団塊の世代のつぶやき

誇れる日本を取り戻そう

もう遅い

2015年07月16日 | 韓国

  自民党が今頃騒いでいるようですが、騒がないよりましくらいにしか思えません。どうせ、最後まで追及する覚悟も無いのじゃないでしょうか。
  そんな覚悟があるのなら、今までに、慰安婦問題・南京虐殺・靖国参拝・拉致問題の一つも解決できただろうに、未だに、何一つ解決できずにいます。どうせ、今回もアリバイ作りで終わるのじゃないでしょうか。
  何て、余りにも寂しいことを書きましたが、それに発奮して一つでも解決してくれれば見直しますが、多分腰砕けで終わるのじゃないでしょうか。

    ZAKZAKより  2015.07.12

  世界遺産、国際社会に事実説明へ 片山氏「『約束守らない国』忘れてはいけない」

  政府・自民党が対韓国へ反撃に打って出る。世界文化遺産への登録が決まった「明治日本の産業革命遺産」をめぐり、一部施設での朝鮮半島出身者の徴用に ついて韓国側が「日本政府が違法な『強制労働』を認めた」などと事実無根の発信を続け、一部の欧米メディアがこれに沿った大誤報を流しているからだ。安倍 晋三首相は「強制労働を意味しない」と明言。超党派の日韓・韓日議員連盟の合同総会でも激しい応酬があった。

  「日本政府は、韓国を信用しすぎました。『約束を守らない国』ということを忘れてはいけません」

  参院外務防衛委員長で、自民党の国際情報検討委員長代行も務める片山さつき参院議員はこう語った。

  自民党は10日朝、党本部で、内閣部会と外交部会、文部科学部会、国際情報検討委員会の合同会議を開いた。6月下旬の日韓外相会談で、両国の世界遺産 登録に協力することで一致していたにもかかわらず、韓国が土壇場になって「強制労働」という表現をゴリ押ししてきたことに、「約束が違う」「今後、韓国と 付き合えるのか」などと強い不満が出たという。

  加えて、日本政府が世界遺産委員会で語った「forced to work(働かされた)」の意味が、韓国側の喧伝もあって、「強制労働(forced labor)」を認めたような誤解が広がっていることへの怒りや懸念が噴出した。

   「軍艦島」の通称で知られる端島炭坑(長崎市)については、一部の海外メディアが「奴隷島が世界遺産に」「強制労働の島が登録」などと取り上げているという。

  片山氏は「『奴隷』と書いたある英国紙には『事実がまったく違う』と申し入れて、訂正してもらいましたが、他紙では『強制労働』という表現は残っています。ドイツなどの新聞も調べて、総合的な巻き返し策を講ずるべきです」と語った。

  そもそも、戦時下での労働力不足を補う「徴用」は、米国や英国でも行われており、当然、給与も支払われていた。「強制労働」という事実はないが、韓国では「強制徴用された韓国人(=当時、韓国という国はない)は200万人」という妄言まで広まっている。

  合同会議では近く、朝鮮半島出身者に対して強制労働が行われなかったことを改めて確認することを決議するというが、それ以外に、どんな反撃方法があるのか。

  片山氏は「まずは政府に対して、国際社会に事実を説明するように求めていきます。同時に、自民党としても真実を世界に伝える努力をしなければなりませ ん。私たちが背負っているものは大きいが、子孫のためにこの重荷が少しでも軽くなるようにしていきたい。国際情報戦略などを展開していきます」と語ってい る。 (ジャーナリスト・安積明子) 

  約束なんか守らないことを今更分かったように言わずに、やはり、最初からその対策を考えてから交渉に入るべきだったのは明らかでしょう。
  一度広まったレッテルを剥がすのは防ぐことの何倍どころか何百倍の努力でも可能かどうかというのは、これまで散々味わってきたはずなのに何を今更と言うのが国民の気持ちじゃないでしょうか。

  もっと、情けないことを、今更ながらに、遺産登録の担当者が嘆いているようです。

    産経ニュースより    2015.7.13

  【世界遺産登録】 推進役の加藤康子氏、韓国の反対工作に「砂かむような悔しさ」

  世界遺産に登録された「明治日本の産業革命遺産」(8県23施設)について、推進役を務めた加藤康子内閣官房参与らが13日、東京都内で開かれた会合に招かれ、韓国政府による反対工作や土壇場での「強制労働」の文言をめぐる交渉について「砂をかむような悔しい思いをした」と振り返った。

  この日の会合は、今回の世界遺産登録をサポートしてきた三菱総合研究所が開催。コーディネーターとして招かれた加藤氏は、登録までの苦労を振り返る中 で、登録阻止に動いた韓国政府の対応を「異常な反対運動」と強調し、韓国側がユネスコの諮問機関(イコモス)の全審査委員国を訪問し、産業革命遺産の全施 設を批判する文書を渡すなどしていたことを明らかにした。

  加藤氏は「韓国が世界遺産の登録プロセスに政治を持ち込んだのは非常に残念」と語る一方、日本政府についても「“歴史武装”ができておらず、いろんな プロパガンダへの準備もなかった」と反省点を指摘した。今後の対応については「世界遺産の価値をしっかり伝えることが韓国側への対抗策にもなる」と述べ た。

  ここでも女性が抜擢されていたようですが、やはり、逆差別の女性重視は見直すべきでしょうね。このあたりが、どうも安倍さんがずれているところに思えて仕方ありません。
  日本の女性は昔から世界一尊重されているのですから、無理に登用する必要はないでしょう。優秀な人がたくさんおられることは間違いないでしょうが、女性でも本当に仕事が好きで実力のある人を普通に評価して登用すればいいのじゃないでしょうか。
  家庭にいて、子育てや家事に実力を発揮して、家庭の実権を握り、主人を手のひらの上で操っても良いじゃないですか。それが本来の日本女性でしょう。


中国の崩壊を早める方法

2015年07月16日 | 中国

  中国の崩壊を早める方法は何かないものかと考 える毎日です。ここでも何度も書いてきましたが、何故、日本や欧米は中国を見限って企業の撤退を進めないのかと、利益に 目が眩んだ企業と共に政府の対応も非難してきました。

  つまりは、チベットやウィグルなどへの侵攻による虐殺などにも抗議もせずに目をつぶっている情けない状態がづいてい ることが情けないのです。

  そのウィグルに関して、宮崎さんが残念な記事を取り上げられていました。この記事によると、ウィグルの独立運動の組 織が沢山あるのだそうです。この組織を応援することは出来ないのでしょうか。

   「宮 崎正弘の国際ニュース・早読み」  平成27年(2015)7月10日(金曜日)弐  通算第4595号 

    アンカラのタイ大使館にウィグル人が抗議デモ
   通行中の中国人女性が怪我、北京に屈したタイに強く抗議

  トルコの首都アンカラにあるタイ大使館前が突然、ウィグル人とみられる集団に囲まれ、抗議集会とデモが行われた。7 月9日である。

  タイ政府は南部に逃れてきたトルコ人をなのる数百名を難民テントに収容後、明らかにトルコ籍とわかるウィグル人 170名をトルコへ出国させたが、中国 籍(ウィグル自治区から逃れてきた人々)、107名を中国に強制送還させていた事実が判明し、「ファシストに同胞を売り 渡したタイは、北京の圧欲に屈した のだ」として厳重に抗議した。

  たまたま通行中の中国人と見られる女性を捕まえて暴行を加えようとしたので、警察が介入し、保護した。被害にあった 女性は中国人ではなかったらしい。
 
  世界の人権団体は「強勢創刊をすると中国ではまともな裁判も開かれず死刑にすることもあり、断固人権を守るべきだ」 とタイ政府に要望書を提出していた。直接行動のほか、世界人権ウォッチなど人権擁護団体は、こんかいのタイ政府の措置に 不満と抗議声明をだした。

  中国共産党のウィグル自治区における弾圧と強権政治は、多くのウィグル人の反撥をよび、世界的な反中運動の広がりを 見せている。とりわけ亡命ウィグル人が多いのは米国とトルコ、ドイツである。

  ワシントンの世界ウィグル会議(ラビアカディール女史が代表)は穏健路線だが、ミュンヘンとイスタンブールに本部を おくウィグル独立運動の諸団体のなか には「実力行使」も辞さずとするグループもあり、概括的にみてもウィグル運動は世界に12か、13の組織がある。その一 部にはISILに合流した過激派も いるうえ、アラブ世界、とりわけイスラム国家の多くから同情を集めている。

  中国崩壊の為にこの過激派の組織に武器などの供与によりバックアップして立ち上がってもらうのはどうでしょう。そう すれば、今や、風前の灯の中国に対 にとって、決定的な致命傷になりそうな気がします。紛争はできれば避けたいところですが、何時までも放って於けば結局は ウィグルやチベットの人達の犠牲が 増えるだけじゃないでしょうか。
  ここは、世界が協力して中国打倒に立ち上がる時じゃないでしょうか。とは言いながら、過激派を利用したのでは後の問 題も大きくなりそうなのが心配です。

  それにしても、世界の人権派は声を挙げているようですが、不思議なことに日本の人権派と言われる何にでも反対する左 翼は全く騒ごうともしません。やはり、中国や韓国が糸を引いているという証拠じゃないでしょうか。
  こんな左翼や在日のやりたい放題を放置しておくのは日本にとって百害あるのみです。何とか、早急に一掃する必要があ りますね。
  余命3年作戦の 効果を待つしかないのでしょうか。

  ウイグル協会の抗議声明がありました。

   日本ウイグル協会 | ウイグル 東トルキスタン情報 より     2015年07月11日

   タ イ政府のウイグル難民強制送還に抗議する声明 : 日本ウイグル協会  

  7月9日、タイ政府は、ウイグルからタイに入国していた難民約100名を、中国に強制送還したことを発表しました。 私たち日本ウイグル協会はタイ政府の この措置ならびに、タイ政府に圧力を加えたと思われる中国政府に抗議すると共に、日本政府並びに国際社会に、ウイグル難 民の救援を呼びかけます。

