明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



来月文化放送で昭和30年代、大阪拘置所制作の、死刑の実況テープが放送されるそうである。遺族の了解をとっているということだし、死刑囚が未だにロープで吊るされることを知らない人も多いので、意義はあるだろう。法務省はテープの存在の真偽を確認できないといっているそうだが、おそらく、この録音から起こしたものを雑誌で読んだことがある。読み返してみようと探したが、室内の山々の、どこにあるか判らず断念。これから数分後に死ぬ人と、殺す側の人間が雑談している。読んでいても異様な雰囲気であった。煙草を薦められたり、饅頭がでるようだが、消化されずに終わる饅頭を、食べられる人はまずいないようである。執行官の座談の様子も読んだ覚えがあるが、妙にほがらかで、陽気にしていなければやってられないということなのであろう。中には行きがけの駄賃に、一生残るような嫌味を言い残して死んでいくものもいる。執行した日には何がしかの金が出るようだが、みんな飲んでしまって家に持って帰る人はいないらしい。 被害者の肉親がスイッチを押すアダ討ちなら納得できるが、死刑というものが今どき存在していることが理解できない。釈放無しの終身刑採用が待たれる。

過去の雑記
HOME

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )