言う。(この点については、はっきりして良かった)
16) 16分、“NYT、WMD”とイラク戦争について話し始める。
17) 17分、慰安婦について触れる。
18) 19分、Yuji氏は韓国に行き、ようやく慰安婦について話し始める。
19) 20分、Yuji氏は、実際の慰安婦についての興味深い正確な情報を話し始める。これが本筋だし、良い情報だ。しかし彼はこれを韓国の通りのうるさいバス停でやっている。
20) 22分、とても良い情報だ。気に入った。正確だ。でも、まだ、あのうるさい通りでこれをやっている。
21) 24分、慰安婦の件を離れ、我々は再びYuji氏のパーソナルアドベンチャーに引きずり込まれる。数分間はうまくやったのに、また戻って、俺、俺、俺の自己陶酔プレゼンに戻る。
22) 26分、韓国のタクシードライバーに、安倍晋三首相のことをどう思うか尋ねる。
23) 28分、---タクシーから降りる。関係の無い意味の無いことをぶつぶつ言っている。”shit”という言葉を使う。
24) 31分、韓国の慰安婦ミュージアムとちょっとした対決をする。
25) 33分、Yuji氏は完全にGonzoになってしまった。まるでMichael Mooreみたいだ。事実について言っているときはよかったのに、いまはgonzoになった。
26) 35分30秒、damn criminalとかgoddammitなどと言って悪態をつき始める。
27) 36分、--- もはやYuji氏は完全にMichael Mooreに変わり果ててしまった。Gonzoだ。
28) 36分55秒、抗議行動中、何人かの男が彼を脅す。Yuji氏は「あの北朝鮮のモンスターたちが俺を脅してきたぜ」などと言う。理解しがたい。
29) 39分、Yuji氏は東京基督教大学のTsutomu Nishioka教授へのインタビューを始める。Nishioka教授は大変尊敬されている。Nishioka教授はクリスチャンである。彼と話すのは心 地よい。彼もまたこの映画のサポーターだ、私はこの映画がどんなものかについてNishioka教授は良くは知らないのではないかと強く疑念を持ってい る。(Nishioka教授の名もまた映画のクレジットに登場する、彼はSakurai女史のシンクタンクにも所属していて、私はそこでプライベートに話 をした)。個人的メモ:私が思うにNishioka教授は良い人だ。だからこれは少々デリケートな問題を含んでいる。
30) 40分、慰安婦についての重要な情報が得られる。Nishioka教授からの重要な情報だ。
31) 話は続く。たまに良い情報があるが、話に埋もれていく。53分ころ、Mike Honda議員への個人攻撃が始まる。Honda氏は何年も人々を欺いてきたが、慰安婦の件を調査してきた我々はそのことを知っている、しかし個人攻撃で 説明しても米国の知識人に対しては、なんの役にも立たない。
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32) 53分50秒、悪態をついている。たいしたこと無いと思うかもしれないが、これはアメリカの学術関係者にとっては最悪だ。
#訳注: 32) が二回続く
32) 54分、スコッツボロボーイズについて話し始める。そんなのは慰安婦とかセックス奴隷と何の関係も無い。
33) 55分、悪態をついている。
34) ときどき有用な情報が話される。
35) 57分40秒、悪態をつく。
36) 良い情報だがプレゼンのやりかたがまずいので、いつも通り台無しだ。
37) 1時間だ。ある慰安婦についての良い情報が与えられる。
プレゼンの方法も良い。
38) 実質5分間にわたって興味深い情報が提供される。
ここまではプレゼンもうまくいっているが、1時間5分の時点でズレ出す。
39) Yuji氏は11分間ほどはうまくやったが、ここからプレゼンがつかえはじめる。
40) 1時間14分、Yuji氏は不自然で奇妙な声で慰安婦のことを説明し出す。
良いことも言っているが、悪いプレゼンで全て台無しになっている。
41) 1時間15分、騒がしくて不適当が音楽が流れてくる。(音楽そのものはいいのだ
が、この種の映画にはふさわしくない。)
42) 1時間21分30秒 ― ぞっとするような奇妙な、わざとらしい声で韓国人の老女をからかう衝撃的なミスを犯す。アメリカ人は若くて強い男性が老女をからかうことを容認しない。
アメリカで老女に面と向かってこのようなことをして、また運悪く悪いやつが近くにいたとすれば、そいつには肉体的危険が迫るだろう。まったく アメリカの文化を大きく誤解している。ヒスパニック系の人々の前で同じことをすれば、そいつは死刑判決を受けたに等しい。間違ってもおばあさんをからかっ てはいけない。