  昨年より、タイを含む東南アジアにウイグル難民が入国し、多くが不法入国者として逮捕されていることは、私達のホー ムページでも紹介してきました。彼ら は中国政府の新疆における弾圧に耐え兼ねて、ウイグル人として生きるために国境を越えた人々です。現在の新疆ウイグルに おける中国政府の情報統制、若者の 強制拉致、ヤルカンドなどでの残酷な弾圧などにより彼らは生まれ故郷を棄てて東南アジアに逃れる道しかなかったのであ り、この責任は基本的に中国政府の弾 圧にあります。

  私達は、これまでタイ政府がウイグル難民を、十分とは言えないにせよ保護し、これまで百数十名を希望するトルコに 送ってくださったこと、その為に尽力し てくださった現地の人権活動家の方々には深い感謝と敬意の念を抱いております。だからこそ今回のタイ政府の行為は残念な ことであり、様々な難民を保護して きたタイの人権外交の歴史にも大きな汚点を残したものと言わざるを得ません。

  今最も心配されることは、強制送還されたウイグル人たちの生命の危険であり、また、未だにタイに残る難民の一日も早 いトルコへの出国です。私達は、以下の4点を、中国、タイ、日本各政府並びに国際社会に訴えます。

  1、中国政府は今回送還されたウイグル人たちの安全を保障してください。もしも、彼らに危害が加えられれば、それは 中国政府自身が批准している難民条約違反であることを認識してください。

  1、タイ政府は、現在収容所に残されているウイグル難民の希望する第三国への脱出を直ちに認めてください。

1、日本政府は人権外交の立場から、中国、タイ両国政府に厳重に抗議し、ウイグル難民の生命と人権を守ってください。

  1、国連は単なる抗議に留まらず、中国、タイ両国への人権査察団の派遣と、新疆における中国政府の弾圧政策を
 直ちに停止する事、それなくして中国は国連の常任安保理時刻の資格はないことを明言してください。

  相変わらず、国連も役に立ちませんね。日本の左翼と全く同じです。人権より自分の利益が大事な似権派ばかりと 言っても過言ではないでしょう。
  やはり、解体して、日本がトップに立って改革する必要がありますが、それが実現するのは何時の事でしょう。


政府にだまされたと抗議

2015年07月16日 | 中国

  今回の中国の株の下落は権力闘争と言うのは、宮崎さんが最初かと思ってましたが、どうやら、結構定説のようですね。産経の田村さんも書いてくれていました。
  こうなると、いよいよ本当かも知れませんね。折角ですから、徹底的に戦って内戦でも起こして崩壊まで突き進んで欲しいですね。そうなれば、日本も戦火に巻き込まれずに済むかもしれません。

  ZAKZAKより  2015.07.10

   【お金は知っている】 習体制揺さぶる中国株暴落 対立派閥による“権力闘争説”まで…

    中国共産党は株式暴落の最中の7月1日に創立記念日を迎えた。翌日の中国語のSNSがつぶやく。

  「共産党のシンボルは赤の生地、ハンマーと鎌。ハンマーが株式市場をぶち壊し、鎌が投資家の肉を削ぎ、その血で国が真っ赤に染まる」

  もとより党は反資本主義イデオロギーをとっくの昔にお蔵入りさせている。特に習近平政権は停滞が続く不動産市場に代わる投資先として株式市場を重視 し、人民に株式投資を大いに奨励してきた。中国人民銀行に利下げさせ、個人が借金して株式投資しやすくし、国営メディアを動員して株式投資ブームを演出 し、株価を釣り上げてきた。

  ところが、株価は低迷を続ける景気とのかい離がひどくなった。典型的な株式バブルであり、6月中旬過ぎから崩落し始めた。「株民(個人投資家)」たちは党によって株式におびき寄せられたと気付いたが、売り逃げようとしても、大きく損するので売れない。

  グラフは 過去1年余の個人による上海、深●(=土へんに川)(しんせん)両証券取引所の株式投資口座新規開設数である。株価がピークに達した6月12日を含む6月 ひと月間だけで合計1600万口座に上る。6月の口座数は2億7300万で、前年同月比で6600万口座も増えた。一人の個人が複数の口座を持つケースも あるから、口座数がそのまま株民の数と決めつけられないが、当局発表の2倍以上になるとみてよい。
 
  上海の知人に聞くと、5月末に保有株をすべて売ったのは大正解だったが、息子がその資金を借りて新しく口座を開設し、投資したところ、大暴落の憂き目に遭ったとぼやいていた。グラフが示すように、口座開設数は4、5月から急増している。

  上海、深●(=土へんに川)合計の株式時価総額(7月6日時点)は株価ピークの6月12日比で日本円換算416兆円減った。中国の国内総生産(GDP、2014年)の3分の1相当が消滅したことになる。

  習政権はなりふりかまわず、株価てこ入れに躍起となっている。証券業界を総動員して株買いさせ、人民銀行に株買い資金を供給させるなどだ。

  億単位の株民が党を信じたのにだまされた、党が無理やりに株価をつり上げたことが暴落の原因だ、と考え始めている。党が株価下落に歯止めをかけられないなら、それこそ政治不信につながりかねないだろう。

