既にバイデンの勝ちと割り切っている宮崎さんが、そのトルコとバイデンが関係改善を計れるかに注目しているようです。
あのバイデンに外交させると金を懐に入れることばかりやりそうな気がします。
国民からも海外からも認められないようなバイデンに何が出来るのでしょうか。何とも嫌な世界になりそうです。
「宮崎正弘の国際情勢解題」より 令和三年(2021)1月12日(火曜日)弐 通巻第6761号
バイデンはトルコとの関係改善を図れるか?
シリア内戦、米国との対立を超えて経済が回復中
英国とEUの離脱交渉(BREXIT)は、EUと中国との包括投資協定に合意する直前の12月24日に、急転直下、合意に 達した。
FTA(自由貿易協定)交渉の詰めの段階へきても、双方は「漁業権」が縺れていたが、これも解決し、従前のように関税セロが 維持されることとなった。
漁業権は英国の領海でEU諸国が漁獲をしている枠組みを、今後五年間で25%削減する。英国は80%の削減を主張していたか ら大幅な英国の譲歩である。EU側も急速に歩み寄ったのはバイデン政権誕生前の駆け込みである。
ともかく2016年6月の英国EU離脱宣言以来、交渉はいくども暗礁に乗り上げ、頓挫したため、直前まで絶望的な雰囲気が 漂っていた。
その英国が今度は、トルコと従来のFTAレベルを超えた包括的交渉で合意した。12月31日だった。駆け込み合意によりト ルコと英国は「戦略的パートナーシップ「」の締結へ向かって走り出した。となると、「次の段階」とは農作物ばかりか貿易関税 ゼロからサービス産業、デジタル経済、投資の自由化などが協議されている。
さらにトルコのエルドアン大統領は1月9日に、フォンデアライエンEU委員長と会談を行い、EU・トルコのFTA交渉の進 展に関して討議したあとで、明るい展望がでてきたと語った。トルコの新聞が報じた。
かつては「中東の覇者」としてオスマントルコ帝国が輝いていた時代があった。
トルコとEUが揉めているのは、戦後一貫しての領土問題、いわゆる「キプロス」があるが、近年の難題は、じつはシリア難民 である。
いまも400万人ものシリア難民をトルコが引き受けているのだ。そのうえ、フランスなどはアルメニア問題でトルコを非難し 続けているため、なかなか溝が埋まらない。
また米国とは、エルドアンが進めるイスラム化への懸念もあるが、最大の問題がロシアからS400ミサイルシステムを導入し、 米国のF35を蹴飛ばしたからだ。そのうえ、ロシアのパイプラインが、トルコを経由した南欧に繋がるのも、西側にとっては安 全保障上の懸念材料となる。
したがってシリア内戦、シリア難民の大量保護、西側との軋轢、これに加えてのコロナ禍で、頼みの観光が壊滅状態となり、経済 は落ち込んでいた。トルコ観光はロシア、中国から多少の観光客、くわえてドイツのツアーがあるとはいえ、年間二千万人のツ アー客はほぼ蒸発している。
ところが、トルコのGDP成長は2019年にマイナス転落を免れ、4・5%を記録、2020年第一四半期は4・9%だった。 直後からのコロナ災禍で、通念統計はまだ出ていない。
▲ここ掘れ、わんわん。金鉱山に古代文明に、コインもザクザクと
さてトルコにはたくさんの金鉱山がある。既存の金脈に加えて最近も、トルコ中西部のソユット地区で埋蔵99トンの鉱区が発 見された。
トルコでは世界最古の文明とされる古代都市が発見されている。発掘作業が手間取り、世界の考古学者が大いなる関心を示してい るものの、クルド問題とシリア内戦の影響で、作業が後回しになった。
当該ギョベクリ・テペ遺跡は、紀元前1万年~紀元前8000年の間に建造されたことが、放射性炭素年代測定によって判明して いる。石器時代(後期旧石器時代~中石器時代)である。この遺蹟はアナトリア東南部の台地にあってドイツチームの発掘が 1999年から2014年まで続いた。
全貌が明らかになれば、従来の世界史、考古学の年表がひっくり返る。
朗報が続いた。金鉱山の開発と金生産が開始されたのは2001年。外資が導入され、採掘が進んでいたが、トルコの強引な労働 現場の悪環境、自然環境保護などの問題で自然保護団体や野党が避難し、外資系企業は撤退した。
これら諸問題が、エルドアン政権を追い詰めてきた。にもかかわらず過去二十年間にトルコは382トンの金を算出した。 2019年には38トン、2020年には42トンに達し、金を好む近隣中東諸国に輸出された。
シリア問題がメディアの話題に登らなくなって久しいが、トルコの回復には注目をする必要がある。
日本にもアメリカに騙し取られた金が新たに算出される可能性は無いのでしょうか。どこかにありそうな気がします。