彼女の誘拐されて電気ショックで拷問を受けたとの話をあざけり笑っている。
もちろん、我々はこの女性が嘘を言っていることを知っている。何年も前に明らかになっていることだ。Yuji氏は嘘は言っていない。彼女が嘘を言っている。
Yuji氏は映画を通して正しいことを言っている。私が調べたことと矛盾は無い。調べた限りフィルムを通して彼は一つの嘘もついていない。日本人が実際に犯罪を犯したことがあることも否定していない。真実に関する限りYuji氏は非常に正確に述べている。
彼女は韓国人の売春宿のオーナーによってなされた拷問についての証言すべきだったのだが、既に彼女は日本人によってさらわれたのでは無いと十分に証明されている。彼女はここ何年も自分自身の説明の矛盾点につまずいている。
Yuji氏が怒っているのも理解できる ― 彼女の偽証は日本に大きなダメージを与えてきた。いまでも多くのジャーナリストが彼女を信じている、彼女の嘘が明らかでその証拠があるにもかかわらず。
しかし・・・彼女は年老いた婦人だ。彼女をからかってあざけり笑うなんて、まさに敵の思うつぼだ。Yuji氏は静かに彼女の嘘を明らかにして、そのままにするべきだった。(彼女の演技を訓練したのは韓国の共産主義者だ)。
43) 1時間22分40秒 ― 拳銃で老婦人の頭を打つまねをするシーン
ここで、これが一体何を示しているのか考えてみて欲しい。
これは第二次大戦中に日本が20万人の女性をさらってきて力ずくでレイプし、その多くを殺したとする申し立てについての映画ではなかったのか。
彼女をあざけり笑い頭に銃を押しつけて撃つまねをすることはチータが宙返りして落ちてくるようなものだ、まさに振り返って日本の名誉を汚す行 為だ。それがYuji氏によっておどけた調子で表現されている。おどけるというのは一方の側に取り入るために宣伝闘争で使われる手法で、これを使えば自ら の信用は保ったまま取り入った側の評判を落としめることができる。
Yuji氏は映画の中で全て本当のことを言っている ― だからこそ日本の視聴者が支持する ― しかしそうすることが米国人にとってまるで日本が満月の狼男のように残忍に見えることになる。
ここから映画はさらに奇妙なものになっていく。どんどんひどくなっていくのでこれ以上はレビューを続ける必要は無い。この映画の最初の4, 5分でアメリカの知識人のおよそ90%は映画を見るのをやめるだろう。もしも90分も映画を見ていられる人がいたとしたら、そのアメリカ人は犯罪を犯す前 にYuji氏を国外退去させるべきだと思うだろう。
繰り返しになるが、私はYoshiko Sakurai女史が映画への支持をやめ制作者がマーケットから映画を回収することを心より勧める。
Yoshiko Sakurai女史が公にこの映画への支持をやめることが重要である。そうでなければ彼女はこの映画を擁護していることを意味する。
以前、Sakurai女史がこの映画を見ずに映画を支持していると私は書いたことがある。彼女はそれに対して映画を見ていたといって否定し た。オーケー、それは当時の互いのミスコミュニケーションが原因だったのだろう。彼女は確かに映画を見ていたのだ。いずれにしろ我々は日本と日本人のため に彼女の信頼性を損ねるような行為はなんとしても避けなければならない。
彼女がアメリカ人にこの映画を薦めると言うことは、もっとも尊敬されている日本の保守派の一員が老婦人の頭を銃で撃つことを喜んでいるような 映画を支持しているということをアメリカ人に教えることだ。そんなことは日本のイメージをよくすることにはつながらないし海外に真実を発信する助けにもな らない。
残念ながらアメリカ人はSakurai女史がこの映画を推薦するということで日本の保守派やSakurai女史が単に韓国人と言うだけの理由でこの老婦人に対する暴力的狂信行為を支持しているという、映画の誤った性格描写を信じてしまうだろう。
Yujiro氏が左派極論者に対して道化を演じていると信じる人々へ、これは日本の保守派、Sakurai女史、そして慰安婦を可能な限り最も悪い状況へと陥れるための良くできた罠だ。
Sakurai女史の映画への絶大な支持によってYujiro氏は中国に操られているアメリカの左翼団体に武器を提供してしまった。
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Jun 14:
The sentence "Yujiro氏が左派極論者に対して...良くできた罠だ" has been revised.