  ネットでは株価暴落の「真犯人」探しも活発だ。当初は、香港を拠点にする米欧系投資ファンドの投機売り説が流れた。習政権は昨年11月に香港経由に 限って外国人投資家による上海株投資を解禁したが、6月上旬に外国人投資が一斉に資金を上海市場から引き揚げたという事実がある。

  権力闘争説もある。習近平体制と対立する党長老の江沢民・曽慶紅グループが外資を装って巨額の空売りを仕掛けた、というわけで、政治的背景からする と、なるほどと思わせる。まさに、中国株の世界は魑魅魍魎、何がこれから起きるかわからない。 (産経新聞特別記者・田村秀男)

  権力闘争よりも、騙されて株に引きずり込まれた人民の怒りによる内乱の方が可能性がありそうですね。金が全ての中国人にとって、今回の損が一番怒りと しては大きいのかもしれません。となると、こちらでの怒りの蜂起の方を期待したいですね。これに、軍隊も一緒に立ち上がればいよいよ崩壊も現実味を帯びて きます。
  どこかの国が裏で仕掛けるなんとこともやらないのでしょうか。折角のチャンスを逃して、世界平和への脅威となる前に、潰してほしいものです。もう、そんな国は何処にもないのでしょうか。

  抗議は始まっているようです。裏から煽って大きくする動きはないのでしょうか。

  SankeiBizより  2015.7.13

  バブル崩壊?中国、株下落で投資家が「政府にだまされた」と抗議 北京の証券監督管理委前

  中国の株価下落で損失を出した全国各地の個人投資家ら約30人が13日、北京市内の中国証券監督管理委員会前に集まり、企業や政府にだまされたとして 抗議した。参加者によると、上海と深センでも投資家による抗議活動が行われたといい、こうした動きが広がる可能性もある。

  中国当局は、株問題が共産党・政府批判に発展することを強く警戒。同委員会前では投資家らの周辺に数十人の警察官や公安車両、投資家らを収容するためとみられる大型バスが待機し、活動が拡大しないよう圧力をかけていた。

  投資家らはインターネットの交流サイトを通じて連絡を取り合ったという。北京市の男性会社員(35)は「個人投資家は弱い立場だ。政府は市場や企業の健全化に向け、管理を徹底してほしい」と訴えた。(共同)

  早くも化けの皮が剥がれたのでしょうか。再び、下落になったようです。このあたりの動きはもうどちらへ動こうと大勢に影響はないのじゃないでしょうか。所詮は政府の操作の所為なのですから。

  ブルームバーグより  2015/07/14

  中国株:上海総合、4日ぶり反落-下げ拡大、最近の株高に警戒

   14日の中国株式市場 で上海総合指数が4日ぶりに反落。最近の株高が行き過ぎとの懸念が広がっている。上場銘柄の約4分の1が依然として売買停止となっているほか、15日発表 の4-6月(第2四半期)の国内総生産(GDP)成長率が鈍化する可能性もある。

  上海総合指数 は現地時間午後2時13分(日本時間同3時13分)現在、前日比2.5%安の3870.31。金融とエネルギー株が下げを主導している。ブルームバーグの集計データによれば、本土の証券取引所の上場銘柄全体に占める売買停止銘柄の割合は27%。

  分かっていても、やはり、下がると嬉しくなりますね。それだけ崩壊が早まることになる可能性もありそうです。

今後の動きも楽しみです!


又も、強烈な助っ人現る

2015年07月16日 | 素晴らしい外人の日本応援団

  今の中国をのさばらしたのは大東亜戦争に日本 を引きづりこんだアメリカの中国認識の間違いであることは、今や日本では常識になりつつあります。
  しかしながら、肝心のアメリカがまだそれに気が付いていないのか、それとも、分かっていてわざとやっているのかが判 断できません。
  いずれにしても、アメリカが、中国を含む特亜の悪辣さに気が付き、これを崩壊させる気にならない限り、中国問題は何 時までしても解決しないのじゃないでしょうか。

  そんなことを思っていたら、昨日も書いたアメリカの強力な応援団に加わる強力な味方が現われたようです。
それは、マイケル・ピルズベ リー氏(ハドソン研究所中国戦略センター長)と言う方で、今までは中国寄りの人だったそうです。その人が、中国の本当の 姿に気が付き書いた『100年のマラソン』がアメリカで今話題になっているのだそうです。
  この本によって、最近のアメリカの中国に対する動きが変わったのじゃないかとも言われているそうです。残念ながら、 オバマ大統領は気が付いてないようです。

  これについて、第 387回の「素晴らしい経営者」で取り上げた産経新聞の湯浅さんが書いてくれています。余りに長いので全文 引用は問題かなとも思いましたが、略するのも勿体ないので思い切って全文を挙げました。
  それにしても、産経新聞には阿比留さんだけじゃなく素晴らしい方達が多いようです。反日左翼新聞ばかりの日本にとっ て何ともありがたい存在です。フジテレビの影響で堕落しないことを願います。

  是非、全文を読んでください。日本にとっては、素晴らしい味方が増えたと言うものです。これは、凄い武器ですよ。
 
   産経ニュースより    2015.7.12

  【月刊正論8月号】 南 シナ海・人工軍事島は21世紀の「鉄のカーテン」だ-オバマはトルーマンになれるか

  安倍首相が演説すべきだったもう一つの場所

  もちろん、4月末に訪米した安倍晋三首相の米上下両院合同会議での演説は、申し分のないものであった。これほど未来 志向でウィットに富み、聞かせどころ 満載のわが国指導者の英語演説は、過去に聞いたこともなかった。それでも一点だけ、この訪米期間中にぜひ訪問してもらい 町があった。首相がワシントン訪問 前に訪ねた東部のボストンでも、訪問後の西部シリコンバレーでもない。中西部のトウモロコシ畑に囲まれた小さな田舎町、 ミズーリ州フルトンである。

  戦後まもない1946年3月、英国のチャーチル元首相が、この町のウェストミンスター大学で史上有名な「鉄のカーテ ン」演説をしている。チャーチルはソ 連の台頭によって共産主義圏と自由主義圏が分断される形で、欧州大陸を横切る「鉄のカーテンが下ろされた」と来るべき冷 戦の始まりを告げたのだ。それま で、一緒に日独と戦ったソ連が、戦争終結したとたんに東欧に勢力圏の拡大をはじめたからである。

  チャーチルはこの演説で、ソ連に対抗して米英が同盟関係を強化すれば、「ヨーロッパの勢力均衡が崩れて不安定になる ことが避けられる」と、新たな危機へ の抑止戦略を描いた。ちょうど同じ頃、米国務省にはモスクワの駐ソ代理大使のジョージ・ケナンから、ソ連の西側への敵意 が共産主義イデオロギーと伝統的な 拡張主義によるものであるとする約8000字の「長文電報」が届いていた。チャーチルはこれを巧みなレトリックを使い、 米英同盟によって事態は克服できる と新たな対ソ戦略を提示したのである。

  さて、時計の針を現代に戻して、米英同盟を日米同盟に、ソ連を中国に置き換えると、安倍首相がチャーチルのようにフ ルトンで演説する意味が浮かんでく るだろう。海洋アジアで膨張する中国に対抗し、日米同盟を軸にアジアを結束させることが「アジアの勢力均衡」を図る道で あることを鮮明にする。

  畏れ多いアナロジーで恐縮だが、チャーチルがトルーマンに対ソ戦略を打ち出したように、安倍首相はフルトンの地から オバマ大統領と米国民に効果的な注意 喚起ができただろう。フルトンではその後も、サッチャー英首相やゴルバチョフソ連大統領が、この地で演説をした象徴的な 場所なのだ。

  『100年のマラソン』は冷戦を警告した「X論文」中国版

  では、米国内で当時のトルーマン政権に対して、対ソ戦略の理論的な裏付けを提供した戦略家ケナンのような人物は、い まのワシントンにはいないのだろう か。ケナンはモスクワから長文電報を発した翌1947年、外交誌『フォーリン・アフェアーズ』に、筆者「X」として有名 な論文「ソ連の行動の源泉」を書い て、直接、米国民に対ソ冷戦への覚悟を訴えた。世にいう「X論文」である。

  実は、中国への警戒論が高まるワシントンでいま、一冊の書物が「X論文」のような衝撃をもって迎えられている。中国 問題の第一人者、マイケル・ピルズベ リー氏(ハドソン研究所中国戦略センター長)の『100年マラソン--超大国・米国に取って代わる中国の秘密戦略』 (The Hundred-Year  Marathon : China’s Secret strategy to Replace America as  the Global  Superpower)である。

  ピルズベリー氏といえば、2006年ごろまでは対中関与政策を支持する「協調派の中心人物」で知られていた。その彼 が「中国に騙され、対中認識は間 違っていた」と激白し、対中協調派を意味する「パンダ・ハガー」の衣を脱ぎ捨てることさえ強調した。そして、中国が「平 和的な発展」「中国の夢」というス ローガンの陰で、むしろ米国主導の世界秩序を覆そうとしていることを具体的に論証したのである。

  この本がワシントンで、安全保障や中国専門家の間で熱い議論の的になっているのは、ピルズベリー氏自身も含め中国に 対する「五つの誤った仮説」にとらわ れすぎていたと断言しているからである。米国の中国専門家たちはこれまで、・建設的な対中関与は協力をもたらす・中国は 民主主義へと向かう・日米欧の犠牲 となったか弱い国・中国は米国のようになりたいと願っている・中国の強硬派は弱体化している-と考えていた。だがピルズ ベリー氏は、これらがすべて幻想で あったと結論づける。

  ピルズベリー氏はある極秘文書を入手し、共産党指導部に影響力をもつ強硬派が、米国を初めから「帝国主義者の敵」で あると見てきたことを明らかにした。 しかも、彼らは建国から100年目の2049年までに経済、軍事、政治のすべての面で、米国に代わって世界の支配者にな ることを目指している。中国は公式 には多極化世界の実現を主張しているものの、最終的に中国が世界の指導国にいたる途中段階という位置づけである。

  その強硬派の戦略家たちは、中国を世界の国内総生産(GDP)の3分の1を占めていた300年前の時代への復活を目 指していると、ピルズベリー氏は指 摘する。とりわけ、血塗られた天安門事件を経て、彼らは中国内部で穏健派との論争にうち勝ち、その一人は習近平主席に影 響力をもった。ここが重要な点であ る。

  いまや、習主席周辺の強硬派は「49年目標」を隠そうともせず、そのプロセスを「100年マラソン」と呼んでいる。 彼らは北京指導部に対し、米国が中国 の共産党体制を骨抜きにして、国際秩序に従属的に参加させようとしていると吹き込む。そのうえで、北京は「米国の関与政 策の誘いに従うふりをしながら、国 力を強めて米国の覇権を奪い、中国主導の秩序を築く」ことを長期戦略として推進した。目標が正義になると、どんな悪辣な 手段も正当化される。「愛国無罪」 がまかり通る世界だ。

  南シナ海の人工・軍事島は「鉄のカーテン」だ

  ピルズベリー氏のいわば・対中X論文・によって見えてくるのは、中国のあくなき海洋アジアへの膨張である。習近平氏 のスローガンにいう「中華民族の夢」 とは、西洋や日本から受けた恥辱の一世紀が終わりを告げ、建国百年の夢の実現を目指すことをいう。彼らには「国境」とい う概念が薄いうえに、膨張する中華 帝国は遠く「辺境」へと統治の範囲を拡大していく。陸の辺境はチベット、ウイグルであり、海の辺境は東シナ海や南シナ海 の島や岩礁を指すのであろう。同時 に、台頭する挑戦者はいつも辺境に手を出し、敵の同盟の強さを確かめるものである。

  南シナ海の岩礁の拡張工事は、2013年に習近平氏が国家主席に就任してから始まっていることに留意しておきたい。 東シナ海の尖閣諸島周辺で中国によ る挑戦に焦点があたるなか、彼らは南シナ海では密かに埋め立て工事を進めていた。その延長として5月末発表の中国国防白 書は、「軍事抗争への準備」という 威嚇によって、私たちを300年前の帝国主義時代に引き戻す。彼らは日米同盟を冷戦の遺物と攻撃するが、中国の回帰は単 位が違う。

  国防白書はこの説明に1章を割き、将来に予測される東、南シナ海での軍事衝突の準備を説いている。だが白書の内容に 踏み込めば、多くの虚偽に満ちている ことに気づくだろう。「中国は覇権や拡張を求めない」といいながら岩礁に軍事基地をつくり、「宇宙の武装化と軍備競争に 反対」といいながら衛星破壊実験で ゴミをまき散らす。そして、「核軍拡競争には入らない」といいながら核保有国の中で唯一中国だけが核軍拡を行っているの が実態である。国家基本問題研究所 の太田文雄企画委員は、中国軍の言行不一致を「兵は詭道なり」(孫子)という騙しの伝統にあるとみて注意を促す。

  この白書を前触れとして、シンガポールで開催されたアジア安全保障会議(シャングリラ対話)から伝えられた中国の振 る舞いは、これらの野心を裏書きする かのようであった。中国はすでに、南シナ海で7つの岩礁を埋め立てて要塞化し、このうちのフィアリー・クロス礁では 3000メートル級の滑走路を持つ人工 島を築いている。

  中国軍副参謀総長の孫建国海軍上将は、これら人工島建設の目的を「軍事防衛の必要を満たすため」であるとして、軍事 目的であることを初めて認めた。一 般的に2000メートル滑走路があれば乗員乗客380人のB777-200が就航でき、中国が建設する3000メートル 以上であればジャンボ級が運行可能 な大滑走路といえる。軍用機なら離着陸が楽々出来るから文字通り「浮沈空母」が南シナ海の真ん中に出現したことになる。

  長大な埋め立て滑走路により、南シナ海の全域が中国空軍機の活動範囲になるだろう。ドックと滑走路により中国軍は補 給のため本土に戻ることなく南シナ海 全域で海空軍のプレゼンスを維持できるからである。東シナ海と同じように中国の防空識別圏が設定されれば、飛行の自由と 航行の自由が侵されることになる。 南シナ海の八割を自国領土と主張する「九段線」に沿って、「鉄のカーテン」を下ろすかのようではあるまいか。

  孫上将はこの埋め立ての「即刻中止」を求める米国や豪州に、「自らの主観に基づく無責任な発言をするのは控えよ」と 突き放し、領有権を争うベトナムやフィリピンには「小国は挑発的な行為をとるべきでない」と大国主義を振り回した。

  香港の中立系紙・明報は一日付で、この埋め立てについてコラムニストの孫嘉業氏による興味深い論評を掲載した。いく ら米国が「領海を認めない」と宣言し たところで、もはや「原状回復はできるはずもない」と高をくくる。孫氏はやがて批判の声もおさまったところで、米中戦略 経済対話を開き、経済に話を戻して 収束を狙う、と書いていた。オバマ政権もなめられたものである。

  しかし、米紙ウォールストリート・ジャーナルは、中国の度重なる「力による現状変更」の挑戦が、否応なく米国の戦略 的思考を変えつつあると報じてい た。中国の一方的な海洋支配への試みから、米国の政策当局者、米国議会、安全保障専門家、ビジネスリーダー、そして有権 者の意識まで硬化させている。ピル ズベリー氏の『100年マラソン』は、その背後にある政治的な意図を解き明かし、新たな対中抑止戦略が必要なことを提起 していたのである。

  ペンタゴン周辺は闘志満々

  これまでも、共和党系の戦略家であるプリンストン大学のアーロン・フリードバーグ教授の『支配への競争』(邦訳、日 本評論社)や、シカゴ大学のジョン・ ミヤシャイマー教授の『大国政治の悲劇・改定版』(同、五月書房)のように、米中激突の可能性を示唆する書物はあった。 彼らは中国共産党が独裁体制を維持 して、経済発展を背景に軍拡を続ければ、ある種の「封じ込め戦略」をせざるを得なくなることを提言していた。とくにフ リードバーグ氏は米国が表向き関与政 策をとりながら、裏では同盟国とともに対中封じ込めに軸足を移して軍事的優位を保つべしと述べた。だが後段では、中国の 軍事増強のスピードが早く、かつ強 硬になっている現状から、もはや関与政策をとる段階ではなくなったと結論づけている。

  ピルズベリー氏は彼らのような現実主義(リアリズム学派)の戦略家や地政学者でなく、北京に精通した中国問題専門家 である。しかも、中国の秘密情報に接近できる数少ない実務家であるうえ、これまではその言動がきわめて慎重であったこと に留意したい。

  彼は1969年から国連、CIA、国防総省、米上院特別委員会などに勤務し、中国の対米認識や米国の対中政策の選択 肢の提示など地道な調査活動を続けて きた人物である。国家基本問題研究所は2010年6月、東京で開催した国際シンポジウムにその彼を招き、様々な角度から 質問を試みた。だが、ピルズベリー 氏は米国内の様々な対中観や見解を紹介することに徹し、最後まで自らのオピニオンを明らかにすることはなかった。

  その彼の大胆な対中抑止への警告であるだけに、説得力が強く、浸透度は深い。この本が出版された2月以降、ウォール ストリート・ジャーナル紙にとどまらず、米国の対中政策の転換に影響を与えていることをうかがわせる動きが相次いだ。

  翌3月には外交問題評議会(CFR)が「中国に対する大戦略の転換」と題する緊急提言を明らかにした。CFRは権威 ある有力研究所であり、これまではむ しろ、対中関与政策の擁護者であった。そのCFRが、国防予算の上限を外し、核バランスを維持し、戦略パートナー国と協 力を強化し、かつ、中国製品への全 面的関税まで実施することを求めた。まっとうな反応である。とくに米中関係はライバル関係になり、中国との力のバランス に重点を移すべきであることを指摘 した。

  同じ3月、マケイン上院軍事委員長ら超党派議員が包括的な対中政策を求め、カーター国防長官に書簡を送った。軌を一 にして海軍、海兵隊、沿岸警備隊が7 年ぶりに21世紀の戦略報告書「海洋戦力のための連携戦略」を発表して、中国の接近阻止、領域拒否(A2/AD)戦略に 対抗する姿勢を鮮明にしていた。し かも、「インド・アジア太平洋」という地域概念を打ち出し、日米豪比韓タイのほかニュージーランドやインドを加えた同 盟・友好国ネットワーク構築を唱え た。

  内向き傾向のオバマ政権もようやく、中国に対して厳しい路線に切り替えている。先に触れたシャングリラ対話でカー ター国防長官は、中国による人工島の埋 め立ての中止を求め、国際法が許容する航行や飛行を続けることを表明した。実際に5月20日、CNNの取材班を搭乗させ て、海軍のP8哨戒機を係争水域に 飛ばして、中国の不当性を・宣伝戦・に使ったのは見事であった。

  オーストラリアもまた、空軍哨戒機P-3を飛行させることを検討している。豪紙は空軍だけでなく、艦船もフィリピン やベトナムへの寄港という形で例の人工島の十二カイリ内を通過すると伝える。

  カーター国防長官はとりわけ、南シナ海沿岸のフィリピン、ベトナム、インドネシア、その他の東南アジアの友邦に5年 間で4億2500万ドルの軍事援助を 供与する計画を発表している。マケイン上院議員らはさらに、ベトナムに対する武器売却の拡大を求めるなど、国防長官を後 押しする。長官自身も5月31日に 訪越し、協力推進の共同宣言に署名し、巡視船購入のために1800万ドルを供与するなど、着々と周囲を固めている。

  カーター長官はオバマ政権内では、中国に対してはより強い態度で臨むべしと主張してきた人物である。今後も、米太平 洋軍のハリス司令官とともに南シナ海 の中国の動きに対応し、埋め立て島の軍事基地化や防空識別圏の設定をしないよう説得し、場合によっては「リスクをとる用 意がある」と述べている。少なくと も国防総省は、中国に対する明確な抑止政策に乗り出している。

  経済面にも一言触れれば、ピルズベリー氏は「100年マラソン」の一環として中国が国際通貨基金(IMF)や世界銀 行からなるブレトンウッズ体制にまで 挑戦していると指摘している。日米が主導権を握るアジア開発銀行(ADB)に対抗して、彼らはアジアインフラ投資銀行 (AIIB)を創設した。

  しかし、不況下にある中国は、資金の流出が激しく人民銀行の外貨資産が減り始めている。AIIBは習政権の対外戦略 に必要な巨額の資金を、国際金融市場 でかき集めるために機能しそうだ。従って、AIIBは資金調達のダミー機関といえ、「アジア」ではなく「中国インフラ投 資銀行」と考えるべきだろう。オバ マ大統領自身も中国が世界の経済ルールをつくる事態を防ぐためにも、もはや、アジア太平洋経済連携協定(TPP)の意義 を隠さなくなった。

  鍵は優柔不断なオバマ・ホワイトハウス

  いずれにしろ、対中抑止のカギは「オバマがトルーマンになれるか否か」にある。国防総省がその抑止戦略を一定程度強 化しても、ホワイトハウスの指示がな ければ動けない。対外政策で腰の引けるオバマ現大統領が、かつてのトルーマン大統領の対ソ戦略のように対中戦略に不退転 の行動を起こすかにかかるのだ。

  70年前の米国も第2次大戦に疲れていた。ルーズベルト大統領は2年以内に米軍を欧州から撤兵させる方針であった。 しかし、ルーズベルトはヤルタ会談の 2カ月後に死んでおり、後任のトルーマンが大統領に就任するとすぐに冷戦が始まっていた。トルーマンは欧州撤兵をやめ て、直ちに対ソ戦略を練り上げたので ある。

  オバマ大統領はどうか。米欧で活躍してきた著名な戦略家ジョセフ・ヨッフェ氏にいわせると、現在のオバマ政権は「こ の6年間、何も学んでいない」と嘆い ている。安全保障、自由貿易、航行の自由を阻害する秩序の破壊者を放置し、「挑戦国を封じ込める代わりに、自分自身を封 じ込めている」と痛烈に皮肉った。

  ヨッフェ氏はいま、「オバマ政権のホワイトハウスがX論文を読んでいるとは思えないのだ」とWSJ紙(5月12日 付)で叱りつけている。オバマ政権が 「自分を封じ込めている」とは言い得て妙だが、事態はさらに深刻である。せめて、「対中X論文」としてピルズベリー氏の 『100年マラソン』を精査し、超 大国の威信と責務を取り戻して欲しい。そうでなければ、米国と世界は、米大統領選後の2017年まで新しい指導者の出現 を待たねばならない。

  この間に、国際秩序の挑戦者は、彼らの「辺境」に手を出して敵の出方をうかがう。ロシアはクリミア半島を併合してウ クライナに手を伸ばし、中国は米国 が優柔不断なオバマ政権のうちに、南シナ海の岩礁の埋め立てを完成させようとスピードアップする。オバマ大統領が「米国 は世界の警察官ではない」と発言を したからだけではない。2014年にオバマ大統領が米誌『ニューヨーカー』1月24日号で、わざわざ「私にはいま、 ジョージ・ケナンのような人物を必要と していない」と語って、グローバル戦略を拒否していたからである。

  オバマ政権が寛容さを示せば、挑戦国はそれを弱さの証明であると考える。オバマ政権の「アジア回帰」が口先だけとみ るや、中国が南シナ海の7つの岩礁を ひそかに埋め立てた事実にそれは表れている。米国防総省が5月8日に発表した中国の軍事力に関する年次報告書によれば、 埋め立て面積は昨年12月以来、4 カ月の間に4倍にまで拡大していることが明らかになった。しかも、驚くべきことにサンゴ礁をダイナマイトで一気に破壊し ていた。海兵隊普天間飛行場の移設 先である辺野古沖の埋め立てにより、サンゴ礁をこすったなどという度を超えている。

  しかし、中国の習主席は米国の・本気度・をはかるように、訪中したケリー国務長官に「広い太平洋は二つの大国を収容 できる空間がある」と、なおも挑戦的 だった。米政府内でいまが北京との緊張を高める適切な時期かどうかについて論議が続いているという。南シナ海で中国の要 塞化が進んでいる以上、米戦略国際 問題研究所(CSIS)の上席副所長、マイケル・グリーン氏は「いま、強い対応を取らなければ、後でより危険な対決にな ることは間違いない」と断言した。 戦争を回避する勢力均衡は、強制的な執行者がいてこそ成り立つものである。

  安倍首相はミズーリ州フルトン演説こそ実現しなかったが、6月8日の先進国首脳会議(G7エルマウ・サミット)で中 国、ロシアを念頭に「力による現状 変更」は認めないことを盛り込ませた意義は大きい。対外政策に消極的なオバマ大統領の外堀は埋められた。そして安倍首相 には、目先のことに引きずられず、 世界の大局をみるチャーチルになってほしい。


  ■湯浅博氏 昭和23年(1948)年東京都生まれ。中央大学法学部卒、プリンストン大学Mid-Career  Program修了。産経新聞外信部次 長、ワシントン支局長、シンガポール支局長などを歴任。主著に『アジアが日本を見捨てる日』(PHP研究所)、『吉田茂 の軍事顧問辰巳栄一』(産経新聞出 版)、『覇権国家の正体』(海竜社)など。 ※この記事は月刊正論8月号から転載しました。